45話 そのつもりは無くても相手を傷つける行動って、あるよね
「お、お前ら仲良くなれた感じ?」
「ヴァルド!うん、ルイズが皇城に来てくれるって!」
「ヴァルドの狙い通りに動くのは癪だけどね」
「はいはい。で、これがその契約書だからさっさと名前書いて」
「内容は何?」
「取り敢えず就業場所と退職条件だけ。給与や勤務時間、業務内容に休暇とかの細かいことは後で、まずはお前が働いてくれるという確証が欲しいんだよ」
「そこまでしなくてもいいのに。…怪しいな、もしかして騙したりしてる?こいつ本当は皇城で働いてなんて無くて、唯の役者だったりして」
「いや、シエラは猫かぶったりしてねぇし、皇城で働いてるのも本当だから」
「…ふーん?まあいいや。書いたよ、名前。これでいいんだろ?」
「おう、いいぜ」
「ありがとう、ルイズ!これからよろしくね!」
「うん、よろしくシエラ」
「まあ、じゃあ取り敢えず皇城行くか。ルイズ、シエラの腕に捕まって。俺も捕まるから」
「…何で?」
「いいから。皇城行くんだろ?」
「…わかった」
ルイズがラディシャの腕に捕まる
「じゃあ、行くよ?」
――皇城にテレポートする
「…はぁ!?何コレ?」
「ほら、皇城着いたぞ」
「何で!?……シエラがやったのか?」
「ああ。こいつがやった」
「…どうやったんだ、シエラ?」
「…これ、僕悪い事しちゃったかもしれない…」
「いや、まあそんなに悪くもないだろ」
「二人で話すな!どうやったって聞いてるんだよ!…騙したのか、シエラ!!」
「あ、えっと、……う、うん。そんなつもりじゃなかったんだけど、よく考えるととっても悪い事しちゃったかもしれない。……騙し、ちゃった」
「…騙すつもりは無かったんだな。で、どうやった?」
「…僕、ラディシャなんだ。…青鬼の女帝、なんだ」
「……はぁ?」
「…シエラって名乗ってごめん。ヴァルドの部下だって嘘ついてごめん。顔を嘘ついて隠してごめん。君の嫌いな、目立つ奴でごめん。
…でも、君を凄いと思ったこと。君と友達になりたいことは全部本当だよ。…本当に、ごめん」
「…顔、見せて」
「え?」
「青鬼かどうか、見なきゃ信じれない。友達になりたいんだろ?見せろよ」
「…うん、わかった」
ローブと仮面を脱ぐ
「……何で、男なんだ?」
「あ、えっと、色々事情が…。あ、性別嘘ついてごめん!」
「ヴァルドでしょ。この作戦考えたの」
「…ああ。そうだぜ」
「僕の魔道具の性能の高さを皇城の奴らに言ったのも。この青鬼サマの性格なら、正体だけ隠せばあいつも気に入るだろうって、サインしてくれるだろうって考えたのも。…サインさえ貰えば、辞めずらいだろうって思って考えたんだろ」
「…そうだな」
「で、シエラ…じゃなくて、ラディシャは、あまり騙すという感覚を持たずに、この作戦に乗った」
「本当にごめん!」
「ラディシャは悪くない。俺が悪かった」
「…どっちも悪いよ。
……気持ち悪い。気持ち悪いんだよ、お前ら!ヴァルドもラディシャも!!」
「ごめん!」
「悪かったよ!」
「うるさい、黙れ!ボクの話を聞け!なだめようとするな…!!」




