おじさんの胸にも力と勇気を!
今日は珍しく、アテナとドクトルが口論をしている.
「だから、あんたはちゃんとできるんだから、何でいつもそういうふうに自信なさそうにしてるの!」
「いや、だって、自信たっぷりにして、ええかっこしいって言われると、嫌でしょう、実力は、腹八分目ですよ」
「腹八分目ってまた何分けのわからないこと言ってるのよ.それにね、私いつも、若い人に言ってるの、若者の胸に力と勇気をぶちこめ!て.あんたみたいに、うじうじ自信なさそうなの見ると、黙ってられないのよ.」
「お生憎様、私は全然、若者ではありまっせん!ご覧の通りのジジイでございます!血圧の薬飲んでますし!」
「だから何なのよ、血圧の薬くらい若い頃から飲んでる人いっぱいいるわよ.
あんた、白髪はないし、頭も禿げてないじゃないのよ、そう言うとこよ、もっと心は若々しくってできないかな、もお、ほんとに腹たつ!」
海丸くんが恐る恐る聞いてみた.
「お二人は何を言い争ってらっしゃるのですか?」
「おお、海丸いいところに来た、あんたからも言ってやってよ、ドクトル、もっと自信持ちなさいって」
「はあ・・・・」海丸くんはもちろん、どう答えていいかわからない.
「いやね、海丸くん、私の話も聞いてくださいよ、アテナさんはね、私が、フランス料理のメニュー覚えてなくて、娘に書いてもらったのみて、私はダメだけど娘はこんなにちゃんと書いてくれて、私の様なものでもこんなにちゃんとした子が育ってよかった、て言っただけなんですけどね」
「だから、娘がちゃんと育ったんはあんたがちゃんとした大人だったからでしょ、ちゃんと自分のこと、もっとちゃんとみなさいよ」
「ふん、余計なお世話ですよ!ちゃんとしている様にみられるのは、関西人は一番恥ずかしいんですよ!ええかっこしいって言われるんですよ!」
アテナもドクトルも、議論がちょっとめちゃくちゃの支離滅裂の様な感じがしないでもないが・・・・
で、その娘さんのフランス料理のレポートというのは?
「あ、これなんだよね、ちゃんとしてるでしょ・・・」とドクトルが、学芸会の子供の写真を、自慢げに職場で見せびらかすお父さんになっている.
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彼氏を連れてきた娘さんと会食した時のメニューらしい.
「ほお、どれどれ・・・」
海丸くんがテーブルに置いてみた.そこにいる皆が覗き込む.
「おー、ちゃんとしてるね、これこれ、この前食べたフルコース、同じメニューだ」
はるながいう.
神々の狂宴も同じメニューだったはずだが、彼女も詳細には覚えていなかった.
まあ、あの大騒ぎの食事会だからしょうがないか・・・・
メモとる暇もなかったわな・・・・
「おお、おめえんとこのお嬢ちゃんがまとめたんか、ちゃんとした子だな」とルシフェルがいう.
「お、先生のお嬢様、しっかりされておられる、さすがです!」須佐男はなぜかドクトルに対しては丁重である.実は須佐男は、くくりの姐さんとの飲み比べで、いい感じで酔っ払っていたので、料理のことはほとんど覚えていない.
以下が、ドクトルの娘さんが書いた、フレンチメニューのレポート.
アミューズ
豚のタンをアニスとクローブで柔らかく焼いたものに、フランスから取り寄せたチーズと赤たまねぎのピクルスが乗っていた
食用花はナスタチウム.ほんのり甘かった.
と感じたのは私の主観?
ナスタチウムは実は甘いというより、少し辛味(ワサビやクレソンに近い風味)がある花、とのことです.
前菜1
とろけるカキにソルダム(スモモ)とオレンジ色のプチトマト、オリーブオイルのソース.牡蠣は釧路でとれたやつらしい.
前菜2
アスパラに生ウニのオランデーズソース.
コリンキーというかぼちゃがくるくるっと巻いて添えてあった.
コリアンダーの花(?)も乗っていた.
「ヤングコーンとヤングコーンのひげってアスパラと同じ皿に乗っていたんだっけ?てへ、覚えてないや・・・・」
スープ
キタアカリのポタージュにモロヘイヤソース.おつなひめという品種の枝豆が3粒ほど入っていた.
魚料理の一皿目は、オナガダイの焼いたのだっけ?ムニエル?焼き方にも色々あるらしい.
(ムニエルではないか、するとソテーか、ポワレ?その辺は私はよくわかりません)
ふた皿目は、オマール海老に衣をつけた揚げ物?衣はなんだったのだろう?
調べてみると、カダイフ(Kadaif)という、小麦粉で作られた極細の麺状の衣のことらしい.フレンチでは海老や魚にこれを巻きつけてパリパリに揚げる(または焼く)料理が非常に有名で、定番中の定番なのだそうな.
その横には、鯛の焼いたの.フランス料理は焼き方も、色々あるらしい.AIによるとポアレであった可能性が高いと.
お肉だったかにウイキョウの花が添えてあって嬉しかった.
肉料理の最初は、鴨肉のロースト.蜂蜜のソース?ほんのり甘い.
フィレ肉にフォアグラが乗っていたお料理.
添えてあったきのこはポルチーニとマッシュルームとしいたけ
(フォアグラはカモだっけ?)
デザート
チョコレートのブリュレにピスタチオのアイスが添えてあった.
カラメルがパリパリで美味しかった.
パンは3種類、プレーン、ライ麦入り、バケットのプチパン
食後の飲み物と小菓子
コーヒーもしくはアールグレイ(紅茶)
ホワイトチョコとレモンのマカロンがカカオニブの上に乗って出てきた.
カカオニブはシェフは苦くおすすめしないと言っていたが、意外と美味しかった.
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いつの間にか、ヘスティアおばさんとか、愛ちゃん健ちゃんのママとか静香や、愛染の母ちゃんや、ミタマもやってきて、ドクトルの娘さんが書いたフランス料理のメニューと、感想のレポートを読んでいる.
「うん、これだと、何となく、再現できそうな気もするね・・・」とミタマが家庭科の先生らしいことを言う.
「ほおどれどれ・・・」ヘスティアおばさんもこの頃はフランス料理にはちょっと詳しくなってきたところである.
「イメージが湧いたら、できるかも・・・でも実際食べてない私たちは、はるなとミタマの意見が頼りだねえ・・・」
「あ、なんか料理したくなりますね、腕がなるというか、もちろん、すぐにこれを作れるかって言われると、家庭の主婦には難しいかもしれませんけどね」
愛ちゃんと健ちゃんのママの意見である.
「ね、私の娘、すごいでしょ、私なんかどんな料理が出たかも、覚えてなかったのに」とドクトルがいつものダメなやつ、失格親父のアピールをするのだが、ちゃっかり娘さんの自慢はしたいみたいである.
「いや、だから、あんたがちゃんと娘さん育てたからでしょうが」またアテナが言うが
「ふん、私みたいな父親、一緒に暮らさなかったから、娘はちゃんと育ったんです、変なこと言わないでもらえますか!」
噛み合わない議論は延々と続いた.
「子供はね、どんな親でも、自慢したいもんなんだよ・・・・」
アテナがブスッとして小声で言うと、ミタマも小さく頷いた.
ドクトルの娘さんのレポートによって、別館では、「エピゴーネンのフルコースディナー」が、完璧とは言えないまでもコピーされたらしい.
はるな、ミタマ、ヘスティアら別館専属シェフらによる、フレンチのフルコース
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一緒に連れて行ってもらえなかった、子供と留守番組の大人たちも皆、大喜びであった、と言う話である.




