職員検診にまつわる、エトセトラ・・・
職員検診にまつわる、エトセトラ・・・
ドクトルは、早寝、早起きである.
次の日が職員検診の日なので、早く寝た.目が覚めた時、時計を見たら、3時だった.おそらく、
「これからトイレ行ってまた寝ると、中途半端か.眠れないと困るしな」ということで、ちょっと早いが、起床した.
「そうだ、そうだ、検尿があるのだった」
紙コップを組み立てるというか、説明に書いてある通りに、四角いカップを作るのだが、うまくできた試しがない.
お茶の紙コップみたいなんじゃダメなんか?と思いながら、ぶつくさ言いながら、作る.去年か一昨年の検診の時には、結構上手にできたような記憶がある.
今年も上手くできるだろうか、なんて思いながらやっていると、途中でコップの端の方が破けてしまった
「ああ!しょうがない、これでおしっことって・・・」中間尿.少し出して、途中をコップに入れて、それで後は、そのまま排尿・・・・
問題は、検体を入れる、小さな容器にうまく移すことができるか、なのだが、
「あ、しまった・・・ちょっとこぼれたか」
まあよしとしよう.やはり紙のコップ上手くできなかったからな・・
問診票を書く.
朝の体温、これまでに高血圧、糖尿病、呼吸器疾患、尿酸、がん、その他の病気で治療をしたことがあるか、と言ったことを、なぜか鉛筆で書く.
既往歴、一応、公称既往歴としては、18歳からの潰瘍性大腸炎、40代半ばの白内障・・
「あ、そうだ、30代の初め頃に、地上転回しようとしたら、足に激痛が走って、骨折が見つかって、ついでに、骨腫瘍が見つかって手術してもらったんだった.内軟骨腫は良性腫瘍なのだが.腫瘍部分を掻破して、腸骨を移植して、その後、バーベキューの串刺しみたいなのを傍から出し他状態で、数週間だった気がする.」
家族の既往歴についても聞かれるのだが、
親父が、狭心症、前立腺癌、膵臓癌
母親は、パーキンソン病だったけど、そういうことを書く欄はないか.
「まあ、どうせ詳しくはわからないからいいか.」記載した、問診票は、見直しもしないで、ファイルに雑に差し込んで、カバンの中に入れておいた.
検診の準備が終わった後は、読書と、数学の勉強を少し.
しかし、今日は、1人、熱心な看護師さんを、なんとか味方に引き込もうというプロジェクトを遂行する計画を立てている.時々、そのことを考えながら、動画で、建御名方神とか、武甕槌神とか、神代三剣のことなど勉強した.
「へえ、武甕槌神、日本の神話では、ヒーローなんだ・・・」と自分も彼のことを扱った物語を書いたのだが、他の人の書いたもの作った動画を見ると、またなんか、イマジネーションが出てきそうな感じがある.
数学は、三角関数の応用問題.もう何回もやっている問題で、これまでにできなかった問題は、何度目かにやってもやはりできない、ということを思い知りながら.
朝ごはんは毎日、コンビニのおにぎりを食べるのだが、今日は朝ごはんを食べてはいけない決まりなので、何も食べない.台所のペットボトルを洗って、歯磨きして、トイレ、風呂.風呂から上がってから、また、数学の勉強をしたりして、出かける支度をする.
あまり早く出かけすぎても、今はそれほど患者もいないのだが.
7時前に病院について、ひとまわり自分の患者さんを回診.カルテを記載する.勧誘対象の彼女がいるのだが、「秘密の資料を渡すので、後で・・・」ということがなかなか言い出せないでいた.
やっとのことで、秘密の連絡先を書いたメモを渡した.まだミッションの途中だから、その詳細については、秘密だが、チョコのカタログの紙に、自分のメールアドレスを忍ばせて、渡して、
「結婚はしてるか?」とか
「彼氏がヤクザとかないだろうな?」と確認しているあたり、秘密結社のミッションではなくて、どうみても「ナンパ」なのだが・・・
「え、先生、いなくなるんですか?」
「いや、あの、そういうわけでもないけど、ああ、でも立場的に、やばいからな・・・」と説明になっていない説明をしたと思う.
とにかく、ことの詳細については、ここで明らかにするわけにはいかないので、悪しからず.
今日の一番の山を超えた、その後は上の空でカルテを書いて、医局に戻る前に手術着を着替えにオペ室の更衣室に行き、医局で、問診票とか、検尿を取りに行き、一階の受付に行く.検診はもう始まっているから、並んでいる人の数は少ない.
受付をしてもらってから、聴力検査.
「お、聴、(能)力検査・・・・」か
「超能力検査って、担当の保健師さんの心を読むのだろうか?」
「な、訳あるかい!」と、高齢者のボケは受け入れてもらえず.
「あ、変な親父が来た、と思ったでしょ?」
「はいはい、忙しいから、ちゃんとやって.赤いのが、右、青が左.音が聞こえたら、ボタン押してください・・・」
プー・・低い音が聞こえる.続いてやや高調な音が聞こえる.
左右とも問題ないようだった.
次に、血圧を玄関の前で測った.
「ぶー」と加圧されて、段々と数値が下がる.
なんと、180/110、心拍数も110!!
「いやこれだとあんまりだろう」
結局三回ほど測ったが、いずれの数値も似たようなものだった.
平静を装い、胸部のレントゲン.技師さんにも、
「あれ血圧高かったですね・・」
いやちょっと、「病棟の可愛い看護師さん、ナンパしてきたもんで・・・・」
と答えておいた.
身長体重、腹囲、そして、採血・・・・
採血は正中静脈が自分の場合取りにくいので、前腕から取ってもらった.一回で成功.
保健師さんの面接で、流石に血圧のことを指摘された.
「先生、これはちょっとあんまりですね・・・」と二回測り直しをされたが、やはり、160/110台.
「いよいよ、年貢の納め時ということですね・・・」
去年までは、150代くらいだったので、なんとか内服治療を先延ばしにしたのだが.
「脳出血になったら洒落にならんからな」と大人しく、内科を受診して血圧の治療をすることを約束させられた.「
検診センターの方で予約するとなると、この先生かこの先生の枠になりますが、どうします?」
(話したことない先生のところもな・・・)
「内科、自分で予約して、かかります」と答えて、その日の検診は終了した.
「内科か・・どの先生にかかるかな・・・」
とふと、「あ、今日は、脳外科の非常勤の先生の日だった!」
思い出して、即、外来に行き、受診の手続きをしてもらった.
診察券は、定期検診に必要だから手元にあった.
まずは外来に行って、受診の手続きをどうすればいいか聞いてみた.
「先生、健康保険証は?」
「え、どうしよ、使ったことないからわからない、でも多分あったと思う.」と言って、医局に戻りカバンの中を探した.
「あ、これだ!」再度外来に行き、受付をしてもらった.
「最後でいいですので、高血圧の薬を処方していただきたいのですが・・・」
「ああ、いいですよ、いつもお世話になっていますからね、いまだしましょう、何を出しましょうか・・」
外来で看護師さんに測ってもらった血圧は、130/100だった.
「アムロジピンでお願いします・・・5mgで・・・」
「何日出しましょうか?」
「まずは、2週間分」
「じゃ、2週間後に予約入れときますね・・・」
薬局に薬を受け取りに行くのを忘れないようにしないと・・・・
まだ、9時半をちょっとすぎた、ばかりだが、なんか密度の濃い、朝の出来事だった.




