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よろずや、ヴィシュヌ

役場に賊を引き渡しにゆく道すがら、若者とゼウスは色々と話をした.


なんでも若者の名前は、ヴィシュヌといい、土地の有力者の子弟らしい.

困った人を見つけると黙っていられない性格らしく、なんでも用事を買って出るから、


「よろずや」さんと呼ばれて、村人たちから人望が厚いらしい.


この前は、マヌって子供が、川でおぼろそうになって、泳いで助けに行ったし、

「おかげで、ヴィシュヌは魚にも変身できる、なんて噂が出て困ったけどね」


彼は続けていう.


「洪水で沈んだ、家を下から持ち上げて、ってなんも俺が持ち上げたなんてことはなくて、皆で手分けして、石を運んで、家の下に積み上げたのだけど、その時はなんと俺が、猪になって家を持ち上げたとか・・・」


「ある時なんかは、村が不作で飢饉の時に、ディアウスの旦那たちに頼んで、アンブロシアって、蜂蜜ドリンクを分けてもらって、飢えをしのいだ時はアムリアをもたらす亀にされたり・・・まあ、この頃ではさっきみたいな、盗賊退治で、いろんな悪霊を退散させる神みたいな言われ方もするけどね、なんか変だよね・・・」


ヴィシュヌの変身神話は、全部で10個あり、アヴァターラ神話と呼ばれるらしい.


「あなたのいう、アムリタ、ってこれでしょ・・・アンブロシア、私も持ってますよ・・・」


ツノの筒から、タラタラと流れてきた、アンブロシアを小皿にとって、ヴィシュヌに、舐めさせてみた.


「これだ!でも俺が配ったのよりずっと、うまい、それになんか不思議な力が湧いてくるような、不思議な飲み物だ・・・・」


「でしょ?」

「すると、あなたはディアウスの方?」

「ディアウスって?」


「なんでも、西のはずれのヘラスの国の神様ってことだが.この村が、アシュラ党の奴らの攻撃を受けた時、助けに来てくれる、のが、ディアウスという人たちで、俺たちとは顔つきが違う・・・」


「私は、先程言いました、ギリシャの国、、クレタという島から来た、ゼウスというものです.」


「なんか似てるな、ディアウスとゼウスって、でも、ディアウスの戦士の方々は、精悍な顔で勇気があって、腕っ節が強くて、それはそれは素晴らしい人たちだ!あんたもいいやつそうだけど、見た目弱そうだしな.知らねえだろ、ディアウスの人たち?」


「うん、あまり知らないね、私の知り合いには、ディアウス、という人はいない・・・」

(どうやら、ゼウスとディアウス、同じ、人物らしいが・・・)


というか、ゼウス=ディアウスなのだが、ヴィシュヌもゼウスもなんと、気が付かないし、全く疑ってもみなかったのは、不思議である.


まあ、このちょっとぼうっとした感じのゼウスが、悪の組織、アシュラ党を追い払う、伝説の勇者、ディアウスとはとてもみなかったということだろう.


「でもなんであんた、雷が使えたんだ?俺たちの村にも、インドラって小僧が、雷を使えるんだけど・・・・でもあいつの場合、雷を敵をやっつけるために使わないで、いたずらにばっかり使うから皆困ってるのだがな.あいつの悪戯、とうとう、山籠りの修行中のシヴァに、カーマって弓うちの名人けしかけて、撃っちゃったって話だからな.弓矢の先に雷仕込んで・・・シヴァはちょっとやそっとでは、びくつかないやつだがその時だけは流石にどきっとしたのだろうな、それ以来、カーマは、シヴァに睨まれて、その後は、昼間は外を出歩けなくなったって話だぜ.燃えて灰になって消えて無くなったと言われてるがあれは嘘だがな.流石にシヴァに睨まれたくらいで、焼け死にはしないさ.」


シヴァはその時、ドキドキついで、パールバディに恋をしてそのまま結婚したという話である.できた子供が、ガネーシャだそうな.パールバティも、可愛くて性格的になかなかの愛されキャラのようで面白そうな人物なのだが、ここでは触れないでおく.


「村にはいろんな奴がいるから、会いに行くかい?話だけだと、どんなふうに面白いかわからないからな、紹介するよ」


ヴィシュヌは、村の名物人間たちを案内して回ってくれた.







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