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荒ぶる神、須佐之男命

須佐之男命は、伊邪那岐命のはなから生まれた.

鼻息が荒かった、かもしれない.


「それとも生命力に満ち溢れていた?」静香の意見

「いがいと花粉アレルギーだったりして・・・」の意見はちょっとどうかと思うが・・・


アレルギー性疾患は、ある程度感染症が克服されて起こった病気と理解しているが.


前回も話した通り、生まれてからしばらくは、父の治める、芦原中国で育った.

しかし乱暴絶えず、父には面倒が見切れない悪童だった.


あるいは、伊邪那岐命も、父祖の神に何か予言をされたかもしれない.

「お前の子供はいずれ、お前の権力を奪う」とでも?

「それなら、うちと同じになってしまうし、そういう記載は古事記見ても一切ないみたいだぜ」とルシフェルが冷静にいう.よそのうちのことはとやかく言いたくない.自分の家の不幸は自分の家の不幸として.よその家にはそこの事情があるだろうから.変なところで、共感とか、したくない、ということだろうか?


とにかく乱暴者の、須佐之男命を持て余した、イザナギは、この息子を国外に追放した.彼はどこに行くように指示したのだろうか?

しかし、その記載はないようである.


須佐之男命は、高天原に姉に会いに行ったのだが、高天原ではちょっとしたパニックが起こった.なんと、あの暴れ者の三貴神の末っ子がこともあろうか、高天原に攻めてくると.


「皇女、どうしますか?徹底抗戦か、和睦か?」


この国には、親戚筋の知恵のある神々が揃っているのだが、皆、最終決定は、この皇女にさせるようにしていた.まあ言ってみれば、責任のおっかぶせなのだろうが.


だから結構、天照大神とは、孤独な神様だったのではないかと思う.国の者たちも皆、そのうち、女王に全ておっかぶせで、それが楽なもんだから、自分たちは何も責任ある仕事、事務処理、決済を行わないことに慣れてしまったのかもしれない.


天照、この国は私が守る、とばかりに、男装の上、鎧を着込んで、弟である、荒ぶる神、須佐之男命の軍勢を迎撃することとなった.


しかし、やってきた、須佐之男命は軍など一人も連れてこない.たった一人で旅行鞄一つ担いで、やってきただけである.槍も刀も持っていない、あ、刀は一つ腰に刺しているか・・・武器らしいのはそれだけだ.鎧もきていなければ、兜も被っていない.荷物の中にそれらしいものはない.従者も連れずにまさに単身乗り込んできた形である.


戦をするために、鎧兜をしないで、刀一本刺しているとはいえ、国を攻め取りにくるということは、考えにくい.皇女のお付きの知恵のあるじい様方が、そう助言すれば、天照も楽だったのだろうが・・・


とにかく、アマテラスは、全て、独断で決めなければ気が済まなかった、というか、すまなくなってしまっていた.


「お前、須佐男、この国に何をしにきた!」


女王様直々の詰問である.


「いや、ただ、親父に国を追放されたから、行く場所がなくて、姉ちゃんの国にちょっと住まわしてもらえたらなあ、なんて・・・」


「嘘をつけ!この国を攻め滅ぼしにきたのであろう」


「いやいや、姉さん待ってくれ、武器といえば、この腰に刺した刀だけ、軍勢もほら、どこにもいないだろ、それでどうやって、この国の軍勢を相手にせよというのですか・・」


この国を攻めにきたのではないという証を立てるために、誓約うけいの儀式を行うこととなった.


「うけい(誓約、祈ひ、宇気比)とは、古代日本で神意を問うために行われた占いの一種であり、誓いを立てることで吉凶や事の成否を判断する呪術的行為である.記紀神話では、天照大神と素戔嗚尊が互いの潔白を証明するために行った子産みの誓いが有名で、現象の判断基準を設定して神意を測る形式である.」と説明されているのだが、なかなか現代人には理解がむづかしい、儀式なのかもしれない.


相手の持ち物を、ガリガリと噛み潰して、唾と混ぜて咀嚼して、それで、プーと霧吹きをして、何が生まれてくるか・・・・


そういう占いである.同じ発想のおまじないは、よその国にあるのだろうか?それとも我が国独自の呪いだろうか?そうであるとしたら、我々日本人は、かなり発想の独創的な民族と言わねばならない.


まず、アマテラスが、須佐之男つるぎを噛み砕いて、そこから、3人の女神が生まれた.


宗像三神という.


多紀理毘売命

市寸島比売命

多岐都比売命

の三柱は、玄界灘を守る女神である.宗像神社はこれらの女神を祀ってある.


「ほーら、こんな可愛らしい女神が生まれたのだから、私には攻撃の意思はなかったと証明できたでしょう・・・」


づついて、須佐之男命が、アマテラスの玉を噛み砕いて、プト霧のようにふいたところ、男の神が五柱生まれた.

天之忍穂耳命アメノオシホミミノミコト

天穂日命、

天津彦根命、

活津彦根命、

熊野忍蹈命


「ほーら、姉上のところには立派な男の神様が、5人も生まれて、これで、姉上の国の支配は、磐石でしょう、私が武力で乗っ取るなんて、考えられないでしょう・・・」


そういう結論だったのだろうか?後の世の人たちには、これをどういう決定なのかは判断はむづかしいが、天照と、須佐男の「誓約」による決定が、のちの、天孫から、日本国の天皇家の皇統と、出雲国の支配者の家計を決めたということはかなり重要な歴史的な合意だったということになろう.しかも、それが後の世に、武力により、覆されたことがないということは、いかにこの合意が、強固な決定であったかを物語る.


「うけいの占いでは俺の勝ちだな.攻めにきたのではない、じゃ、しばらくいてもいいな」須佐之男命は武力で追い出されないということがわかると、途端に態度がでかくなった.


本来の彼の性格というか、言動というか、とにかく彼の個性、あるいは持ち味を全開に、暴れ回った、らしい.


古事記を見てみるか.また岩波文庫の黄色表紙である.


田んぼはあらす.畦道を潰して、用水路を埋めてしまう.

新しい穀物を召し上がる(天照が?)にクソを撒き散らす

アマテラスは、咎め立てもしないで、仰るには、


「クソをしたのは酔って、嘔吐したようなもの、弟の命はそうしたのだろう」

「あぜみちを埋めたのは、土地が勿体無いと思ったから、弟の命はそうしたのだろう」

そしてとうとう須佐之男命は、死んだ馬を機織り場に投げ込んで、機織り女を死なせてしまった.


ここまでくると、天照も黙っていられないのか、実力行使に出た.

有名な、天岩戸にお隠れ遊ばすという、話である.


彼女は、太陽の神である.それが隠れるという音は、この世が闇に閉ざされるということである.


「これは大変なことになった!」と高天原中が大混乱である.








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