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新たなる魔法

翌日アリスはモーニングルーティーンを済ませ

宿屋の部屋で一人ゆっくり

先日本屋で買った魔法の本を読むことにした。

魔力量も大人程はないため

一人で冒険をする上で役に立つ魔法を探していた。

つまり自分に合った魔法。

本に載っているのは魔法使いによる魔法や大魔法。

役に立つ魔法は無いのかなと考えつつ読み進めていった。

暫く読み進めると、はたと手が止まる。

身体能力強化魔法。

アリスは感じていた、超感覚の中で動けるスピードには限界があった。

展開の先読みは出来ても身体能力は子供。

もし目で捉えても対応できない速度であれば

スローモーションで死を体験することに他ならない。

ならば一時的に身体能力を強化する魔法は

アリスに最も合っている魔法なのではないかと思った。

魔法には3段階あった。

一段階目は普通の身体機能強化の初歩魔法

身的強化フィジカルエンチャント

二段階目は身体機能の最高値を出す事の出来る中級魔法

身的限界化フィジカルマキシマイズ

三段階目は身体機能のセーフティーロックを解除し限界を超える上級魔法

身的過負荷フィジカルオーバークロック

アリスは試しにダマスカスナイフを手に取り

「律するは我が肉体、整うは魔の脈流!

 身的強化フィジカルエンチャント!」

詠唱後にメモ用紙を放り投げる。

ふわりと宙に舞う紙は、アリスのダマスカスナイフで細切れになって行く。

床に落ちるまでに、かなり細かくなっていた。

アリスは魔力を断つと魔法が途切れる。

その途端、疲労がアリスを襲う。

思わず膝をつく。

確かに今までよりも時間感覚の中で素早く動く事が出来た。

その代償が疲労という形で表れていた。

アリスの後天的サヴァンによる超感覚に、この上なく相性が良い魔法と感じた。

その反面、使いどころを間違えば窮地に立たされるであろうことも察した。

今は宿屋で一人だ。安心して挑戦が出来ると考え

中級魔法を試してみる。

「解放せよ!肉体の最大値!器に満たして極致を成さん!

 身的限界化フィジカルマキシマイズ!」

そして超感覚スイッチを入れ

スローの時の中で動いてみる。

先ほどよりも早く動ける感覚を確かに感じた。

と同時に既に四肢に違和感を覚える。

『まずい!』

そう感じたアリスは魔力を遮断する。

ドサッ!

アリスは床に崩れ落ち突っ伏し動けなくなった。

『予想はしていたけど……想像以上……』

そう考えた後、意識が途絶える。


「いつつ……」

気が付いて起き上がり時計を見ると2時間経っていた。

「……。」

『これは想像以上に危険だ。』

心で思うとアリスは唱える。

「父なる神よ、哀れなるこの者の痛みを取り去りたまえ!ヒール!」

回復魔法を唱え四肢を順に癒して行く。

痛みが走ったからだ。

身体のセーフティーロックを外し最大値で動いたために

毛細血管が破れ筋繊維も損傷し骨にもダメージが入っていた。

痛みという感覚で総合的なダメージを察知しヒールを唱えたが

本人には自分の体に、どんな変化が起きていたのかはわからない。

それが余計に不気味さへの拍車をかけた。

『今、実用的なのは初級魔法かな。それ以上は危険だ。』

そう考えベッドに行き横たわる。

『でも収穫はあった。初級の身的強化フィジカルエンチャント

 今の私でも実戦で役に立ちそうだ。』

そう考えながらボーっとしていると意識が途切れる。

気が付くと夕方。窓からオレンジ色の光が差し込んでいる。

眠ってしまったようだ。

体にかかった負荷のせいか、ただの昼寝なのか。

階下の食堂から賑やかな声が聞こえてくる。

仕事も終わり、皆一杯やる時間なのだ。

アリスは階下へと降り食事をとる。

部屋に戻るとランタンに火を灯し

フィジカルエンチャントの使いどころをシミュレーションしてみる。

シャワーを浴びている最中もナイトルーティーンをこなしている間も。

色々考えて疲れたので、階下でお湯を貰って

星屑の静寂スターダストサイレンスを淹れる。

部屋中にアリスの好きな香りが充満する。

時間が経ってポットからティーカップに注ぐ。

香りを満喫しながら、少しずつ口に含んでゆく。

そうして夜は更けていった。

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