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2度目の転生に関する報告書  作者: トール
第三章 領主編

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73/124

第73話 王歴11年8月次 月次報告 + 村長との会話

バルト王歴11年8月次 月次報告


1.報告日

  バルト王歴11年9月5日


2.報告要旨

(1)開拓の進捗状況

ア.塩の生産について

 8月20日、塩の生産に成功。

 現時点における生産可能量 60kg/日。煮詰め作業がボトルネック。

 9月中旬までに鮭塩蔵用として1,000kgの生産を行う予定。

 

イ.農地の造成

 約30㏊について、森林伐採ならびに根の除去を終了。

 今後、土魔法による耕起を実施予定。

 

ウ.越冬用燃料の確保

 塩の生産に使用する薪を優先することとしたため、暖房用の薪は未だ確保されていない。

 なお、塩生産用の薪生産にあたっては火魔法による低温加熱を行う。

 また、木材は十分に確保されたので、この低温加熱による乾燥を行えば、越冬用燃料は十分に確保可能である見通し。


(2)イスタン村の状況

 現時点で鮭の遡上は確認されず。

 その他特記事項なし。


(3)今後の取り組み事項

   ・鮭の捕獲、貯蔵加工

   ・農地造成(継続)

   ・越冬用燃料の確保(継続)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ちょっと待ってくれ、領主様。それじゃ、鮭保存加工用の塩と薪はそっちが出してくれるということなのか」

「はい、村長。鮭の捕獲も手伝います。目標漁獲量は2,000匹。そのうち一割、200匹をこちらの取り分とし、保存加工はそちらでお願いします」


従来の漁獲高は600匹程度だった。塩蔵・燻製にするための塩と薪が十分に確保できず長期保存が難しかったため、必要以上に捕っても無駄になるからである。

「見返りはなんだ?ライ麦は出せないぞ」

「ライ麦はいりません。そうですね---それじゃ、塩の生産要員として2名ほど貸していただけますか」

「2名でいいのか」

「はい。ただ、塩は年間をとおして生産するつもりですから、年間を通じて2名。生産した塩は村で自家消費するものであればご自由にお使いください。余剰の塩をこちらで引き取ります」

「それじゃ、見返りにならないだろう。そもそも塩はどれくらい生産できるんだ?」

「1日60kg」

「は?」

「本当は100kg/日を目標にしたいのですが---冬場はどうしても生産が落ちます。

 あと、農繁期には塩の生産どころではないでしょうから、まあ年間15tくらいかな」

「村で使う塩は1~2t/年くらいだ。鮭の保存加工用を含めての数字でな。

 そんな大量の塩をどうするんだ。いや、まあ、領外に売るつもりだろうが、どうやって運ぶ?

 それに塩の売買を勝手にするのはやばいって聞いたことがあるぞ。大丈夫なのか?」

「まあ、なんとかします。ちょっと話が先走りました。先ずは鮭のことを考えましょう。塩は既に600kgほど確保していますし薪も十分にあります。村の加工小屋に持って行けばいいですか」

「ああ、そうしてくれ。2,000匹か。こっちも気合いを入れて取り組まなきゃいけないな」


「それじゃ、鮭はそういうことで。他に何か案件はありますか」

「ああ、急ぎの話じゃないんだがな。鮭が一段落したらば、村からお屋敷までの道を造らせてもらっていいか?

 いや、たよってばかりで申し訳ないが、今、急患が出た場合、村からお屋敷に知らせる方法がないだろう。

 道ができれば若い奴にひとっ走りさせて、ユメ様をお呼びすることができるんで」

「いや、道はこちらで造りましょう。どうせ、屋敷から開墾畑までと塩田までの道路を造るつもりでした。

 ついでに村までの道路を造っておきましょう。完成は11月中を目途でいいですか」

「ああ、ありがたい」

「他に何かありますか」

「---いや、あることはあるんだが、これ以上お願い事をするのは気が引けるというか」

「先ずは言ってください、村長。僕は領主です。正確には領主予定者ですけど。できることであれば領民の力になりたい」

「そう言ってくれると助かる。それじゃ申し訳ないんだが---」


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