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2度目の転生に関する報告書  作者: トール
第一章 開拓村編

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第27話 ナオさん独白1

私の名はナオ。元A級パーティ「暁の星」のB級スカウト。そして、トールの母親。

私はカバラの町の小さな商家に生まれた。いや、カバラの町はずれにある猟師の家に生まれたというべきかもしれない。


父親は猟師。かなりの凄腕であったようだ。母親は商家の一人娘。

父が仕留めた獲物をこの商家に売却していたことから二人は知り合ったらしい。

身分違いの間柄。母方の祖父は最後までこの結婚を認めなかったらしい。

そのせいか、父は普段は家におらず、時折ふらりと立ち寄る程度であった。


祖父は二人の結婚こそ認めなかったものの、私のことは孫として受け入れてくれた。いや、受け入れるどころではない。商家を継がせるつもりで、物心がついた頃から私に読み書き、算術、礼儀作法を徹底的に叩き込んだ。

それもめちゃくちゃ厳しく。

私はこの教育、そして祖父のことが嫌で嫌でたまらなかった。


ある時、そう、私が8歳になろうとしていたころ、父が私を山に連れ出した。

山の中腹にある猟師小屋での生活。父が教える獲物の追い方、弓矢の使い方、タガーの使い方、獲物のさばき方。

その全てが楽しくて楽しくてしょうがなかった。

どうやら私には、猟の才能があったらしい。

父の教えが段々と厳しく、また高度になって行ったが、私はこれに完全についていけた。

そんなある日、父がこう呟いた。

「お前が男だったらなあ」


その後、私は商家に連れ戻された。猟師として生きるのがよいのか、それとも商家の跡取りとして生きるのがよいのか。どちらが私にとって幸せなのかを、父なりに考えた末のことだったのだろう。


私は激しく反発した。その結果として、商家の修行を真面目に取り組むことを条件として月のうち1回、1週間ほどの猟に出ることを許された。

私はこの猟を楽しみに生きることとなった。


12歳になった時、父の行方が不明になった。

恐らくは猟の最中に不慮の事故---魔物に襲われたのであろう。


それでも私は単独で月1回の猟を行おうとした。

母・祖父はそれに猛反対。

まあ、常識的に考えれば、12歳の少女を一人で魔物のうろつく山に行かせるわけにはいかないだろう。

私は家に軟禁された。


そんなある日、一人の少年が密かに私に接触してきた。

「冒険者になって辺境伯領に行かないか」と。

私の父は凄腕の猟師。そしてその父が私の才能を評価していることをこの少年は知っていたらしい。

「既にパーティメンバーは決まっている。あとはスカウトがほしい。猟の才能とスカウトの才能は親和性がある。君ならば優秀なスカウトになれるはずだ」


商家の修行が嫌で嫌でたまらなかった私は、一も二もなくその話に飛びついた。そして、家を出た。


辺境伯領での冒険者活動、それはとてもとても楽しいものだった。

パーティは5人編成。

スカウトの私が先行し、魔物を探索。

重戦士のピリポが魔物と対峙、魔法使いのアリスが魔物を攻撃。

僧侶のカヤパが支援攻撃、時には回復。

私は魔法使いのアリスを防御、時には弓で支援攻撃。


そしてなんと言ってもリーダーのアベル。私をスカウトした少年。

剣と魔法を自在に扱うオールラウンダーの彼は、重戦士のピリポとともに前衛を勤め剣で魔物を切り裂き、魔法で攻撃した。

彼の才能は突出しており、「勇者の再来か?」とも言われていた。


ギルドも私たちのパーティを成長させるべく全面的に支援。私もトラップ解除等スカウトに必要な技術の教育を受け、順調にスカウトとして成長していった。


パーティもD級からC級にあっという間に昇進。B級に手が届くまでになった。

街の人々も私たちのことを知らない人はなく、皆、私たちを持てはやし、時には貴族様の宴会に呼んでくれることもあった。


だが---この楽しい日々もいつまでも続くことはなかった。

「悪い、俺はパーティから抜けさせてもらう」

ある日、重戦士のピリポがパーティからの離脱を申し出た。

「このまま続けるとみんなの足を引っ張る、いや、俺が死ぬことになる」

パーティランクが上がるにつれ対峙する魔物が強力になっていった。

その魔物と対峙する前衛。ごまかしのきかないポジション。

ピリポの実力不足は徐々に顕在化していた。

それを薄々と感じていたパーティメンバー。ピリポを引き留める言葉を持たなかった。


ピリポの離脱を知ったギルドは即座に前衛メンバーとして2人のベテランを手配。

リーダーのアベルを遊撃のポジションにおき、戦闘時のフォーメーションを

・前衛 2名

・中衛 僧侶カヤパ

・後衛 魔法使いのアリスと私

とした。


このフォーメーションは的確だった。だが、それ以上に大きかったのは、前衛2名が加わったことで、今までの「馴れ合い」が消えたことだった。


中衛・後衛でのちょっとしたミスがあった時に、前衛2名からの強い指摘(罵倒ともいう)がなされた。僧侶のカヤパ、魔法使いのアリス、そして私の3名は今まで以上に強い緊張感をもって戦闘を行い、これが3人の成長を促した。

特に魔法使いのアリスの成長が著しく、パーティの火力が増強された。

パーティはB級に昇格し、さらにはA級を窺うまでになった。


そして---今度は、私自身の火力不足が徐々に顕在化していった。


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