第52話 報告書(小隊副官の備忘録2)
4月8日 7:00前後 第一回戦闘
・敵種別 ゴブリンのみ約50体
・当方対応
1)クレア嬢の攻撃魔法 1回。効果抜群。
2)弓隊 3回の一斉射撃を実施。
3)槍隊による攻撃、敵を殲滅。
・当方に被害なし。矢の消耗は小。完全勝利。
同日 10:00前後 第二回戦闘
・敵種別 ゴブリンのみ約70体
・当方対応
1)クレア嬢の攻撃魔法 1回。
2)弓隊 4回の一斉射撃を実施。
3)槍隊による攻撃、敵を殲滅。
・当方に被害なし。矢の消耗は小。完全勝利。
同日 12:00前後 第3回戦闘
・敵種別 ゴブリン約70体、魔狼5頭
・当方対応
1)クレア嬢の攻撃魔法 2回。
2)弓隊 4回の一斉射撃を実施。
3)槍隊による攻撃、敵を殲滅。
・槍隊3名が軽傷、いずれも魔狼によるもの。なお、軽傷者は戦闘行動に支障なし。
・予想どおり魔狼が厄介。
同日 13:30前後 第4回戦闘
・敵種別 ゴブリン約70体、魔狼約10頭
・当方対応
1)クレア嬢の攻撃魔法 2回。
2)弓隊 4回の一斉射撃後、魔狼に向け個別射撃を実施。
3)槍隊による攻撃はせず、ゴブリン10体程度ならびに魔狼2頭の逃走を許す。
・当方に被害なし。
・矢の消費が増加。槍隊による攻撃の必要性については要検討。
同日 14:30前後 第5回戦闘
・敵種別 ゴブリン約100体、魔狼約10頭
・当方対応
1)クレア嬢の攻撃魔法 3回。
2)弓隊 4回の一斉射撃後、魔狼に向け個別射撃を実施。
3)槍隊による攻撃、深追いはせず。ゴブリン10体程度ならびに魔狼3頭の逃走を許す。
・当方に被害なし。
・矢の消費増加。戦闘のインターバルが短くなる。
同日 15:30前後 第6回戦闘
・敵種別 ゴブリン約100体、魔狼約20頭
・当方対応
1)クレア嬢・ティナ嬢合同の攻撃魔法(以下「ふたりがけ」という)4回。クレア嬢単独の攻撃魔法 2回。ティナ嬢単独の攻撃魔法3回。
*第1~第5回戦闘で記した「クレア嬢の攻撃魔法」はすべて「ふたりがけ」であった。
2)弓隊 3回の一斉射撃後、魔狼に向け個別射撃を実施。
3)魔狼、弓隊の手前5mまで迫る。槍隊によるカバー実施。
槍隊は追撃せず。ゴブリン10体程度ならびに魔狼6頭の逃走を許す。
・当方に被害なし。
・戦闘終了後、直ちに撤収行動に移る。
文学部史学科論文集 資料編から抜粋
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「撤収準備開始!武器以外の物資を全て1ケ所に集めよ!僕が収納する。急げ!」
トールは集められた荷物を収納。
「野郎ども!これから貴様らを収納する。全員、2列縦隊!!---遅い!うすのろども!!動け!動け!!」
トールは中隊長・小隊長・ティナを除く全員を収納した。
「トールさんよ、ちょっとやりすぎじゃないか。今はそんなに急ぐ局面じゃないだろう」とロト。
トールは首を横に振りながら、
「今はそうです。ですが、今後は急ぎ収納する必要がある場面が出るかもしれません。そのための訓練です。それに---僕は部下に慕われるために軍人になったわけではない!」
「---おまえさん、軍人じゃないよな」
「冗談はさておき」
「冗談だったのかよ」
「計画どおり、シバスから徒歩3日のB地点に飛びます。B地点で翌日早朝までに陣地を構築し、本日と同様の戦闘行動を実施します。
翌日中に徒歩2日のC地点へ。ここでの戦闘---4月10日の戦闘を最後の戦闘とし、10日の日没前までにシバスに到着します」
「了解だ。なんとかなりそうだな」
「油断は禁物ですが、若干の余裕はあるかと思われます」
「小隊長、それでいいな」
「了解です」
「それじゃ、トール、それでたのむ。陣地はこのままにするのか?」
「はい、取り壊すだけの魔力がおしいです」
「ばれるぞ、いろいろと」
「まあ、今更です。魔力を温存して部下の生存可能性を少しでも高める。臨時とはいえ僕は指揮官ですから、それが勤めです」
「そうか---大きな貸しを作っちまったな、俺たちは。この貸しは必ず返す」
「ありがとうございます」
「こちらこそ、だ。そろそろ行くか」
「了解です、では中隊長殿・小隊長殿、収納します。---ティナ、行こうか」
「はい、トールお兄様」
ティナがうれしそうにトールの背に乗る。
「また二人きりになりましたね、トールお兄様」
「そうだね。二人きりになったね」
「ティナは、この時間が一番好きです。---トールお兄様、お慕い申しております」
「ははは、僕もティナのことが大好きだよ」
「うれしい!」ティナ、トールにいっそう密着。
---お前ら、B地点とやらに早めに行かなきゃいけないのではないかい?




