↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2度目の転生に関する報告書  作者: トール
第三章 領主編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
67/124

第67話 報告書10

1.報告日

  バルト王歴11年6月1日


2.報告要旨

(1)イスタン領について

ア.地理

(ア)位置

 イスファ北方山脈の北側に位置する。

 イスファ子爵領都『イスファ』から直線距離で約50㎞。

(イ)交通

 イスファ北方山脈では騎馬ならびに馬車の使用が不可能であるため、

 イスタンからイスファ子爵領最北の村であるエレーリまでは、徒歩で移動せざるを得ない。

 山脈を越える必要があり、道路も整備されていないことから、イスタン・エレーリ間の所要時間は四日である。

 *参考

  イスファ・エレーリ間は馬車で一日、シバス・イスファ間は馬車で十日を要する。

  したがって、シバス・イスタン間の所要時間はおおよそ十五日となる。

(ウ)地形

 北・南・西は山脈に囲まれ、東は海に面している。平野部は約60km²(山手線内側程度)と広く、この平野は「イスタン川」の沖積平野である。

(エ)気候

 亜寒冷地である。寒流の影響を受けているとみられる。

 

イ.住民

 住民は29戸、約100人で、全員が「イスタンの村」に居住している。


ウ.産業

(ア)農業

 ライ麦を主とし、その他に冬小麦ならびに雑穀を栽培している。

 *じゃがいもの栽培は行われていない。

(イ)漁業

 海洋性魔獣の影響により、船舶は保有していない。

 秋に大規模な鮭の遡上があり、これが貴重なタンパク源となっている。

(ウ)狩猟産業

 主に魔獣の狩猟を行っている。

 

エ.交易

 ほぼ自給自足である。

 イスファ子爵領との交易があるものの、交通上の問題から、その規模はきわめて小さい。

 なお、主な輸出品は魔石および魔物の毛皮であり、主な輸入品は農具等の金属加工品である。


(2)イスタンへの移住者について

 ・トール、クレア、ティナ、ユメ

 ・辺境伯軍第一大隊第一中隊第一小隊第一分隊(隊長 サムエル・エルズルム少佐以下9名)

 *辺境伯からの派遣の扱い

 ・辺境伯冒険者パーティ「百合の乙女(ドロシー、ミリアム、スザンナ、エリー)」


3.詳細

  (省略)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


シバスの街、とある酒場

「それじゃ~、ドロシーの~、婚約を祝って~、乾杯~!」

「「乾杯!!」」

「みんな、ありがとう」

「くっ、まさかドロシーがサムエル様と結婚することになるとは---私も狙っていたのに」

「ははは---」

「それにしても~、よくお父様が~、結婚を許したわね~」

「ああ、親父からすすめられたんだ。サムエル様について行かないのか、って」

「へえ、びっくりだよ」

「まあ、少し邪な---いや、事情があってな」

「そうなんだ~」

「みんな」とドロシーが姿勢を正して言う。

「本当にすまん。『百合の乙女』を抜けることになってしまって。みんなのことが心配なのだが---この先、大丈夫か」

「うん、大丈夫~。と言いたいところだけど~、大丈夫じゃないよ~」

「ダメだよ」

「残念ながらダメだ。ということで、ここで発表する。私たちもイスタンに行くことが決定した」

「え?」

「心配しないで。トールちゃんに一緒に行っていい?って聞いたら、大歓迎ですって言われたから」

「クレアちゃんは~、ちょっと~、嫌そうだったけどね~」

「そうか---」

「ドロシー」とスザンナが言う。

「トールたちがいなくなり、ドロシーもいなくなる。いままでどおりのパーティ活動をするのはかなり難しい」

「---」

「そもそもドロシーがいた時でも食うに困ってお前の家にお世話になったこともあった。

 さすがにお前がいないのにロトさんの世話になるわけにはいかないだろう。しかも新婚家庭には、な」

「知っていたのか」

「ああ、ロトさんから聞いたんだ。ロトさんが私たちのことを心配してくれてな」

「---そうだったんだ」

「で、三人で話し合った。これからどうするかって。このままパーティ活動を続けても身売りするしかなくなる。下手すれば野垂れ死にだ。だったら、トール達について行ったほうがいい、という結論になった。

 で、ロトさんに相談したんだ。そしたらば、トールにつなぎをとってくれてな」

「そうか---」

「ああ、トールとロトさんには感謝しかない。あとドロシー、お前にもな」

「私に?」

「ああ、トールから聞いたぞ。ドロシーから私たちも連れて行ってもいいかって相談された、ってな」

「---イスタンの生活も楽じゃないはずだ。碌な場所じゃないって聞いている」

「それでも、だよ~。トールちゃん達に~、ついて行けば~、なんか~、上手くいくような気がするんだよね~」


「あと、心配ごとがひとつある。特にエリー」

「え?私?」

「絶対にトールに色目を使うな。クレアたちが絶対に許さないはずだ」

「うん、まあ、わかっているよ」

「それと---」

「何?」

「絶対に、絶対にサムエル様に手を出すなよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。