「大社(おおやしろ)の密議
「おっとしょうもない、脱線をしてしまった」
全国主要神社の、参拝客、出雲大社以外は、皆,10月に参拝数が落ち込んで、出雲大社が、突出して増えるか、というとそうでもないということがドクトルの調査で判明した.
要するに神々は、10月には皆、出雲に出張して、年次総会である、「神議り(かむはかり)」に参加するというのは、都市伝説であるという結論であるが、
考えてみれば、神様たるもの時間的、空間的な制約を飛び越えて、縦横無尽に活動するからこそ神様だ、ともいえなくはない.
だから (?上記の論法だと、いつでもどこででもいいはずだが・・・)、
大国主とその仲間たちに加えて、武甕槌まで加わって、密議を凝らしたというのは、
開催場所:出雲大社、つまり「おおやしろ」
日時:「10月吉日(旧暦)」ということになろう
すると参加者は、もちろん、
大国主神
事代主神
建御名方神
須佐之男命
それに武甕槌神、
だけでない可能性がある.
その場にいる神々、誰がいるかな・・・・・
おお、すごい神々が勢揃いである.
国神、天津神、八百万の神々・・・・・・・
日本人はとにかく何にでも神様が宿ると考えている.だから名前の知られていない神々もたくさんいるのだろう
有名なところでは
天御中主神、「あ、流石に彼の姿をみたことのある人はいないみたい・・・」
しかし造化三神のうち、No.2,3・・・・
高御産巣日神
神産巣日神
・・・・・・・・
ただし、イザナギ、イザナミはここにはいない.
お、有名なところ、天照大神、天岩戸からの救出作戦の主要メンバー
八意思兼神
天手力男命
天児屋命
太玉命
天鈿女命
石凝姥命
玉祖命
「五伴緒」と呼ばれる五柱の神々は、岩とからの救出作戦の時だけでなくて、邇邇芸の天孫降臨にも随行している.
天照大神は?
彼女が、また引きこもりそうになったから、この会議が行われているのである.
月読命は?彼もあまりこういう場所には出てこない.
アマテラスの引きこもり、神々にとってもちろん、下界の生き物の全てにとっての大問題である、はずなのだが・・・・・・
このことについてはそこそこに議論した上で、結論は持ち越しになった.
その後、高天原の連中が武甕槌の神を残して退出した後、
出雲の神々の主要メンバーが、最重要案件を議論している.
この問題も、なかなか結論が出ないということは前作で触れた.
「はるな、どうする?」
「誰に任すか、俺ら皆、長期の出張になるだろうから・・・」
「安心して任せられるやつ・・・」
「ゼウス?」
「いやいやいや・・・・・・」
「う、待てよ、彼ならどうだろうか?」大国主が、ある人物を思い出したようである
「オヤジ、ある人って誰だい?適任者がいるかい?」建御名方がきく
「ほら、あの彼だよ、はるなの手術をしてくれた、あの男・・・・」
「!」須佐男も「は!」と思い出した.
「おお、うん、うん、あの方なら・・・」須佐男があの方、と呼ぶほどの大物?
「あ、そうか、その手があったか!」と事代主も手を打って、同意した
(あれ、須佐男の爺様にこんなこと言わせるような、大物いたっけ?)
体の俊敏さに比べて、頭の俊敏さが父や兄ほどでない建御名方はまだわからない.
「で、その人物とは?」
事代主と、須佐男、大国主が声を揃えていう
「独取警一!」
改めて大国主が、建御名方にいう.
「あのドクトルだよ!」
しばらく、言葉が出なかったが、
「あ、その手があったか!」
建御名方も手を打った.
「人畜無害、若い女性に及ぼす危険性は、ほぼ、0」
「仮に危険性があったとしても、はるなは絶対に傷つかない・・・」
なぜならはるなはドクトルのことが嫌いではない.
(まあ、その女性に好かれているからと言って、何をやっても良いという論理は、古い時代の倫理観だが.)
「見た目によらず、肝が据わっている」
「医者としての能力は、悪くない.診断能力、外科医としての腕前・・」
「女とスキャンダルに無縁!」(まあ見かけはね・・・しかし、人が見てないところでどんな悪さしてるか知らんよ・・・・)
「難点は、鈍感なところ、やる気を出すことを嫌がること、くらいか?つまり、あまり熱意を示して、目立つことを極端に嫌う・・・・」事代主分析である.
要するに関西人で、「ええかっこしい」は嫌いで自分はなりたくない、
つまり、ヒーローにはなりたくないということなのだと思う.
「いや、それは、難点ではなくて、彼の最大の美点だ!
この任務を安心して任せられるのは、彼以外には、いない!」
恩師でもある大国主命が太鼓判を押した.
こうして、出雲の神々が地下活動に入る前、はるなの護衛役は、ドクトルに任せようと、決まった!




