表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/19

ノービスのアリス

ギィ

扉を開いて冒険者ギルドに入ると

以前依頼を請け負った時と同じ大きなコルクボードに

依頼が所狭しとピン止めした紙に並べられていた。

依頼は種類ごとに分かれており

討伐や護衛、採取や特殊依頼等がある。

アリスの目についたのは アプロの実採取の募集だった。

群生地を知っている彼女にとっては文字通り金の生る木。


依頼

熟れたアプロの実

1個につき銀貨1枚を20個

報酬銀貨20枚

戦士 オノレア


市での相場は銀貨2枚、転売の可能性もあるが

戦士の依頼ならば遠征の非常食としての可能性が高い

腹持ちもよく、水分補給も可能となれば

その必要性は必然なのだ。

何より、アリスにとってはアプロの実で商売をするよりも

ただ採取してギルドに提出するだけの方が安心なのだ。

ピンを外してギルドの受付嬢に依頼を提出する。

「ギルド証の提出をお願いできる?」

そう言われたアリスはバックパックのポケットから

ギルド証を取り出し提出する。

「お名前はアリス・ウェイズちゃん。ノービスね。

期限は明日だけど大丈夫かしら?」

「はい。」アリスはそう答えるとギルド証を返してもらった。

早速森へと向かった。群生地は覚えている。


「あったあった。」

数時間もかからないで到着すると早速アプロの実を

木を揺すって集めて行く。

収集は5分程度で終わってしまった。

しかしバックパックを背負おうとして、ふと気づいた。

『これ……めっちゃ重い……。』

そう、手のひら大の大きさのジューシー果実という事は

水分を多分に含んでいる20個分の塊。重たいのだ。

「うんしょ!」バックパックを持ち上げて

「んしょ!」町の方角へ置く。

おおよそ1m弱の移動。これを繰り返す事となる。

この荷物のドリブル作業に、ほぼ1日かかってしまった。

街中で荷物ドリブルは人目を惹き恥ずかしかったけれど

何とか依頼を終え報酬を頂き緑の息吹亭で体を休めた。

『依頼を受けるには後の事も考えなくちゃ……』

そう考えながらアリスは眠りについた。


翌朝アリスは宿を出て、武器屋に向かっていた。

色々考えた末、昨日討伐収集にあった。

スライムコア収集にしようと考えた。

危険度は低い。そして100%ドロップするスライムコア。

しかも小さいから軽い。これが相場1個につき銅貨50枚!

熟練の冒険者は得てして強い討伐に赴く為

金の為に弱いスライムを数倒すという愚行は犯さないのだ。

つまり作業になるからこそ高値になる。

ノービスにとっては持って来いのクエスト。

実はアリスはギルドのお姉さんから、それを聞いていた。

ガチャ。ドアを開けると

「へい!らっしゃーい!」

と店主が大きな声をかける。

ちょっとびっくりしたものの扉を閉め

武器を見て回る。

遠距離攻撃が出来る弓を考慮していたのだけれど店主曰く

「スライムに刺突は効果少ないよ?」と言われてしまった。

「お嬢ちゃん!これなんかどうだい!」

棚から出してきたのは、こん棒というにしては心もとない

棒切れと言ってもいい品物だった。

アリスが眉をひそめると主人は

「これを甘く見ちゃいけねぇスライム特効木の棒だ。」

つまりはスライム特効のエンチャントが付いていると……。

「お嬢ちゃんでも一発でスライム倒せるぜ!」

店主は自信満々に言ってきた。

「お値段はいくらですか?」アリスは聞くと

「うーん銀貨1枚でどう?」と店主が言った。

「買います。」アリスは即決した。

アリスはスライム特効の棒をもって店を出た。

「まいどありー!」店主の声を遮るようにドアが閉まる。

棒をもってアリスは街中を歩く。

『本当に大丈夫なのかな……』

即決した割に後ろ髪を引かれる。

町の外へ出て川沿いへ行く。

そうするとスライムの発生地帯がある。

少し水色がかった透明なゼリーの様なプルプルしたやつ

それがスライムだ。

動き回り何かを捕食しようとする時、粘液を飛ばして溶かす。

「よし!」

アリスはスライムに目を付け近寄る

気合を入れていない時は普通に動いていたスライムが

目の前にすると急に動かなくなる。

よくわからないけど棒をスイングしてスライムに叩きつける。

すると体の大部分を占めるゼリー状の粘液がスローモーションで

吹っ飛んでいく。そして残骸となったスライムコアが落ちる。

スライムコアをバックパックに入れる。

『これで銅貨50枚……楽過ぎる……。』

そんな困惑を感じながらも

スライム目がけて走って行き潰して行く。

個々の間に距離があるので移動に時間はかかるけれど

夕暮れ時にはスライムコアが40個溜まっていた。

『作業感が半端ではないけど、なんか冒険者っぽいかも?!』

そう思いながら冒険者ギルドへ納品に行くと銀貨20枚になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ