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親愛なる少女たちへ
囚われた瞳で
空を補完して
内鍵を飲み込んだ小鳥を
胸に飼っている
問いかけすべてに
答えはいらないから
私を書き留めた
彼女から彼女へあてた手紙
囀ずりは
秘密ばかりうたっているから
耳をすますの
親愛なる少女たちへ
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いつの間にか
建て替えられた母校の校舎は
配置がすっかり変わってしまって
忘れ物がどの教室にあったかさえ
分からずじまいです
あの交換日記には
たぶん大事な話など
何一つ書かれてはいなくて
内輪だけの他愛ないことばかり
綴られていたことでしょう
誰が書いたかなんて
字を見れば一目瞭然なのに
最後に書き付けた
それぞれの名前が
あの頃
何よりも大切なものでした
2016/10/16 完結。
ありがとうございました。




