”それ”
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「なんだ…この本は…」
思わず声を出した。
題名の文字は読めないでも雰囲気でわかる…明らかに触れてはいけない本だ…
開いてみようかそのまま置いておこうか迷う…
しかし、せっかく異世界まで来たのだ…
あとで後悔するわけにはいかない。
では、オープン。
厚い表紙をめくった…
気づくとどこかに飛ばされていた。
「ここはどこだ…」
辺り一面が砂だ。
そして何かの気配がした。
ポ…ポルタネか?
「ハッ」
即座に何かが出血する痛みを感じた。
右肺から右肩にかけてだ...
腕の感覚がない…おそるおそる見てみると衝撃が走った…
腕があるのだ…腕があるのにないように感じる…何か良くない予感を感じた。
そして、だん体が重くなってくる…
せめて自分が殺されたとしても犯人だけでも特定してどこかにその印をしておこう…
誰かが、助けてくれるだろう…こんな、ところでも…
犯人がいるであろう方向に向いた…
”得体のしれない”何かがいる…まさに、”得体の知れない何か”だ。
人型の形のところだけ白く切り取られている…誰か知らないが性格の悪いやつだ…
見つめているとそれは動き出した。
「アァァッ」
それは近寄ってくるほど何も聞こえなくなる…
「アァァァァ」
「グワッ」
左足をけられた…
床に這いつくばる。砂の感覚を感じる。
重い…体が動かない…
ふくらはぎを”得体のしれないなにか”が足で踏んだ…
「アッ」
踏む力が強くなっていく…
砂の粒が皮膚に押され血が出てくる…
こいつは倒せない…自分では…
その時だった…急に足を踏む力が消えた。
重い、重い体を匍匐前進で這いつくばってその場から逃げる。
もう、得体のしれない何かはいなくなっていた…
耳が聞こえるようになったのが証拠だ…
人間に似た体型であることは確かだ。
だとすると…ポルタネという説が出てくる…
でもポルタネは少女だし…
そんなことはさておき今はここから逃げよう…
「ここはどこなんだ」そんな疑問がよぎりながら必死の思いで重くなってくる体を動かした…
重い重い重い…体が動かない。
前進、ぜんしん、ぜんし…本当に動けなくなった。
瞬きさえもやっとの思いでできるくらいだ…
すると鳴き声が聞こえてきた…
目に砂が入ってよく見えない…でも耳をすますと聞こえてくる…大型の生き物だ。
火を噴く音が聞こえてくる。だから、さっき突然あれは消えたのか。
「終わった…」
立ち上がる力もなく、目をつぶった…




