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夢見るアイ  作者: 玉名 くじら
第二章

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番外編6 いちご狩りに行こう④


 佐野サービスエリアを出る。

 しばらくはカーブが多く、アップダウンのある道が続く。

 追い越し車線と登坂車線から猛スピードで抜いていく車の多いこと多いこと。

 栃木都賀ジャンクションから北関東道に入る。

 間違って栃木ICで降りそうになるのは俺だけじゃないはず。


 このまま真岡ICまで行くはずだったのだが、後ろで静が興奮気味に言った。

 「光司、次の壬生入ってください」

 「羽生、佐野ってきたからそうなるとは薄々思ってたよ」

 「では、寄りましょう」

 「でももう時間あんまりないぞ?」

 「大丈夫です。スケジュール的には問題ありません」

 そうなのか? 静が言い切るから多分大丈夫なんだろうけど。


 「で、なんだ? トイレか?」

 静だけさっき行ってなかったしな。

 「いや、まぁ、そうなんですけど、ここにはおっきなうさぎさんが」

 「光司、ここには、シルバニアファミリーのおっきいのが、飾ってあるのよ。寄ってあげたら?」

 なるほどな。ただ、壬生は駐車場少なくてなぁ。


 「任せなさい光司。今なら四ヶ所空いてるわ」

 ホントどうやって調べてるんですかね。というか、心を読まないでほしい。

 「顔を見たら分かるわよ」

 だからもう、そうやって……。


 と、いいつつも壬生パーキングエリアにやってきた。

 道の駅と併設の作りで、パーキングエリアよりは道の駅感のが強い。

 早速、静と星羅とユイがスマホ片手に目的の場所に行った。


 俺はどうすっかな。

 寧々がくいくいと袖を引っ張る。

 「少し見てまわりましょう」

 「そうだな」

 直売所やお土産コーナーを巡り、なんだかんだソフトクリームを買ってしまった。


 「美味しいですね」

 「そうだな。上手いな」

 寧々はドーナツを買った。ハムスターみたいに食べるなぁ。


 「一口どうですか?」

 「じゃあ俺のも食うか?」

 「……はいっ!」

 別にそんなタメて返さなくても。


 パラソル付きのテーブルで食べていると、静達が戻ってきた。

 「あっ、ずるーい! あーしも買う!」

 「というか、なんで買っておかないのよ」

 「そうですよ。あと、一口ください」

 「もう、コーンのところしかないんだが……」

 結局、ユイに続いてカルガモのように後をついていく星羅と静。


 「今日、食ってばっかだなぁ」

 「いいじゃないですか。たまには」

 「そうだな」

 その後、ソフトクリーム買ってくるのかと思いきや、串に刺さった卵焼きを買ってきた静。

 流石、予想の斜め上をいく女だよ。


 ユイはいちごのたくさん乗ったクレープを。星羅は制限時間ありのモンブランを買っていた。

 この後いちご狩り行くって言ったよな?

 まぁ、美味しそうに食ってるからいいか。

 俺のソフトクリームもいちご味だったしな。


 「コージ、一口あげるっしょ」

 「ありがとな。……。うん上手いな」

 「でしょー」

 「わ、わたしは……」

 「無理しなくていいから、食べたかったんだろ?」

 「う、うん」

 星羅のそれは一口食ったら無くなっちゃうからな。


 「光司、これを」

 袋ごと渡す静。中にはパックに入った卵焼きがいくつも。

 さっすが静さんだぜ。

 まさか卵焼きをこんなに買ってきているとは思わなかったよ。

 つい、興奮してしまったが、夕飯のおかずになるな。


 「ありがとな」

 「いえいえ」

 なぜ勝ち誇った顔をしているのかは分からないが、星羅はバツが悪そうだ。

 お土産コーナーで地元や那須のお菓子をたくさん買ってから車に乗り込んだ。

 もうトランクいっぱいだぞ?

 まぁ、まだ乗せれば入るけどさぁ。

 配るわけでもないのにこの量……。

 別に会社に持ってかなくてもいいよな。

 もし、持ってくとしたらうちのチームだけで……。


 「光司ー、何してんの? 行くわよー」

 考えてる途中で星羅に呼ばれたので、思考を打ち切って車に乗り込んだ。

 今回からは助手席に静が乗っていた。

 後ろは寧々、ユイ、星羅と乗っている。

 これだけ寄れば、流石にもうないだろう。


 パーキングエリアを出て東へ向かう。

 真岡ICで降りて、市内を通る。

 「昔、ここにリス園ありましたよね」

 「あったなー」

 よく知ってるな。

 大前神社の北側にあったな。

 そういえば、町田にもリス園あったな。あと土呂にも……。

 あとで教えてやるか。いや、既に知ってるのかも知れないな。


 静はスマホを見て「ふへへ」とだらしない顔してるしな。

 そのまま国道294号線を東に向かうと、目的のいちご園に着いた。


 長かった……。

 いつもの倍以上は掛かったんじゃないだろうか?

 車を停めて出ると、みんな伸びをしていた。

 それよりも、お腹の具合の方が気になるな。

 だが、四人とも食べる気満々だ。


 「おっしゃー、食うぞー!」

 「いちご狩りなんて初めてですね」

 「誰よりもたくさん食べるわよ」

 「お前ら食べ放題だからって、無理して食べるなよ? 美味しいとこでやめとけ?」

 「光司は心配性ね。大丈夫よ。元取れるくらいでやめとくから」

 「元って星羅お前……」

 「ちなみにこちらの料金設定では四十個食べれば元が取れます」

 この前テレビで見た時は一六〇個食べてる人いて凄いなって思ったんだよな。

 だから、四十個が少なく感じるけど、どうなんだろうか。


 「じゃー、よゆーだね」

 「そうね」

 「いやいや、そんな食べられないだろう」

 「光司さん」

 「どうした寧々?」

 「まずは、やってみましょう。ね?」

 「あっはい」

 こいつらなら本当に食べてしまいそうだな。

 若いって凄いわ。


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