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緑の恋――あるカナブンの話  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


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第四話「夜になった」


夜になった。


木の上にいた。



そのものも、近くにいた。


同じ枝の、近くにいた。



夜の虫の声がした。


遠くで、別の虫が鳴いていた。



暗かった。


しかし、そのものがいた。


緑色は、暗くなると見えにくかった。


しかし、いた。


体が知っていた。


近くにいることを、体が知っていた。



風が来た。


葉が揺れた。


そのものが、少し動いた。


また体が触れた。



今度は、離れなかった。


そのままでいた。



夜が続いた。


虫の声が続いた。



そのままでいた。


体が触れたまま、夜をすごした。



(第四話 了)


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