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緑の恋――あるカナブンの話  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


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第二話「また来た」 第三話「飛んだ」


翌日も、同じ木に来た。



そのものが、いた。


先に来ていた。



見た。


そのものも、見た。



並んだ。


また並んで、飲んだ。



風が来た。


葉が揺れた。


そのものが、少し動いた。


体が触れた。



硬かった。


緑色の硬い体が、触れた。



離れなかった。


そのものも、離れなかった。



汁を飲んだ。


体が触れたまま、飲んだ。



(第二話 了)


(ここから第三話「飛んだ」)



そのものが、飛んだ。


羽を広げて、飛んだ。



見ていた。


飛ぶ姿を、見ていた。



緑色が、光の中を飛んだ。


夏の光の中を、飛んだ。


きれいだった。



自分も飛んだ。


後を追った。



そのものが、別の木に降りた。


自分も、降りた。



また並んだ。


別の木の上で、また並んだ。



そのものが、こちらを見た。



なぜ来たのか、と思っているかもしれなかった。


あるいは、来ると思っていたかもしれなかった。



分からなかった。


しかし、来た。


体が、来た。



(第三話 了)


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