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フェリックス・ギランの「ギリシア神話」

「ふんふんふん、るんるんるん、ふふふーふー、るんるんるんる・・・・」


ドクトルが鼻歌混じりに、別館の廊下をスキップしそうな足取りで歩いている.


はるなや、アテナが楽しそうにスキップする時に歌う鼻歌である.歌詞はない.

メロディーは、なんか、「ひとり上手」みたいだ.しかし彼らに聞いてもよくわからない.もちろんドクトルが、はるや、アテナのように軽やかにスキップすることはないのだが・・・・


「お、ドクトル、またいいことありましたね、その鼻歌は、またなんか面白そうな本、買った・・違いますか?」海丸くんは、ドクトルが楽しそうにしている理由を、聞いてみた.


「お、あたり!海丸くんよくわかりますね、私のこと君はもうなんでもわかりますね・・・」


ドクトルはAmazonから来た本を抱えて図書室の方に、向かう.


皆で、ゾロゾロとドクトルについていった.


みんなが注目する中、ドクトルは、袋を開けて本を取りだした.


「ジャーン! これこれ、前から欲しかったの、Amazonで探すの、なんで’気がつかなかったのだろう・・・・」


彼が取り出した本は、


フェリックス・ギランの「ギリシア神話」


ドクトルのギリシャの神話、神々のこと、これまでの情報源というか参考文献は、主に、岩波文庫の赤表紙である.


ブルフィンチ 「ギリシャ・ローマの神話」野上弥生子訳

アポロドーロス「ギリシャ神話」高津春繁訳


そして、

ヘシオドス「神統記」 廣川洋一訳

である.

あとは、

「イリアス」

「オデッセイア」

「変身物語」

「アンティゴネ」・・・・

と言ったところか、皆、岩波文庫の赤表紙である.


古典的な本を並べて、ギリシャ神話のことを勉強してきたのだが、いろんな意見、並べてみるときにどうしても、本を三冊並べて読んでみて、ということが必要になる.


出典がどこかということで、どの神様が誰の子で、どこで生まれてということがこんがらがってしまう.


フェリックス・ギランの本には、いろんな説が解説とともに詳しく書かれていて、

いい感じの本なのである.


Wikipediaなんかをみると、プロメテウスの神話、とか、この本から結構引用されて、いるようで、古本屋や、本屋なんかで探していたところである.


カオスとガイア、

ウラノスとガイア

クロノスのこと、

プロメテウスと人類のこと

オリンポスの12神のそれぞれが、どのよな「管轄」で、どこの神様と共通しているか、ヴェーダの神様と起源が同じではないかとかいうことまで載っている.


届いてすぐ、ドクトルは貪るように読んだ.

海丸くんに、静香、はるなにルシフェルが、本を読むドクトルの、周りから、一緒になって読もうとする.


「なんか、人が一生懸命読んでる本って、早く自分も読みてえ、って思うもんだな・・・」ルシフェルがいう.


「まあ、皆さんはご自分の勉強とか読書、やっててください、私はこの本前から読みたかったんですから、皆さんが読むのは私が読んでからですからね・・・・」


ドクトルは、皆のことは眼中にありませんとばかりに、その本を脇目もふらず・・・読んでいる、ようで、


時々、聞こえよがしに

「おお、こんなことまで書かれている・・」とか

「ええ、そんな説が・・・」とか

「何、乗馬法とか、ろくろの陶芸法までアテナはやっていたのか・・・」とか

いって、チラリと海丸くんとルシフェルの方を見る.


まるで、ただの竹をくり抜いただけの遠眼鏡で、あれが見える、これが見えると、てんぐを挑発する、とんちの彦一どんみたいだ.


「ええ、なんで、おめえ、早く読めよ、次、俺に貸してくれよな」ルシフェルが急かす.

「いやいや、おじさん、そういうのは、子供の方が先でしょ、ねえドクトル、さっさと読んで僕に貸してくださいよ・・・」海丸くんも負けていない.


はるなと、静香は、やれやれという顔をした.

「結局、皆、子供と一緒だわ・・・・」


というと子供さんに失礼かも・・・


愛ちゃんと健ちゃんは大人たちの様子を見ている.

「ママ、ごほん、読むときは、みんな、順番だよね・・」愛ちゃんがママに聞く.

「え、まあ、そうね.前の人が読み終わってから・・・がいいのかな.でも愛ちゃんも健ちゃんもママが読んであげるから、いいのか・・・」


子供さん、こんなことで、本を取り合ったりしないから、大人の方が、子供っぽい?


ドクトルが、なかなか本を貸してくれそうにないから、諦めた皆は、自分の勉強・読書、仕事に戻っていった.


別館図書館の、本棚に、また一つ、「宝石」の如きコレクションが増えた、ある日の午後の話である.

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