体育祭開会
「とうとうこの日が来た」
「明は心配し過ぎだよ」
「茜は心配しなさすぎだよ」
「自分たちの練習を信じてるからね」
「僕はもっと練習したかったよ」
「それを言い出したら終わらないよ」
「それもそうだね」
「そういえば、今日は僕達の親であるバカ夫婦が来るみたいだよ」
「学校でまではいちゃつかないでほしい」
「そうなるよう祈る」
「これより、体育祭を開会します」
開会式のアナウンスと共に体育祭が始まった。
僕達1年生の最初の競技は借り物競争だ。
借り物競争と言っているが、実際は借り人競争だ。
「お題次第よね」
「俺達5人以外友達いないもんな」
そうだ、僕達はこの5人以外に同学年の本当に仲の良い友達がいない。
別に仲が悪いわけじゃない。
ただの普通の友達ってだけだ。
この5人以外からだと、同じ部活の人くらいだろう。
要するに、お題に対してこの5人の中に当てはまる人がいなければ負けが確定する。
「先輩とかだったら、南先輩と部活の先輩くらいだな」
「俺は無理なお題が出たら諦める」
「私も」
「というか、どういうお題が出るかわからないよね」
「簡単なのが良いけど、そんなわけないよな」
「交友関係が狭い私達からするとやりたくない競技」
「そういえば駿はどこ行った?」
「南さんのとこだって」
「相変わらずだな」
「駿はどんなお題でもお姉ちゃん連れてきそう」
「でも、南先輩は嬉しそうについてくるのが目に見えるのは私だけ?」
「みんなそう思ってるよ」
一方そのころの駿は
「借り物競争お題が男子じゃない限りは南にするね」
「嫌いな人とかだったらその時もやめて」
「さすがにそんなお題はないでしょ」
「さすがにできないか」
「でも、基本的は南だから待ってて」
「待ってる。逆に私じゃなかったら恨むかも」
「恨まないで。その時は良くないお題だから。ね?」
「そう思うようにはするけど、あとでお題教えてね」
「それはもちろん。でも、99%は南だから」
「うん。待ってるよ」
こうして借り物競争が始まった。




