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2度目の転生に関する報告書  作者: トール
第二章 孤児(冒険者見習)編

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第51話 スタンピート3

4月8日早朝。


予定どおりの陣地構築を終え、小隊はすでに戦闘態勢に入っていた。


「前方約300m先に敵勢力を視認!敵種別はゴブリンのみ、数は約50。作戦計画に変更なし!」

トールの指示が飛ぶ。

「敵勢力は密集したまま当方へ進行中。距離約100!姉上!ティナ!ふたりがけの攻撃準備!!ふたりがけ3秒前、2、1、今!」

「ファイアボール!」

クレアが魔術名のみ詠唱してファイアボールを発射。

「(エアバレット!)」

ティナも同時に、無詠唱でエアバレットを放った。エアバレットに乗ったファイアボールは威力とスピードを増し、密集した敵勢力のただ中に着弾する。爆煙は一瞬で広がり、半数以上の敵を無力化した。


「弓隊!発射準備!まだだ、もう少し引きつけろ---発射3秒前、2、1、今!続けて第2射発射準備!3秒前、2、1、今!

 槍隊、突撃準備!弓隊第3射発射準備!3秒前、2、1、今!槍隊、突撃!!」

「行くぞ!」槍隊はサムエルが率いる。

ファイアボールと弓の一斉射撃を受け10以下まで数を減らした敵勢力を槍隊が一挙に粉砕、さらに逃走を図る敵勢力を追撃、これも仕留める。

「クリア!」とサムエル。

「周辺に敵勢力の気配無し!状況終了!!」トールの勝利宣言。

槍隊は可能な範囲での矢を回収後、帰還。

「報告!槍隊総員17名現在員17名、異常なし!」

「よし!総員に告ぐ!戦闘態勢解除!各自水分補給ならびに武装整備を実施のこと!移れ!!」


「敵勢力全滅、当方に負傷者なし。完全勝利じゃないか、大したもんだ」ロトがトールに話かける。

「はい。さすが精鋭の第一小隊です。弓隊の発射速度と命中精度がすばらしい。槍隊の破壊力と連携能力も申し分ありません」

「おう、すごかろう。トール、お前の指揮も大したもんだ。指揮権を委譲して正解だったな。それ以上にだ、あのお嬢ちゃんたち、何やった?」

「え?」

「クレアはわかる。ファイアボールだ。ティナのお嬢ちゃん、同時に何をした?」

「エアバレット、ですが。それが何か?」

「なるほど。ファイアボールをエアバレットに乗せて距離を大幅に伸ばすということか。破壊力も相当高くなってるな、どういう原理だ?」

「---」

「辺境伯軍魔術隊は、いや、王国軍魔術親衛隊でも、この攻撃方法は知らないだろう。少なくとも俺は魔術親衛隊がこの攻撃を使うところを見たことがない」

「---そうですか」

「お前の様子からすると、お前のなかではあの攻撃、ふたりがけ、だったか。

 そのふたりがけを常識的に使用しているようだな」

「---」

「お前、どこの出身だ」

「---シバス孤児院」

「ふっ、ははは。そうきたか。よかろう、この話はおしまいだ」

「助かります」

「それは、それとして、だ。なんとかなりそうだな」

「いいえ」とトール。

「今回はゴブリンだけでしたから。魔狼が混ざるとどうなるかわかりません。

 それにオークとオーガ、でしたっけ。あれに弓が通じるのかどうか---」

「オークとオーガは前哨隊には混ざらん。考慮しなくても大丈夫だ。

 魔狼はなあ、確かに厄介だな。奴らにはスピードがある」

「あと、夜間です。さすがに夜間戦闘は無理です。日没前には現在地を放棄し、シバスまで徒歩3日の地点であるB地点まで下がります。B地点で今回と同様の防御戦闘を行います」

「了解だ。先ずは現地点での防御か。長い一日になりそうだな」

「はい」

「ところで、だ。もう一つだけ確認したいことがある」

「なんでしょうか」

「おまえ、『状況終了』って言ったな。状況って何だ?


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