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緑の恋――あるカナブンの話  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


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第六話「光の中で」


晴れた日があった。


光が強かった。



木の上にいた。


そのものも、木の上にいた。



光が当たった。


そのものの体が、光った。


緑色が、金色になった。


青色になった。


また緑色になった。



見ていた。


光の中で変わる色を、見ていた。



そのものが、こちらを見た。



こちらも、光っているかもしれなかった。


同じように、色が変わっているかもしれなかった。



分からなかった。


自分の色は、自分では見えない。



しかし、そのものが見ていた。


こちらを、見ていた。



それで十分だった。



光の中で、二つでいた。


互いの色を、見ていた。



(第六話 了)

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