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緑の恋――あるカナブンの話  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


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第八話「夏が終わりかけた」


光が変わった。


強さが変わった。



夏が、終わりかけていた。



体が、重くなった。


飛ぶのが、遅くなった。



そのものも、遅くなった。


動きが、ゆっくりになった。



木の汁を飲んだ。


並んで飲んだ。


最初の日のように、並んで飲んだ。



甘かった。



そのものが、こちらを見た。


ゆっくりと、見た。



見返した。



目が、黒かった。


丸かった。


最初に見た目と、同じだった。


変わっていなかった。



体は重くなった。


しかし、目は変わっていなかった。



並んで、汁を飲んだ。


夕方になった。


光が橙になった。



(第八話 了)

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