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Stroke202X②「どっからみたらいいものか・・・」

今年のプログラム、もちろん学会のホームページで見られる.


大きな会場の演題とか、シンポジウムとか、順に見ていくしかなさそうだ.


なになに・・・・


脳卒中と遺伝子

「もやもや病とRNF213 遺伝子異常・・・これはもうかなり前から議論されているしな.でも今ひとつピンとこないかな.」


tPA、今使えるのは、アルテプラーゼだけかな?テネクテプラーゼは・・・

「今日の治療薬にはまだ載っていないか・・・臨床試験中なのだろうか.

何が、どお、アルテプラーゼと違うのだっけ・・・・」


血栓回収療法、そもそも、tPAで溶けにくい、内頸動脈と中大脳動脈の近位部の血栓を物理的にとってしまいましょう、という発想で、広く行われるようになって、まだ10年くらいか・・・中大脳動脈の抹消、とか、脳底動脈に対して、血栓回収、どうしようか、という議論があるが、そもそもあそこは、tPAが結構効いて、再開通するのではかなったかな・・・」

第一線から取り残された、ドクトルの印象である.


内頸動脈巨大動脈瘤、手術と、フローダイバーター、どっちが主流?

開頭手術、動脈瘤を前後でトラップして、あとはハイフローバイパス?

この頃、というか以前も限られた施設でしかできない治療だったし、フローダイバーター、手術できる血管内治療の先生と、施設は指定されたところだけなんだっけ・・・


「あと一週間だから、特に興味のあるところだけしか見れないなあ」


プログラムと抄録を読み込んで、あたりをつける作業から今日はするか.

という方針にした.


さっき彼を取り囲んだ別館の仲間たちは、彼の様子をこっそり伺っている.


「お、ドクトル、ちょっとやる気になったみたいじゃん」とアテナがいう.


「まあ、あの子も、やればできる子なんだけどね、なにぶん、いろんなことに手突っ込みすぎるっていうか・・・」おばば様にとってはドクトルも自分の子供の1人のようである.


「まあ、興味があって、これは、ということについてドクトルの勉強の取り組みは、確かにすごいものがある、でも飽きっぽいんだよね・・・・」静香の観察はかなり正しい.


「まあ、全部見れなくても、あの様子だと、また色々面白い話を聞かせてくれそうですよ、ドクトルはそういう人だと僕は信じています.」海丸君ある意味、ライバルであり、学友であり、師匠でもあるドクトルのことをそう思っているらしい.


「まあ、今はそっとしておくかね・・・・」とルシフェルはいうと、そおっと、図書室のドアを閉めた.

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「お、エンドセリン拮抗薬、ついにくも膜下出血後の脳血管攣縮に使われるようになったね.クラゾセンタンか.エンドセリンは日本人が見つけたのだったかな?」


今は、エンドセリン拮抗薬は、肺高血圧症の治療薬にもなっているらしい.


心房細動の患者、脳梗塞の予防に抗凝固薬が使えない人に.左心耳閉鎖を血管内治療で行おうというもの.ランチョンセミナー?表題が洒落ている.


左心耳を閉じて、未来を開く!

「ほお、なかなか、洒落た、セミナーですね・・・ああ、でもプログラムと抄録だけですね、ランチョンセミナーはオンデマンドではあまり見れないしな・・・・」


プログラムを見ていると、なんか、こんな面白そうな話、聞けるのだったら、参加しとけばよかったかな・・・

いつもドクトルは思うのだった.



まずは、会長の開会の挨拶から

先人の流した、汗と涙の結晶としての今日の脳卒中治療がある・・・

脳卒中基本法、

人の医者でどうこうできるものではない・・・


『脳卒中克服への挑戦 次なる10年への展望』


これが今回の学会のテーマ、らしい.


スライドに小さく書かれていた.

「過去には感謝を、現在には信頼を、未来には希望を」

(オットー・フリードリッヒ・ボルノウ)


過去から自分は何かを学び取っただろうか?

未来に何か残すことができるのか?


「過去と、未来の橋渡し・・・まだまだ、私にもできること、あるかもしれませんね・・・」


誰に話すと言うことなしに、ドクトルはそう呟いていた.













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