番外編9 いちご狩りに行こう⑦
流石にもう寄ったり買ったりはしないだろう。
後は家に帰るだけ。そう思ってた。
「この次の下妻の道の駅も気になりますね」
「まだ寄るのか?」
流石に呆れた声も出よう。
隣で静が、スマホを眺めている。
「星羅さんが食べたモンブランが気になって」
「……そうか」
まぁ、そう言うなら。
と、言うことで道の駅へ寄った。
ユイと星羅はまたトイレへ寄っていた。
だが、こんな時間だ。案の定モンブランは売り切れていた。
「光司、売り切れてました」
「残念だったな」
「はい……」
じゃあ、どうしてトレーを持っていくつかのパンと人数分のプリンを乗せてるんだ?
そのシーフードのトーストよく残ってたな。ラス一か。美味いよなそれ。
寧々はお土産コーナーにいた。
俺も何か見て……、お。北海道の昆布だしがある。これ便利なんだよな。
三種類取ってカゴに入れたところで、寧々がやってきた。
「やっぱり光司さんは、実用的なもの選びますね」
「はは。いや、これ便利なんだって。マジで」
ここ以外で売ってるとこ見かけたら教えて欲しいレベルで。
「流石に寧々はもう買わないのか?」
「どうしましょうかねー。お土産のお菓子しか残ってないですし、納豆は……」
「やっぱり納豆は苦手かー」
うちでも出してないしな。前に全員から集中砲火受けて出してないんだよな。美味しいのに……。
「あたし、克服します」
「いや、無理しなくても」
「いえ、身体にいいって言いますし、何より光司さんが食べられないのは、ダメだと思うんです」
「そうか」
「はい」
だからって、そんなに買わなくても……。
車に戻ると、静と一緒にユイと星羅もいた。
さっきより量が多く見えるが、追加したな?
まぁ、いいか。トランクに入れば……。
宅配便の車かなってくらいお土産やら食べ物が乗っている。
さて、今度こそ帰るか。
最後は助手席にユイが座り、後ろは静、寧々、星羅と座っている。
「ふふ。やっとあーしの番が来たねー」
「大丈夫か? 疲れてないか?」
「大丈夫だよー。てか、ギャルの体力なめんなし」
「そうか。ユイは元気だなー」
我が家の元気担当は、まだ体力に余裕があるらしい。
バックミラーで後ろを見ると、流石に疲れたのだろう。寝息を立てながら眠っていた。
「ねぇ、コージ」
「どうした?」
「今日はありがとね」
「なんだ、そんなことか。気にすんな。俺も楽しかったしな」
「……良かった」
「ん?」
「や、ほら、最近お疲れな感じだったじゃん?」
「まぁ、繁忙期だからな」
「帰ったらマッサージしてあげるよ」
青竹踏みの件だろうか?
まぁ実際運転して足疲れてるしな。踏んでもらって丁度いいかもしれない。
「……じゃあお願いしようかな」
「うっし! めっちゃ乗っかってほぐしてあげるね」
「お手柔らかに頼むよ」
「うん! ……って、あれ?」
「どうした?」
「何でまた道の駅入ったの?」
「あ、今までの流れでつい……」
何の気なしに常総の道の駅に入ってしまった。
「折角だし、二人で見てまわろ?」
後ろを見ると、ぐっすり寝ている。
「そうだな」
「やたっ!」
少し窓を開けていくことにした。
「そういえばここってメロンパン有名だよね」
「そうらしいな」
いつも混んでるから並んだことなかった。
「並ぼっか」
「ああ」
あんまり並んでなかったが、並んだ直後に後ろに物凄い行列ができてしまった。
「タイミング良かったねー」
「だな。しかしすごい人気だな」
「全種類買えたらいいね」
「そんなに買うのか?」
「だって、寧々っちと星羅っちに静っちの分も必要っしょ」
「そんなに食えるのか?」
「今まで食べてこなかった分、食べないと損でしょ?」
覗き込むように見上げるユイ。やっぱりその仕草は卑怯だ。
西日のエフェクトで、よりドキッとしてしまう。
待つこと二十分。前の方だったが、先頭の方に並ぶ人がいっぱい買ってしまった。
「まぁ、買えただけヨシとするか」
「ううー」
ユイの頭をポンと撫でる。
「ん」
といっても、種類違いで五個買えただけいいんじゃないかな。分ければいいだろうし。
「あ、シュークリームとプリンある! 買ってこコージ」
またプリン。プリンだけでどんだけ買ってるんだ。食べ比べて品評会でもやるのだろうか。
まぁ、実際美味いしな。
その後ユイと中を見て回り、ここでも出汁を買った。
「いっぱい買ったねー」
「筑西、下妻、常総と全部寄ったもんな」
最後に焼き芋を買って車に戻る。
三人とも大きな寝息を立てて寝ている。相当疲れたみたいだな。
「ユイは元気だなー」
「コージが頑張ってるのに寝てるなんて、そんな……」
「そんな?」
「(起きてるのがあーしだけなら、リード出来るし、少しくらい甘えても……いいよね……)」
「ユイ?」
「な、なんでもないよー。あはは。じゃ、帰ろ?」
「だな」
道の駅を出て、谷和原ICへ向かう。
「帰りのナビは任せてね」
「ああ。でも疲れてるだろ? 無理しなくていいからな」
「うん。じゃー、12秒後に真ん中の車線に移ってー、赤いステーションワゴンの後ろについてくと早いよー」
ユイも、ナビになると妙に正確だった。




