日本のつなぎ目
(NHK,ブラタモリに敬意を表して・・・・・・)
越後国、弥彦山の近くまで行き、一行はまた糸魚川に戻った.
建御名方のたっての勧めで、糸魚川から、白馬岳を横にみて、大町、松本、諏訪、甲府盆地から、富士山までを比較的低い土地を伝って、日本を横断することになった.
海沿いの糸魚川、姫川谷を通って、
白馬岳、
大町の三湖(青木湖・木崎湖・中綱湖)・・・
行く先々、でその土地の自然を愛でる旅である.
「へえ、高い山の隙間に、こんな天然の通り道があるなんて、驚きです・・・」
ゼウスが建御名方にいう.
「ここは、私たちが、出雲から、東に、進んで、この島の中央、これだけ高い山が続くと、横切るの大変だと思って、いろいろ探して、見つけた道なんです・・・」大国主が、スクナヒコの方を見ながら、いう.
(その途中に、糸魚川によって・・・・建御名方さんが生まれた、ということか・・)
「キー、あなた、いつの間に!」一応ヤキモチのつもりで、須勢理毘売はいう.
この奥さん、かなりやきもちやちであると神話には伝わるのだが・・・
実は、大国主の旅のことは、奥さん公認であり、さらにその旅先で、お子さんを儲けることについても、認められている.黙認というわけでもないし、いわば公然と行われている.
事代主も、建御名方も、須勢理毘売の子供ではない.それでもこれだけ仲良く一緒に旅を続けるくらいなのだから.
そして、大国主は、大事な決定をこの子供達に委ねるところがある.正妻の承認がなければなかなかそうはいかないだろう.
そして、大国主と須勢理毘売の間には神子はなかったらしい.
旅の先々、で、山と谷間の草原や、湖、その土地に花を愛でる旅を続ける.
そして広い草原があると、また皆で、並んで、寝転がって、そこに住む精霊たちの声を聞く・・・・・
そして精霊の友達が、各地にどんどん増えていくという旅だった・・・・
松本盆地から、諏訪に向かう.
岡谷から諏訪湖の北を迂回して、上諏訪に.さらに湖の東岸を迂回して、南に向かう茅野につく.
上諏訪のあたりで、湖面を見ていた、建御名方が、ぽつりという.
「上諏訪から、下諏訪・岡谷の方に行くとき、急いでいるときは私は、湖の中を通るのです.やってみましょうか・・・・」
そういうと、彼は、上半身をはだけて、草履を脱ぎ、「ヨーイドン」の姿勢をとった.
「行きますよ・・・」
「は!」と掛け声をかけると、建御名方神は、諏訪湖の上を、東から西に走って渡ってみせた.向こう岸までついたところで、また湖面を走ってこちらに戻ってきた.
後の世に、冬の諏訪湖に、氷が割れて、盛り上がる「御神渡り」がみられる.これは、建御名方が、湖面を渡る時にできると言われる.実は冬でなくとも、彼は諏訪湖の上を自由自在に走り回れるのだが.
証拠が残るのが、冬に湖面が凍った時だけというわけである.
茅野から、甲府盆地の方を眺めると、何とも麗しい形の山が、少し煙を吐いている.
富士山である.
この島国で最も高い山である.
そして、孤高の山である.
富士山は独立峰の成層火山でぽつりと独り立っている.空に浮かんだ山のようにも見える.
エベレストは、周りの山々が、同じくらい高くて、その中で、少しだけ高い山、という感じだった.だからエベレストは、ヒマラヤ山脈の山の一つ、という感じ.
日本のこの山には、それがない.取り巻きの山もなく、全く、一人だけ、高く聳えている・・・・
いただきに白く雪を残し、孤独を楽しむかのように、高く、そびえる、日本の霊峰をゼウスは飽きることなく眺めた.
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糸魚川、白馬、大町、松本盆地、岡谷に、諏訪湖、茅野から、甲府盆地、富士山を眺めて、駿河に出る道.高い山脈の間を縫って通る、天然の回廊・・・・
フォッサマグナは、古代、この島が出来上がるときに、陸と陸がぶつかり合って、そこで繋がった.いわば、日本列島のつなぎ目である.その西の境界と言われる、糸魚川静岡構造線と呼ばれるこの谷間の回廊は、実際に日本のアルプスを南北に抜ける谷沿いの最大の通路である.
一行は、この山の裾野をぐるりと巡り、時々、寝転がり、花たちと語らい、駿河国に出た.そこからは、沿いを東に向かい、箱根の山を越えて、関東平野に向かった.




