表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/19

一角スイフトの角 後編

眠気もある。横になっているが眠れない。

焚火側で暖を取ろうと何度も何度も寝返りで反転するが

外側にする方が寒すぎて眠れないのだ。

しかしアリスは、その動作を続けた。

幾度かの野営の経験で眠れなくとも

横になって目を閉じているだけで体が休まる事を知っていた。

それでも幾度か意識が途絶えたのは

ナザンフォークで購入したサーコートの保温力の賜物と言える。

そうして木々の間に光が差し込む頃

焚火跡を後に引火再着火しないよう均し

喉を潤し探索を再開する。

暫く歩きまわっているとアリスの超感覚が上空にその姿を確認した。

一角スイフトだ。

疾風の弓小をマジックストレージから取り出し引き絞る。


キリリリリ……


「空気を切り裂きいかづちを叩き込め!ライトニングアロー!」

矢じりに、いかづちの力を込められた矢が

アリスの手元に番えられる状態で具現化する。


ドヒュッ!!

矢は唸りをあげて、ほぼ垂直に上空へ向かう。

その矢は尻尾を掠め中空に消える。

『しくじった!』

やはり、あまり眠れなかった事が若干響いたのだろう。

そして30m以上先の得物に矢を打ち込むのは

初めての経験だった。

一角スイフトは狙われた事に気づき上空を緩やかに旋回して

林間に潜む危害を加えようとしたハンターを探す。

そして更に上空へと飛び地面へ向かって羽ばたくと

羽根を折りたたみ落下によるスピードも乗せて

角を向けアリス目がけて突撃してくる。

普通の人間ならばここで命を落としていたが

アリスはハイスピードカメラの様な処理で

その落下をコマ送りの様に視ていた。

スッと避けると、一角スイフトは地面付近でのけぞり

胸付近から落下した。

ドン!!ザッ。地面に接触した後スピードをほとんど落とさず

上空へと舞い上がる。

一角スイフトの胸部骨格は分厚く胸の羽毛は弾力性を備え

攻撃の際しくじった時、強い衝撃から体を護り

次の攻撃へと移れる体の構造をしていた。

『これならいける。』

アリスは、すぐさま弓を引き絞る。


キリリリリ……


「空気を切り裂きいかづちを叩き込め!ライトニングアロー!」

『よしこい!』

再び上空へと飛び地面へ向かって羽ばたくと

羽根を折りたたみ落下によるスピードも乗せて

角を向けアリス目がけて突撃してくる。

「視えてるよ。」

アリスは矢を射出する体制のままバッ!と飛び退いた。

一角スイフトが目の前に来る。

胸部が硬いのは、さっきの攻撃で分かっている。

だから少し時間をおいて背中が見えたところで矢を打ち込む!


ドヒュッ!!ドサッ!!


「ピギャッ!!!」

断末魔だ。

体を貫いた矢は魔法の電撃により一角スイフトは心停止、即死した。

アリスは疾風の弓をしまい、ダマスカスナイフを取り出す。

角の根元にナイフを差し込むと、スッと刃が通り

30cm程の先端が鋭利な角を手にする。コート内のバッジを確認すると

一角スイフトの角1と表示されていた。

依頼は遂行した為、来た道を数時間かけて戻る。

ナザンフォークの町に着く頃には昼下がりとなっていた。

眠気が強かったため、宿屋で仮眠をとる。

夕方には階下の食堂で食事をとり

そのまま夜も眠りについた。

泥のように眠るというが、まさにそれだった。

疲れていて睡眠不足だった為

朝まで熟睡できた。

アリスは身支度をし、ナザンフォークの乗合馬車に乗り

ホームタウンのベルフィールドまでの1日を馬車の中で過ごす。

今回の馬車は殆ど揺れがなく快適だ。

車軸がいいのだろう。

アリスは翌朝ベルフィールドで乗合馬車を降りる。

サーコートが暑い。すぐに脱ぐとマジックストレージへと収納した。

冒険者ギルドの朝は空気が張り詰めている。

皆出発の準備を整えているからだ。

そんな中アリスはカウンターのミモザの元へ行き

「おはようございます。依頼結果です。」

そう言うとバッジとストレージから角を取り出しカウンターに置いた。

「おはようございます。」

ミモザは言うとそれらを確認した後。

「お疲れさまでした♪」

といい金貨5枚をアリスに渡した。

「今回は大変だったんじゃないかしら?」

アリスは3日がかりのクエストは初めてだったので

ミモザは気を使ってくれたのだ。

「大変ではありましたけれど、何とかなりました。」

2人は笑顔を交わす。

「それでは、またお願いしますね♪」

そう言いながらミモザは手を振ってアリスを送り出した。

緑の息吹亭に着くと、アリスは安堵した。

『もうここが、おうちみたいなものだもんね。』

そう考えると部屋へと戻り

先日、本屋で購入した魔法の本に目を通した。

夕方になると窓辺に向かい外を眺める。

アリスはオレンジ色に染まるマジックタイムの町並みが好きだった。

日が暮れるとランタンに火を入れ階下へと食事に向かう。

その後部屋へと戻ると

ナイトルーティーンをこなしベッドで眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ