「咆哮するセロリと、震える小鹿」
投稿者:みつる 2026年5月5日
作ったぜ。
……いや、正確には「覚悟」を作った、と言うべきか。
今朝は目覚めから最悪だった。相棒のセロリが、おれの枕元で朝から「ニャンニャン」と、耳元を突き破るような勢いで鳴き喚いていやがったんだ。まるで、「いつまでその情けない脚で寝てやがるんだ」と、おれの怠惰を責め立てるかのように。
ジムに行けば行ったで、筋トレ仲間の連中からは相変わらずの集中砲火だ。
「おいみつる、上半身は立派だが、下半身がだらしねぇぞ。その脚じゃ、波どころか駅前のエスカレーターの揺れにすら耐えられんぞ」
笑い声が、パンプアップして肥大したおれの両耳に突き刺さる。
ああ、もう、わかったよ。やりゃいいんだろ、やりゃ。
おれは今日、ついに禁断の「足トレ」のエリアに足を踏み入れた。
バーベルを肩に担いだ瞬間、おれの細い二本の脚が、生まれたての小鹿のようにプルプルと悲鳴を上げた。一回、二回……。たったそれだけで、おれのプライドという名の上半身は、重力という名の現実に押し潰されそうになる。
「これが……経済的スクワットの重みか……!」
一セット終わる頃には、視界は真っ白。ジムの床に這いつくばるおれの姿は、サーファーというよりは、ただの「打ち上げられた海藻」だった。だが、この痛みこそが、おれが二本足で立ち上がるための代償なのだと、自分に言い聞かせるしかなかった。
【コメント欄】
匿名サーファーA: ほう、ついに「逃走」をやめて「スクワット」を始めたか。だが、その一歩が砂浜に届くのは、来世紀になりそうだな。
琴音(?): 今日の歩き方、生まれたての馬みたいで面白いわよ。あ、その震える脚で、ちゃんと風呂掃除しといてね。滑って転んでも、労災(生活費の上乗せ)は出ないから。




