表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢見るアイ  作者: 玉名 くじら
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

97/139

番外編26 ポニーテールには見惚れるもの


 寧々がもらってきたメロンの入ったダンボール箱をキッチンの隅に持っていく。

 その様子を見ていた静を見て違和感に気づいた。


 「なぁ静……」

 「なんでしょう」

 「太ったろ?」

 「はい?」


 ゴールデンウィークの間、食っちゃ寝していたし、出かける度に買い食いするし、家でもお菓子をずっと食べている。

 これで太らないわけがない。


 「だよねー。静っち確かにぷよぷよしてきたかも」

 「ははは。ユイも確実に太ったぞ?」

 「なっ! そ、そんなわけないし!」

 いや、確実に太ってる。なんなら二割増しくらいで太ましい。


 「そんないうなら、ほらお腹つねっていいよ」

 『むにっ!』

 「これはなんだ」

 「こ、これは……」

 顔を赤くしていたが、羞恥というより妙に満足そうだった。なぜか少し口元も緩んでいる。


 「唯さんは確かに太りましたね」

 「いや、静は明らかに見てわかるレベルで太いぞ」

 だからなのか、緩い漢服着てたり、なんなら今日はジャージだ。ここ数日スカートとかジーパンみたいのを履いているのを見た記憶がない。


 「確かに動いてないわよね」

 星羅がにんまりしながら、服を捲ってお腹を見せていた。

 はしたないが、確かに引き締まっている。

 なんならもう少しで六つに分かれそうなくらいだ。


 「確かに唯さんも静さんもずっとソファから動きませんでしたね」

 「寧々さんまで裏切るんですか?」

 「裏切ってません」


 苦笑いする寧々。寧々は力は弱いが、引き締まっているからな。

 やはりフライパンとか鍋とか重いものを持っているからだろうか。


 「明日から学校だろ? 制服どうすんだ?」

 「ワンピースタイプだから大丈夫です」

 「あーし改造しちゃってるから……」

 多分ぱっつぱつで着れないんじゃないか?


 静とユイは互いに顔……いや、お腹を見て頷いた。

 「痩せよう!」

 「それしかありませんね」

 何かスポーツでもするんだろうか?


 「では、寧々さん星羅さん。今日一日光司をお借りしても?」

 「まぁ、仕方ないわね。いいわよ」

 待て。俺は貸し出し物じゃないんだが……。


 結局なし崩し的にジャージに着替えさせられた俺は、タオルとか諸々入ったバッグを持たされて一緒に出かけたのだが……。

 てっきりその辺を走るもんだと思っていたが、着いたのは区でやってるスポーツセンターだった。


 「コージも太ったよね?」

 「少しな。少し」

 実際二人に比べれば微々たるもんだ。お腹が少しきついくらいだ。


 「で、何をするんだ?」

 「これだよー」「これです」

 そこはテニスコート半分くらいの広さの部屋だった。

 「なんでスカッシュ?」

 「だって激しいからすぐ痩せるじゃん」

 「ええ。それに楽しいですよ?」


 謎なチョイスだな。しかし二人は腕を組んで準備運動している。

 そして、ショートパンツと半袖というラフな格好にポニーテールとやる気満々だ。

 しかし、そんな動いてすぐ痩せるなんてどこかの元殺し屋かな?

 でもそれだと、すぐリバウンドしちゃうぞ?


 早速、ユイと静が始めるが、中々どうしていい動きをしているのか。

 テニスより激しいんじゃないか?

 壁に打ちつけたボールを互いに返していく。

 確かにあれは、痩せそうだ。

 二人のポニーテールが右に左に揺れるから、そっちを追ってしまう。


 「ふぅー。疲れたー」

 「いい汗かきましたね」

 気のせいか少しスリムになった気がする。

 「コージもやろ?」

 「わたくしは少し休みますので」

 静はベンチに座ると、凄い勢いでストローを啜っていく。台無し。


 「そうだな。俺も興味出てきたし」

 「っし! じゃー、やろー」

 「おー!」


 その後は言うまでもないが、年甲斐もなく全力で楽しんでしまった。

 最初は、当てるだけで精一杯で、思った方向へ飛ばなかったが、コツを掴むと楽しい。

 楽しすぎて、ユイとずっとラリーしてた。

 続けて、静とも対戦し、あと少しで勝てるところまでやったが、流石に勝てなかった。

 ユイと静が休んでる間、一人で楽しんじゃうくらいにはハマっていた。

 それがよくなかった。


 「コージ大丈夫?」

 「光司大丈夫ですか?」

 二人が心配して声をかけるが、片手を軽く上げるので精一杯だ。

 「全く無理してー」

 「すまん」

 明日から会社なのに、これ筋肉痛確定じゃないか。

 既に肩とか太ももとか痛いし。


 「まぁ、結構やったし、コージも限界だから帰ろっか」

 「そうですね。甘いもの買って帰りましょう」

 その追加がよくないのだが、俺も少し補給したくなった。


 帰り道、テイクアウトしたコーヒーを飲みながら帰る。

 二人はいつものクリームてんこ盛りのではなく、カフェオレを頼んでいた。

 まぁ、少し思うところがあったんだろう。


 「来週の休みにも来ましょうか」

 「そーだね。かなりいい運動になるし」

 「俺はいいかな」

 「なんで?」「どうしてです?」

 二人が立ち止まって聞き返す。


 「次の休みはゆっくりしたい……」

 足をプルプルさせながら、その言葉を言うのがやっとだった。

 案の定、翌週もまた無理矢理連れ出された。

 今度は五人で行くことになったのだが、折角だからとテニスになった。

 もちろん経験の無い俺はサーブでまずつまづいたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ