第116話 第三次アフラ会戦7ー迂回部隊の前進ー
5月15日
5:00 帝国軍 投石機による攻撃を開始
5:30 帝国軍 投石機による攻撃を中止
シバス軍銃撃により投石機10台中8台が損壊
「投石機での攻撃は効果はなし---か」と帝国軍元帥。
「残念ながら」総参謀長が応じる。
「さて、次はどうする?」
「城を攻めるのであれば攻城用トンネルを掘るのですが」
「時間がかかるか」
「はい、魔術兵を使ったとしても1週間はかかるかと」
「食糧が保たんか---タブリを潰されたのが痛いな」
「そこで、壕を掘ることとします。城壁まで300mの地点から城壁に向けて掘り進め、100mほどのまで接近したところで、今度は壕を城壁に対して平行に堀を伸ばします。
それにより、城壁から100mの地点に安全地帯---敵の銃撃による攻撃を受けにくいエリアを確保する。
そこから城壁に向けて弩で攻撃してもよし、魔術で攻撃してもよし」
「そう上手くいくのかね」
「本命は迂回部隊です。壕はあくまでも牽制。敵も壕は牽制だとわかるでしょうが---」
「わかったとしても対応せざるを得ない、ということか」
「はい。牽制部隊が、状況次第で本命に変わることは稀にあります。だからこそ敵は無視できない。壕によって敵を引きつけることにより、迂回部隊を支援します。いかがでしょうか」
「了解だ。直ちに作業に入れ」
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「敵は塹壕を掘り始めましたか。さすがは帝国軍、銃への対応方法に早くも気がつきましたね」
ジャック・クリーフ中将が、隣に立つサムエル最高司令官に話しかける。
「ああ、だが予想の範囲内だ。我が軍の攻撃は狙撃手のみの攻撃とし、弾薬の消費を抑える。作戦計画どおりだ」
「了解です」
「さて、敵は塹壕からの攻撃を主攻とするのか、それとも迂回部隊を主攻と考えているのか」
「どちらだとしてもやることがかわりません。まあ、塹壕部隊が主攻であるほうが望ましいですが。少なくとも4~5日は時間を稼げます」
「迂回部隊をどれだけ遅延させるかが勝負だな。トールと特殊部隊に期待、といったところか」
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同じ頃、上空ではトールが敵迂回部隊の動きを監視していた。東西に分かれた敵の進軍を見下ろしながら、トールは特殊部隊へ次々と指示を飛ばす。
「上空のトールより第一特殊部隊へ。敵戦闘集団は間もなくC地点に到着する。
C1地点から斉射の後、C2地点へ移動の後待機。C2地点でもアンブッシュ攻撃を行う。
いいか、ヒット・アンド・アウエーだ。一地点に長く留まるな」
「トールお兄様、こちらのほう、西迂回路のほうが東迂回路よりもかなり敵侵攻が早いです」
トールと一緒に上空からの監視を行っているティナからの助言。
「ああ、そのとおりだな。各員へ。アンの部隊を東迂回路から西迂回路に転進させる。
アン隊はH地点で待機、僕がそこで回収し西迂回路まで移送する。
続けてトールから第二特殊部隊へ。トールは西迂回路、第一特殊部隊の支援を続ける。しばらくの間そちらの支援は出来ないが頼むぞ」
「第二特殊部隊了解。任せてください」
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5月16日 9:00
「元帥殿、迂回部隊から状況報告があげられています。参謀、報告せよ」
「はっ、先ずは東迂回路の第二軍団より。
昨夜は魔狼による襲撃はなし。
敵のアンブッシュ攻撃を受けつつも尾根まで進出。
次に西迂回路の第三軍団より。
昨夜に魔狼と思われるもの、約50による襲撃あり。
これにより第三軍団は一時混乱、行進が遅延。
こちらも尾根までの進出に留まりました」
「これで確定したな。一昨日ならびに昨夜の魔狼による襲撃はシバス軍による攻撃だ。奴らはどうやって魔狼を手なずけたのか---」
「仕留めた魔狼は一昨日が2、昨夜が3に留まっています。魔狼を排除しようと灯りをつけると敵に銃撃されるため、暗闇の中で魔狼と戦わざるえず---」
「両方面ほど本日中の迂回路突破は難しいか」
「はい、本日も夜間行進を余儀なくされます」
「第2軍団ならびに第3軍団に命令せよ。前進、前進、前進あるのみ。
迂回路を突破さえすれば敵を包囲できる。包囲すれば敵は寡兵、殲滅間違いなしだ。いかなる犠牲を払ってもいい、とにかく迂回路を突破せよ」
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5月17日 6:00
突然、城壁にロマ帝国軍の軍旗が掲げられた。
5月17日早朝時点でのロマ帝国軍残食糧 約7日分




