金木犀(キンモクセイ)の香る頃
東京都心では、2026年8月27日から10月2日まで、37日連続で雨が観測されたという.
これは1886年の統計開始以来、最長の記録らしい.9月は30日間すべてで雨が観測されたとのことである.
しかし、37日間ずっと雨が降り続いたわけではなくて、晴れ間のあった日も含め、毎日少なくとも一度は雨が観測されたという意味である.
久しぶりに晴れた、土曜日.
ドクトルは朝早起きして、アミノ酸の勉強.
メチオニンの代謝.
ルシフェルや海丸くん、みたま、アテナや静香を相手に、アミノ酸の勉強.
「ホモシスチン尿症、結構いろんなところで出てくるんですけど、今ひとつピンとこない病気なんですよね・・・・」ドクトルがいう.
「メチオニンは、いろんなものにメチル基を引っ付けるときに重要なアミノ酸だな・・」ルシフェルもアミノ酸の知識は
「メチオニンが、アデノシンに結合して、アミノ基を離した後、出来上がるのが、ホモシステイン・・・」
「あれ、でもこのドクトルの生化学の教科書、システイン、炭素は、COOH :カルボキシ基(carboxyl group)をうくめて、炭素は3つ、ホモシステインは、4つで数が合わないね・・・」アテナの疑問である.
生化学の教科書の言うところによると、セリンと、ホモシステインから、ホモセリンと、システインを合成するのが、メチオニン代謝のキモらしい.セリンと、ホモシステインから、シスタチオンを合成する過程に問題がある場合、特に、シスタチオンβ–シンターゼという酵素の欠損で起こる病気が、ホモシスチン尿症I型.
ドクトルはこの生化学の本を学生時代に買って、その関連項目、今日初めて読んだ.
「40年前に買った本、初めてこの記載を読みました.勉強が足りませんねえ」
ドクトルがいうと、
「いやいや、学生の時の本、今も大事に本棚に置いて時々、開いてみるというのは大事なことじゃないかい」珍しくルシフェルが優しい.
ドクトルは、学生時代の本、ノート、これまでに買った雑誌、その他の書籍を基本ずっと持っている.そして全てを本棚に載せて、どんな本があるかわかるようにしてある.引越しは大変だが、曖昧な知識を、確認するには非常に良い方法だと思っている.
「ホモシスチン尿症、要するに、二分子のホモシステインが、S-S結合して、ホモシスチンになる.この分子が体の中に蓄積すると、活性酸素が放出されて、臓器障害が起こるというのが病気の本質らしい.」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここまで朝の勉強をした後、支度をして、午前中に少しだけ病院に顔を出す.
一回り病棟の患者さんたちの御用伺い.医局に戻ってちょっと、勉強したり、日記を書いたりして、帰宅する.
久しぶりの晴れ.
「今日は洗濯日和ですね!」
家に帰ってから、荷物を出して、布団を干す.そして、タオルや、服、全部洗濯.洗濯終わってから、しばらく、ボケット、小説のPVを確認したり、アミノ酸関連の生化学の教科書を確認したり.
部屋の掃除と、洗濯が終わって、ベランダに干す.
布団を取り込んでから、昼寝をした.
暗くなってから、ゴソゴソと起き出す.
ニュースを見てるときに、海丸くんと、アテナと、珍しく、みたまがドクトルのうちにやってくる.
ニュースを見て、7時半から、「ブラタモリ」
今日は、南禅寺のこと.
「湯豆腐」で有名らしい.それに触れたのは最初だけで、なんでそうなのかという説明はなかったか.
なんでこのお寺がすごいのか?
南禅寺の歴史
正応4年(1291年)、亀山法皇が無関普門禅師(大明国師)を開山に迎えて開創された.
亀山法皇は建長元年(1249年)、後嵯峨上皇の皇子として誕生され、10歳にして皇位に就かれた(第90代亀山天皇).しかしご在位の頃より東アジアの情勢が緊迫し、上皇になられてからは蒙古来襲という国難に立ち向かわれた.
この頃、上皇は父である後嵯峨天皇が帰依されていた圓爾辧圓禅師(無関禅師の師・聖一国師)に受戒・問法し、不動の心を持って危機に対処された、とある.
石川五右衛門の、「絶景かな」で有名な、三門.
琵琶湖疏水の水路橋.境内の景観に配慮してある.レンガ、花崗岩造りのアーチ型の橋脚で、国宝に指定されているらしい.水路閣は、アーチの隙間から、顔を出して写真を撮る、有名な観光スポットとして、有名らしい.
庭の、家の水を抜いてみる.
なんとその池には、龍神がうねっている!
「龍神は全ての海を支配する.そして、、全ての川は龍神から生まれる・・・」
海丸くんがかつて、ぼうっと遠くを見るような目で、何かに取り憑かれたようにボソリと言っていたのをドクトルは聞き逃さない.
「え、どういうこと?」ドクトルが意味を聞いたが、海丸くんは、何も答えず、
遠くを見る目のまま.
「・・・・・・」
は、としたように、ドクトルの方を見て、「あれ、僕なんか言いましたっけ・・・」と彼は言っていたが.
南禅寺の法堂には、蟠龍が描かれている.
地上にとぐろを巻いてうずくまる龍
今まさに、天へと飛び立とうとする、龍神・・・
「禅宗において、龍神は重要な意味を持つ、らしい.」
「仏教のこととか、もっと勉強しないとダメだね・・・」
テレビを見てから、皆で夕ご飯を食べに出かけた.
その前にちょっと寄り道.
ペットボトルの回収だしてから・・・・
お城公園の中を通って街の中に.
京都府の山科から全国に展開した、餃子で有名な大衆中華のお店.
「私、子供の頃に住んでいた街の商店街、二号店ができて、なんと新聞お織り込み広告に、割引券が入っていたんですよ、せっせと集めて、通いましたね・・・」
ドクトルは小学生から、予備校に行って、大学に入って一人暮らしをするまで、このお店に育てられたと言ってもいいぐらいに、通ったものだ.
「なんせ、1000円あったら、チャーハンに餃子に、回鍋肉を食べて、お釣りがきましたからね.」
大学に通うようになって、札幌で暮らす.
「なんと、ない!」
「これからの食生活どうなるのだろう・・・ちょっと不安でしたけどね」
その後何年かして新潟.新潟へ進出もかなり後になってからである.
「ふふふふ、るんるんるんるん・・・」
鼻歌まじりにアテナがメニューを見る.
アテナは回鍋肉にチャーハンに餃子、
海丸くんは中華丼と、唐揚げ
ドクトルは、中華そば
みたまは、なんか狐みたい、と、天津飯と、餃子を頼んだ.
皆で楽しく食事をしてから、
みたまが、「ちょっと母さんのいえ、寄ってってもいいかな・・・」
大歳御祖神社にお参りしていくことにした.
神社の参道を歩いていると、ほんのりと、いい匂い・・・・・
「あ、もくせいの匂い、秋だね・・・」アテナがいう.
「いい匂いですね・・・」海丸くんも気がついた
「確かに、いいよね、秋が、裏口からやってきた、みたいで・・・」みたま先生の感想.
「もくせいの香るこの季節、暑さも落ち着いて、私は好きな季節ですね・・・・・」ドクトルも皆の意見に賛成である.
皆が、秋の夜の空気を、思い切り深呼吸をして、吸い込んだ.




