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神々の山籠り・・・

吹雪のうちつける、高山の祠.


ゼウスと、シヴァがこもって修行をしている.

二人して座禅を組んでいる.


ヴィシュヌと、二人で、シヴァの家を訪問した時、ほんのお近づきのつもりだったのだが・・・・


ゼウスは、シヴァの「ヨガ」の異常さにちょっとたじろいだのだが、

「ゼウスが、雷を操れる」という話に、シヴァの方が、えらく興味を示したのだった.


それでは、とシヴァは、ゼウスとの、立ち合いを所望した.


「西の国、ヘラスの方、是非に立ち合いを所望でおじゃる・・・」


「え、でも私は、そんな武芸の心得など・・・・」

「いやいや、あなたは、いざという時にしか、その力を出せない.つまり、いざという状況を作り出すのが、立ち合いの目的です」


シヴァのわかったようなわからないような論理に押し切られて、二人は、立ち合い行うことにした.


ヴィシュヌとゼウスが初めて踊り狂っている、シヴァを見かけた、特設ステージのある、村の広場でそれは行われることとなった.


村中に触が出されて、シヴァが、西から来たヘラスの若者と、立ち合いを行うとのことである.


村人らは、興味津々広場に集まってきた.あの悪戯小僧のインドラも、「ほお、雷を扱う、ヘラスの男、いったいどんなふうに戦うか、興味がある」と広場にやってきて、一番前にドッカと座り込んで、二人の立ち合いを見物することにした


行事は、村の何でも屋のヴィシュヌが勤めた.


「腕の背負子はどうする?私が外すか、ゼウスがつけるか.どちらかにしないと公平な戦いとはいえまい・・・」シヴァがいうと、

「じゃ、なしでお願いします.あんなの背負って戦えませんしね」とゼウスは応じた.


「それではこれより、シヴァと、ゼウスの立ち合いを行う.

ルールを説明する.

武器、例えば、鉄のナイフやら、やり、火が出るもの、長い棒、弓矢などの飛び道具は使用を禁ずる.基本格闘技のパンチやチョップ、キックやらの他、投げ技、寝技はOK、そして、あくまでも自らの体で発する、気や、神風を用いて戦うことや、念力で相手を飛ばすことは、差し支えない.舞台の外に出たり、参ったと言ったり、泣いたり、助けて、などと言った方、あるいは死んだ時、それは死んだやつの方が負けということになるが、しかし、あくまでも相手を殺さないように、注意してもらいたい.」

立ち合いの決まりをヴィシュヌが説明した.


「このルールに従ってお互い、正々堂々と戦うよう、それでは、初め!」


初めは両者、睨み合い、お互いの隙を狙う.

最初に攻撃したのは、シヴァである.右手を高く掲げて、周囲の気を集め、それを

「えい!」とばかりにゼウスに向かって放出した.

渦を巻きながら、向かってくる、シヴァの気をゼウスは、体をわずかに一寸だけ動かすことによって、避けた.


観衆から、どよめきが起こった


「おお、ヘラスの若えの、なんと、シヴァの攻撃を、親指一本分動いただけで簡単に避けた!」


これは日本の後世の武芸者が、よく用いた、一寸の見切りというもので、自分の動きは最小限に、相手の攻撃を有効にかわし、さらに、次にここから攻撃にうつる時に無駄な動きをしなくて済むという、非常に合理的な動きである.受けから、攻撃への動作の変換が実に無駄がないということである.


「おお、次は、ヘラスの若者に動きがあった!」


彼は、両手を天にあげ、周囲の気を集めた.なんと彼の両腕の周りには、周囲の水蒸気が集まり、みるみる積乱雲が起こる.


それを上空に投げ出したところ、シヴァの周りに、にわかな雨が降り出した.


「おっと、あの技は、解説の梵天さん、あれはルール違反では?」実況担当のアナウンサーは、解説のブラフマーに聞く.


「お互い、体に宿る、気とか霊を用いて、風を起こし、雨を降らせること、これは全然ルール違反ではありません.むしろ、ゼウスの本領が見えてくる、という感じでしょうか、次にどんな攻撃を彼が繰り出すか、大いに楽しみなところです」


「さあ、次はゼウス、どんな技を繰り出すか、おや、シヴァにも動きが出た.

おっとシヴァ選手も両手を天に向かって上げた.おや、ゼウスと同じような入道雲か・・・・」


シヴァは、空に向かって持ち上げた、両手を、ぐりぐりと回し始めた.

なんと、出来上がった入道雲は、上昇気流を起こし、竜巻となって舞い上がる.


大きくなった、竜巻を、シヴァは、ゼウスに向かって、エイ!と投げつける.


竜巻に巻き込まれた、ゼウスは、一瞬、空に舞い上がりそうになったが、今度は彼自身が、竜巻と逆方向に急速に回転することで、竜巻から逃れて、再び、シヴァの前に立っていた.


両者が一歩もゆづらない、対決である.


そこでまた、ゼウスに動きが出た.先ほどと同じ、両手を空に差し出して、入道雲を作った.おや、今度は、右手を持ち上げたまま、左手を地面につけた、彼は何をするつもりか?


なんと彼は、地面を左手で擦り、空に向かう右手で、積乱雲を急速にかき回している.


「おっと、入道雲の中の小さな氷の粒が、お互いにぶつかり、静電気を発している・・・・」


雲の中にゴロゴロと、音がする、チカチカと火花のような光が見える.

その火花が集まり、大きな稲妻になったところを見計らって、ゼウスはその雨雲をシヴァに向かって投げつける.


「ゴロゴロ、どかーん」大きな、雷鳴と閃光が起こったのは同時であった


雨雲と、煙が、次第に消えて、皆がシヴァの姿を探す.


シヴァは、地べたで、気を失っていた・・・・


「おお!あのシヴァが負けた!」

「ゼウス、すごいぜ、あのシヴァを負かした!」


ゼウス、ゼウス、ゼウス、

ゼウス、ゼウス、ゼウス・・・・・・

あちこちでゼウスコールが起こる


ゼウス、ゼウス、ゼウス・・・・・・

若者がゼウスを担ぎ上げて、神輿のように、そこらを練り歩いた.


しばらくして気がついた、シヴァは、


「ゼウス、おめえは、本当に強い.俺の負けだ・・・・面白え、あの技、どうすんだ?」

シヴァは、ビリビリ、高電圧の落雷を受けて、すごく痛いはずなのに、ゼウスと初めてあってからこれまでに見せたことのないような、にっこにっこのえがをである.


痛みが強ければ強いほど、喜びも強いという、これがまさにヨガの奥義とでも言わんばかりである.


「こんなに気持ちよく痛いのは、俺は初めてだ!俺にもお前の雷の使い方、是非教えて欲しい、一緒に山にこもって、ヨガをしよう!まさか、お前、勝ち逃げはしないだろうな・・・・」


ということで、冬の高山で、二人でこもって修行をするという、いかにも無理なストーリー展開になったというわけである.


シヴァとゼウス、二人の印欧の神は、以来、硬い友情で結ばれた、のであった.


後日、ヒマラヤにて.しかし標高はおそらく、7000から8000mである

時は晩秋、夕暮れ時、天候は荒れてきた.冬でなくともここは時々吹雪く

・・・・・・・・・・・・


「それにしてもシヴァ・・・これはちょっと寒すぎでしょう、風は、冷たいじゃなくて、いい、い、痛いんだけど・・・」ゼウスは、顔じゅう吹雪で、真っ白になり、鼻水はつららになっている.


「お、そうかい?なんとも風が当たって心地よいじゃないか.これだけ寒いと、もやや、寒さは、痛さだな.うん、いいところだ!」


二人して冬山登山を堪能した.


もちろん、ブラフマーや、ヴィシュヌは一緒に来なかった.二頭のラクダは、村の人に預かっていただくことになった.


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