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梵天博士

「それでは・・」とヴィシュヌは、ゼウスを伴って、村の愉快な仲間を紹介してくれることになった.


「まず、村の中で一番個性的なんは、なんといってもシヴァ、だろうな.

まずあいつの家に行ってみるか・・・」


村の特設舞台の近くを通りかかると、鐘やら太鼓やらどんどん音がする.

舞台で、一心不乱に踊っている若者がいる.モジャモジャの髪を雑にまとめて、額の上の方には三日月の飾り物をつけている.そして、この辺の風俗なのだろうか、例の腕が二本余計に生えているように見える、背負子を担いでいる.右の後ろの腕には、三叉の鉾を持っていて、他の腕には何も持っていない.一つだけとはいえ、鉾を持った腕(の背負子の突起)に持って、踊り狂うのもなかなか大変そうなのだが.しかし、彼はヴィシュヌのようにチャラチャラした飾りの多い服は着ていなくて上半身は裸である.腰には虎の毛皮を巻き付けている.顔はかなりの美形である.しかし、額にも目があり、そして、その目に睨まれるとなんとなく、体が熱くなる気がすると、ヴィシュヌはいう.


「おい、シヴァ、西の国から客人だ、こっちに来て話をしないか!」


ヴィシュヌが大声で呼びかけたが、一心不乱に踊り狂うシヴァの耳には、ヴィシュヌの声は聞こえないらしい.そのまま彼は踊り狂った.何度か呼びかけたがダメそうなので、諦めて、


「ああなると、あいつ何も聴こないから、諦めよう・・・」


「次に村の変わったやつといえば、ブラフマーかな?いつも変な実験をしている.そして、最近色白ですごく可愛い奥さんもらって・・・」


なんと彼は、どちらからも奥さんの顔みたい、と、顔のお面を4方向と、プラス頭の上方向にも顔のお面を作って、それぞれに二つずつつけた目には鏡をつけて、どの方向からも奥さんの顔が見えるような装置を発明した.


奥さんをどちらからでも見れるって装置らしいのだが、当の奥さんも意味不明で

正面から見られているのも、「なんか気持ち悪い・・・」って

それで挙げ句の果てに、

「旦那様、私の顔、そんなにジロジロ見ないでくれますか」なんて言ったとか言わなかったとか.


梵天博士、それであいつ、よせばいいのに、

シヴァのやつに見せびらかしに行ったら、「なんだ、気色悪い!」って頭の上の顔を、剥ぎ取られて、ブラフマーのやつ、かなり落ち込んでたみたいだがな・・・


それでもできた可愛い娘が、マヌって子で、俺が川に流されたのを助けて、やつにはすごい感謝された.俺には頭が上がらないみたいだよ.


ブラフマーは、村のマッドサイエンティスト!


「俺たちは彼を、梵天博士と呼ぶ・・・・・」


おしゃべりしながら歩いて、ブラフマーの家に着いた.


「ここが梵天博士の研究所だ!」


「おおい!梵天、いるんだろ・・・面白いお客連れてきたぜ!」


庭先で、梵天博士は、子供相手に、ゆで卵を使った実験をしている.


「こうして、卵を茹でる・・・できた卵の殻を剥いて、卵を二つに割る、白身が天と地、間に挟まれた、黄身が我々人間だ、そう、天地の間に挟まれた人間があるということだ.その天と地を分けたのが、私だということだ.つまり天と地の創造者が、私・・・」


子供達は、こういう漠然とした話には、興味を示さない.梵天博士の研究室を訪れる子供はそのうちにいなくなったらしい.


「この人は、哲学者、と呼ばれる人なのだろうか・・・・」

ゼウスの印象とは違って、この人もインドにおける、三神一体と呼ばれる偉い、神様になるそうである.それはいろんな逸話が合わさって、話が盛られて、他の人の話も加わって、面白おかしく、彼らの宗教の経典「ヴェーダ」として、仰々しく書き整えられて、神話になったというのが実情らしい.


ヴィシュヌ

シヴァ

ブラフマー

が、古代インド、ヴェーダの世界で、三神一体と呼ばれる.




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