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5人6脚

 「とうとう来たか」

 「明はまだ緊張してるの?」

 「もちろん。緊張してない茜の方が変だよ」

 「そう?凛、私って変?」

 「うん。あなたと亮は緊張しなさすぎ」

 「俺も?まぁ、実際そんなに緊張してないかな」

 「でしょ。駿はどうでもいいわ」

 「僕の扱い雑じゃない?」

 「でも、明は緊張しすぎね」

 「そりゃあ、緊張しちゃうよ。本番は一回なんだから」

 「自分を信じなよ。私もいるんだから」

 「茜、抱きしめていい?」

 「はいはい、おいで」

 「何あの二人は流れでいちゃついてるのよ」

 「凛も俺のところおいで」

 「公衆の面前ではしないわよ」

 いつものごとく殴られる亮だった。


 僕達はアンカーだ。

 だから余計に緊張してしまうが、さっき茜を抱きしめて少し落ち着いた。

 茜は僕の女神だ。

 

 僕達のクラスは一番でアンカーの僕達まで回ってきた。

 前半は順調に走って行ったが、凛が少し遅れてしまっていた。

 しかし誰もそれに気づいていなかった。

 そしてついに、転んだ。

 

 その間に2位のクラスに並ばれた。

 しかし僕たちはただの仲良しじゃない。

 そして、何のために練習していたのか。

 僕達はその場で全員が凛に歩幅を合わせながら声を出し走った。

 2位のクラスのアンカーが抜かそうとしていたが、そんなことはできるはずがない。

 誰よりも仲が良い5人なのだから。


 そして僕達は1位で堂々のゴールを決めた。


 「みんなありがとう」

 「気にすんなって。凛は練習の時から一人歩幅が狭いままだったから。みんな分かっててすぐに対応できたんだよ」

 「亮がいつもよりかっこよく見える」

 「おいで凛」

 そういうと亮は腕を広げ、そこに凛が吸い込まれるように収まった。


 「あの二人もお前らも僕と南のことはもうバカにできないな」

 「人前でやってても、度合いが違う。僕と茜はそっちの2カップルとは同類にされたくない」

 「じゃあ、もう学校でいちゃつくなよ?」

 「なら私と明はみんなと同類でいいわ」

 「茜、我慢できないの?」

 「制約がある学校生活が嫌なのよ。でも、学校でも明とは仲良くしたいもの」

 「茜大好き」

 「私も」

 そういうと、僕達は抱きしめ合った。


 「なんだ、全員が全員バカップルかよ。あーあ、今南がいないから俺だけ一人だ」


 駿は一人寂しそうだった。

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