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アルコールを作る、「サッカロミセス・セエビシエ」

酵母のことである.


以下の知識は、「世界史は化学でできている」(左巻健男著、ダイヤモンド社)から.


アルコールのことはディオニソス、かと思うが、彼はいつもどこで何をしていることやら・・・・・


酵母は、ブドウ糖や麦芽糖を「発酵」させて、エタノールと二酸化炭素を生成する.


米をコウジカビにつけて、でんぷんから、葡萄糖を生成し、そこに酵母を混ぜて作るのが、日本酒.


ビールは、麦芽糖と、ブドウを発酵の原料として、アルコールを生成する.

大麦を発芽させた、麦芽からは、アミラーゼが生成されて、麦芽のでんぷんをブドウ糖に変えることができる.


ぶどうのような、果実にはもとよりブドウ糖が、含まれるから、それに酵母を加えて、発酵させると、ぶどうワインができる.


「これらの酒でアルコールの濃度が違うのはなんでなんでしょうね?」静香の疑問である.


「なかなかいい質問だな.それぞれアルコール発酵を起こす原料のブドウ糖がどうやって供給されるかの因るのだろう.


まず、日本酒.


米のでんぷんは、コウジカビによって、ゆっくりとブドウ糖に変わる.

ブドウ糖の濃度が急速に上がると、浸透圧とかいろんな影響で、酵母が弱り、アルコールの生成速度が落ちる.」


「糖尿病の糖毒性、みたいなもんでしょうかね・・・」ドクトルが口を挟んだ.


「まあ、そうかもな.でな、日本酒を作る時.


酵母と、コウジカビの二つの菌を巧みに用いて、ブドウ糖の生成をゆっくり行い、酵母が弱らないようにする.

それにより、アルコールの濃度を高めるということが可能になったんだ.

しかも酵母は、自分が作った、アルコール濃度が、20%を超えると死んでしまう.言ってみれば耐えられる、アルコール濃度の限界だ.


日本酒のように、低温でゆっくり発酵させると、酵母の耐性が上がり、酵母が耐えられるアルコール濃度、ぎりぎりの高濃度酒ができる.」


「へえ、すると日本酒を最初に作った、少彦名さん、結構上手い方法考えたということですね.酵母もコウジカビも、その性質を知り尽くしたような・・・」


ルシフェルは、続ける.

「ビールはそもそも、麦芽のアミラーゼにより、でんぷんがブドウ糖に変えられるのだが、ブドウ糖の麦汁の中のブドウ糖の濃度は低めである.だから、ビールのアルコール濃度も低めの5%くらいに止まるということである.麦芽も、酵母によってアルコール発酵に用いられる.


ぶどうワインの原料の葡萄の搾り汁は、元々ブドウ糖の濃度が高い.

それをフルに活用して、酵母が限界までアルコール発酵できる濃度、大体10から15%のアルコール濃度になるらしい」

(ルシフェルのうんちくは、大部分はネットから引いてきた知識である)


中世以降、錬金術師たちの技術により、アルコールの濃度を、「蒸留」という方法で、高めることができるようになり、さまざまな、蒸留酒、ブランデイ、ウイスキー、ウォッカ、など作られて、さらに消毒用のアルコールも生成できるようになった.


「アルコール、お酒の体に対する悪影響、やはり重要ですよね・・・」海丸くんは当然の心配をする.


「そうですね、世界保健機構の中の、国際がん研究機関(IARC)の発癌性評価で、グループ1に分類されている.人に対する発癌性が、明瞭な証拠を示して証明されているということである.


グループ1に分類されるものには、アルコールの他には、

 ヒ素

 アスベスト

 ベンゼン

 カドミウム

 六価クロム

 ホルムアルデヒド

 γ線(放射線の)

 放射性ヨウ素被爆

 太陽光の紫外線曝露

 ダイオキシン

 X 線(病院のレントゲン検査)

 受動喫煙も含めたタバコの煙

 紫外線を発する、日焼けマシーン


「いかにもがんになりそう・・・」静香は寒気がしそうな錯覚を覚えた.


急性のアルコール中毒、にも注意が必要である.


時には、死に至ることもあるから、一気飲みなどもってのほか、という教訓でこの話題を終わられていた.



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