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夢見るアイ  作者: 玉名 くじら
第二章

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番外編8 いちご狩りに行こう⑥


 「いやー食べたねー」

 「ホントですねー。楽しかったですね」

 「また来たいよねー」

 「はい」

 ユイと寧々は満足したようだ。


 「わたしもまた来たいわ」

 「ええ。ただ惜しむらくは、もっと行けた気がするのです」

 「奇遇ね。わたしもまだ腹八分目……」

 「うそつけ」

 「何よ光司。分かんないでしょ?」


 そのお腹でそんなことよく言えるな。明らかに膨らんでるぞ?

 お腹さすりながら言うことじゃないだろう。

 ユイと寧々みたいに適度にした方がいいだろうに。

 しかし、いちごの前にあんだけ食べて、よくあんなに食べたよな。感心するわ。


 「まぁ十分楽しんだようで良かったよ」

 「光司」

 「どうかしたか静?」

 「また……連れてきてください」

 「ああ。いいぞ」

 「ちょ、わたしもわたしも連れてきなさい」

 「あたしもですよ光司さん」

 「あーしも忘れんなし」

 「忘れてないぞ。ちゃんとみんなで来ような」

 「うん……」「はい……」「光司……」「ええ、もちろんです……」


 いちご狩りだけなのに、ここに来るまで大分掛かったよな。

 それは、きっとこうして触れ合うまでの長い道のりみたいなものなんだろう。

 これからも、こうして回り道していくんだろうな。


 さて、いい時間だしな。帰るとするか。

 「あの……光司……」

 「どうかしたか? もしかしてお持ち帰り分買いたいのか?」

 「それもあるんですが、折角なので動物さんを……」

 「いや、ここからだと遠いんだが」

 「泊まればいいじゃない」

 「着替え持ってきてないだろ?」

 「あ」

 「それにこんな急に予約も取れないだろ?」

 「くっ。盲点でした。次は泊まりで計画しないといけませんね」

 「食べることにしか意識集中してなかったわ」

 まぁ、そういうところが可愛いと言うか。


 「ところで、なんでそんなに食い意地はってるんだ?」

 「食い意地って……、まぁそうね。折角なら美味しいものいっぱい食べたいじゃない」

 「そうですね。以前は非効率的で、エネルギー摂取にどうしてそこまでリソースを割くのかと思ってましたが、なかなかどうして素晴らしいのかと」

 「あーしはコージと一緒に食べるのが目的だし」

 「あたしも光司さんのレシピとか覚えて共有したいですし。何より、私の中に光司さんが増えていくと言うか……」

 「あ、それ分かる。ピースが埋まってく感じするもんね」

 「はい」


 全くそう、恥ずかしいことを恥ずかしげなく言えるなんてすごいな。

 まぁ、そういうことをどんどん覚えていってくれると俺も嬉しいかな。


 「じゃあ、まぁ帰るか」

 そうして帰路につく。今回は国道294号線を南下して谷和原ICから首都高乗ればいいかなと思案する。

 といっても筑西までは県道のが走りやすいからそっちで行く。一箇所一車線で渋滞が酷いし。

 今回も助手席には静が座り、後ろはユイ、寧々、星羅と座っていた。

 星羅はお腹をさすりながら「うっぷ」と言っている。

 ……さっきまで女王様みたいな顔してたのにな。残念美人だよホント。

 丁度いいところで、やめておくのが、一番美味しいと思うんだが、星羅はちょっと超えちゃうからな。

 これを機に少し覚えてくれるといいんだが。


 「那須動物王国、サファリパーク、ワールドモンキーパーク……宇都宮動物園もありですね」

 「いや、遠いから。行かないから」

 「むぅ。あ、そういえば、東北道の近くにさいたま水族館と東武動物公園ありますね」

 「残念。帰りはそのルートじゃないんだ。あと、着く頃には閉まっちゃうだろ」

 「くっ」

 悔しそうに呻くなよ。あるいはお腹が苦しくて呻いてる可能性もあるけどな。


 「静っちの可愛い物好きはすごいよね」

 「ホントびっくりしますよね」

 「かわいいは正義ですよ。その点については光司も含まれますね」

 「何いってんだか」

 「ほら、こうしてすぐ否定するところとか」

 「確かに」「なるほど」「…………」

 星羅が静かなのは本当に苦しいんだな。


 「ね、ねぇ光司……」

 「どうした星羅?」

 「……ちょっとトイレ」

 「分かった。あと数分で着くから我慢しろ」

 「ん」

 あんだけ食べたら水分取りすぎになるだろう。

 と、言うことで、筑西の道の駅に着いた。


 「俺も行っておこうかな」

 俺もいっぱい食べたしな。

 トイレを出て、椅子に座っているが、なかなか戻ってこない。

 まぁ車多いし、混んでるのかな。

 十五分ほど待つが、なかなか出てこない。


 「おかしい」

 そう呟いたところで、まず寧々が戻ってきた。

 両手には野菜の入った袋を下げて。

 「つい安くって」

 それなら俺も呼んでほしかったな。

 片方の袋にはお煎餅の袋も見えていた。


 寧々に遅れること五分。星羅がプリンをいっぱい買ってきた。

 「寧々ったら先に行っちゃうんだもの」

 「ごめんね。この後パンも見に行こうと思って」

 「あ、わたしも気になってた」


 俺も見たいなって思ったら、ユイと静が件のパン屋さんで買ってきたらしい。

 静に至ってはチョコ屋さんでも買っていたらしい。

 「おまたせー」

 「お待たせしました」

 まぁ今更だな。


 「ただ、せめて俺も呼んでほしかったな」

 「ごめん」「ごめんなさい」「ごめんねー」「すいません」

 まぁ興味が勝っちゃうのは仕方ない。

 それに、多分ここが、俺が帰ってくる場所なんだろうしな。


 「光司」

 「どうした?」

 「あと、セイコマに寄って行きたいのですが」

 ズコッとこけてしまった。思わず地面にダイブしそうなほどに。

 そんな真顔で言うことないだろうに。まぁ分かる。茨城に来たらセイコマだよな。


 「あ、セコマのアイス美味しいよね」

 「唯さんはセコマ派ですか」

 「セーコマのおにぎりも美味しいのよね」

 「夕飯食べられなくなるぞ?」

 「大丈夫です。フライドチキンも買っていきましょう。セイコマで」

 「だそうですよ光司さん」

 「分かった。寄って行こうか」

 「はい。セイコーマートは初めてです」


 その後、おにぎりを全種類、ガラナにハスカップのいろはすまで買っている。

 カツ丼と豚丼まで入れる静と星羅。

 ここまで来たら今更だな。俺は一個だけ残っていたジンギスカン弁当をかごに入れた。

 「まだ買うんなら……」

 「買います!」

 「これもこれも」

 寧々とユイがお菓子もカゴに入れた。普通セイコマでこんなカゴいっぱいにならないんだけどな。


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