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作戦!「クロノス制圧・・・」

「私の子供たち、クロノスの腹の中という名の強制収容所から、クレタに連れ出して、ゼウスが、帰ってくるのを待っていた、という話.それは前したね」


おばば様が別館の、子供たち、そして、孫世代の神々に話して聞かせている.

どうやって、クロノスの王朝から、オリンポスの神々が、支配権を確立したかという物語である.


ゼウスが、遠い東の果ての島国から、クレタに飛んで帰ってきて、兄弟姉妹たちと初顔合わせをした.


その後、皆で作戦会議が開かれた.


北の方角にレア様、つまり兄弟姉妹の母親である、おばば様

その右手、北東にゼウス

東にヘスティア

南東にポセイドン

南は空席

南西には、ヘラ

西にはハーデス

北西にはデメテル


という配置である.


クロノス制圧の、作戦本部長ともいうべき立場が、その妻である、レア様であるのは、皮肉だが、他の神々皆、クロノスの子供なのだから、全てにおいて皮肉なのだろう.


「骨肉の争い・・・」海丸くんが呟いた


「そお、骨肉の争い・・・でも、いつかは正気を取り戻してくれて、テーブルの南には、亭主が座ってくれるのではないか、という期待はなかったというと嘘になるかもね、今から思えば、だけどね」

 

結局、南側の席にクロノスが座ることは一度もなかったのだが.


会議は続いた.


「さあて、どうやって親父を改心させるか、だけどね・・・何か意見は?」レア様が息子や娘たちに問う.


「開戦あるのみ!」ポセイドンは、テーブルを叩きながら立ち上がり、いう.


「おやおや、ポセイドン、あんまりテーブル強く叩くんじゃないよ.壊れちまったら、代わりがないんだよ・・・」母親が、たしなめる.


「あ、あの、すみません・・」ポセイドンは少し小さくなったように見えた.

「デメテル、あんたどうだい?父さん、なんとか、心入れ替えさせる、そんないい方法ないかね・・・」レア様は、一番上の娘のデメテルにきく.


「まあ、父さん、頑ななところがあるからねえ・・・こうとなったら、なかなか自分を曲げない人だから・・・」


「うーん、でもね、じい様も予言、余計なことしてくれたもんじゃないか、お前も子供の1人に、倒されて、追われる、なんて.そのために子供皆が集まって、親父を打倒なんてことになるんだからね.・・・予言のパラドクス、ってんだろうかね.予言がなかったら、どうなったんだろうね?私たち、幽閉されなかったんかね?」

ヘスティアの発言.


「それはわからん.別の形で、不幸が私たちに襲いかかった可能性がないとはいえまい」ハーデスは、運命がすでに決まってその筋書き通りの人生を神も人も歩むということに対しては、納得がいかない.予定説の強硬な反対論者だと言っていい.人の一生など所詮は偶然の連鎖だ.結果なんかわかりっこない.


「父上、心を慰めるもの何かあればよかったのでしょうが.あまりお父様をいじめるのもどうかと・・・」ヘラは、クロノスに結構可愛がられたから、この謀議に参加することそのものを躊躇ったのだが.


「まあ、そうだけどね.だから私たち、なるべく、クノロス王のこと、命は取らないでいけどり、そしてどっか、変な動きをできないところに押し込めて、おとなしくしていてもらうということになるんだろうね・・」レア様は、のんびりとした声で言うが、言ってる内容は結構おっかないことの気がする.


「で、ゼウス、あんたどう思う?一気に大軍勢で攻め込んで、オヤジの首、とっちまうかい?それともできたら生捕にして裁判にかけてどっかに押し込めちまうかい?」


「え、母上、そんな大軍勢、なんて、心当たりがあるのですか?私の幼馴染のクレーテー集めても、オヤジの帝国の軍勢に太刀打ちできるほどの兵力にはとても・・・・・」

とゼウスは、しばらく旅をして留守にしていたからその辺の事情はよくわからなかった.


「それがね、ゼウス、あたしたちの母さん、大地の女神、ガイア様・・・

今、タルタロスに閉じ込められている、キュプロプスと、ヘカトンケイル、助け出して、飯でも食わして味方につけちまいな、そしたら、親父とその仲間のティタン、倒せるかも、なんて言ってるんだよ」レア様はニヤリと笑った.


この女神様、ライオンを買っているだけあって、なんか策略とか、戦争の相談をするとき、なんか楽しそう.自分の亭主を攻め滅ぼすか、幽閉しちまえと言うことを嬉々として、話す・・・・


ゼウスは、隣に座っている、ヘスティア姉さんに、(母さんってこんなんだったっけ?)と目くばせで聞いてみた.


姉さんは、両掌を上に向けて肩をすくめて見せた.


「そんで、ゼウス!あんたが、決めんだよ、自分の親父をどうするかを.攻め滅ぼすのも、殺さないで、どっかに押し込めちまうのも・・・」


兄弟姉妹たちの視線が一斉にゼウスの方に注がれた.


「まずは、キュプロプスと、ヘカトンケイルを仲間に引き入れること、でしょうか?やはり、武力の後ろ盾がないと、親父を抑え切れないのではないかと・・・親父には、イアペトスのおじきとその息子たちの強力な、武力の後ろ盾がある・・・」


「よし!決まった、キュプロプスと、ヘカトンケイル、またメティスに頼んで、脱獄させちまうよ!」レト様が嬉しそうに叫んだ.


兄弟たちを「クロノスの腹」から救い出したのも、メティスの、手引きによるものだったらしい.


「おお!」と言うと、兄弟姉妹たちは、持ち場に散っていった.1人、レア様の隣の席で、ゼウスはオロオロするばかりだった.




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