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マルチタスク・トラップ

あらすじ

ホテルの部屋で、大女優ソン・インナは息子のユン・シウと居候のカン・サランに対し、自身の復帰作としてサランとW主演を務める映画の製作を提案します。インナがぶち上げた構想は、世界市場を狙ったワイヤー満載の「ファンタジーアクション映画」でした。サランの演技への情熱や意思を確認しつつ、インナはシウに2〜3日中に企画書とプロットをまとめ、彼の父親(S.S.Iの会長)へ送るよう怒涛のスピードで要求します。サランはインナの超人じみた熱量に圧倒されつつも、母の熱い語りを冷静にパソコンへ書き留める天才作家シウのマルチタスク能力を目の当たりにするのでした。

 しかし、大丈夫であろうか?

カン・サランが日の出に起きて朝活したところなど見たことない。

それに運動も心配である。

彼女の唯一の運動はミュージカルのものまねくらいなのだ。

「シウ。あなたも一緒に起きて写真と動画撮るのよ?

一人で寝ている、つもりじゃないでしょうね?

体がだらけていたら、精神もだらけるのよ?自分に厳しくしなさい。

半年間。体鍛えてもらうわ。お母さん。マッチョが好きなの」

「サランは?」

「うーん。好き。かな?」

カン・サランはもじもじニヤニヤしている。

そこに大女優が畳みかけてきた。

「マッチョに決まっているでしょ!それ以外あり得ないわ」

「シウ。パソコン持ってきたの?すぐ出して準備して頂戴。仕事するわよ」

ユン・シウが荷物を開けて準備していると。

ちょうどホテルの従業員がドリンクを持ってやってきた。

カン・サランがドアを開け、テーブルをソファーで三方囲んだ所に、ドリンクを並べた。

ソン・インナにお伺い立てていたのは、ソン・インナの飲み物を

勝手にアイスコーヒーにしたのだが、それで正解か確認したのだ。

ソン・インナはカン・サランに座るよう促して、自分もソファーに腰を下ろした。

「まず、今日二人に来てもらったのは、映画を作ろうと思ったのよ。

サランが演技の勉強する機会を協力したいって、シウが言い始めたけど。

私。思うのよ。大学とか個人レッスンとかよりも、情熱と観察よ。

それだけで十分。私もそろそろ復帰して一緒に映画撮るのはどう?

私とW主演よ。シウはどう思うの?」


「構想は?どんな映画とか?実はね。パク・ドユンと映画作ろうって」

「意外性と必然性が大事よ。ファンタジーアクションだと思うわ。」

「ファンタジーアクション?ソン・インナが?復帰作で?」

「だから、意外性よ。ワイヤーアクションするのよ!ちょっと、痩せなきゃ」

貧弱な新人女優と往年の大女優がW主演でファンタジーアクション。

それでは『空飛ぶサムギョプサル』と『棒振りのサムゲタン』の戦いではないか?

「必然性は?ソン・インナのファンはファンタジーアクションを見ないよ。」

「あなた、もっと世界を見なさい。中国でファンタジーアクション人気でしょ?

何億人住んでいると思っているのよ。欧米は忍者と武士道は根強いの。」

「なるほどね。思いつかないです。もう大枠考えてあると」

「西洋と日本ベースに中国が受け入れるテイスト。神話、歴史、宗教匂わせて、

忍者と巫女が悪魔と戦うのよ。あとはパク・ドユンに任せたらいいわ。

あなたが思っているのだから、あの子は天才だわ。

私たち主役はそんなに演技しないで、たくさん戦った風にすれば可能じゃない?

静止画とエフェクトとエキストラ多用でいいのよ。全体の作品性が大切なのだから」

「サランは商業性とやりたいことの矛盾に挫折してないけど。

どうおもうかな?ファンタジーアクションいいの?演劇やりたいとか、

ミュージカルやりたいとか。人間ドラマやりたいとか」

「サランはいいのよ。この1作は好きでも嫌いでも、やってみてから好きなように仕事したらいいでしょ?だってまだこんなに若いのだから。」

ソン・インナが顔を覗き込むと、サランはにこにこしている。

完全に手懐けている、洗脳まであっというまであろう?

「設定とあらすじをこれから話すわよ。全部書き留めて、

企画書とプロットまとめる。できたら、あなたのお父さんに送ってほしいの。

出来るだけ早く、2~3日中に。いいわね?始めるわよ?」

「了解です。では、どうぞ」

ソン・インナは腕組すると天井付近を仰ぎながら目を閉じて、語り始めた。

『マルチタスク・トラップ』である。

カン・サランはすぐにわかった。

ユン・シウも思考を二分割して同時進行できるのである。

カン・サランが尊敬する天才作家だが、母親もまた超人肌なのだろう。

「事前に説明するけど、すべての世界観をまず、全部話すわ。全部わからないと

イメージが完全に共有できないの。オリジナルの創作物はね。

くどいと思うかも知れないけれど、まず全体を把握して欲しい。

わかったわね?」

ユン・シウを見たが、彼は驚きもせず、冷静にパソコンの画面を見つめ、

耳をすませて待機していた


今後、記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、

もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。

こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。


※作中のメインキャラクターは日本語も韓国語も話せる設定となっておりますが、読む側を考慮して日本語表記にしております。キャラクター達は場面に応じて言語を使い分けているとご理解願います。


参考データ

※ユン・シウ…小説家25歳

※カン・サラン…女優志望のアルバイト20歳

※ソン・インナ…女優、シウの母親

※イ・ソジュン...シウの親友。Juringエンター専務。子犬の幼顔と低音ボイス

※『Love Hunt』…ネット配信の恋愛リアリティ番組

※『私にキス出来ますか?』…シウ作の小説

※『ずっと僕は君を』…シウ作の小説

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