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夢見るアイ  作者: 玉名 くじら
第二章

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34 お披露目をしよう


 入学が決まり、制服も届いたので試着する四人。

 「どうよ光司。あなたの大好きなJKよ」

 「そうだな」

 「あら、否定しないのね」

 「めんどくさいからな」

 「ちょっ!」

 実際否定しても絡んでくるから、ここは肯定してから下げるのだと学んだんだ。

俺とほぼ同じ性格してるから、扱い方は分かりやすいんだ。


 しかし、凄いな。

 こうして四人並ぶと現実とは思えない。

 まるでゲームのスチルのようだ。現実感がないほど綺麗だった。


 「これで、名実共に女子高生……」

 「ユイ」

 「な、なに? あ、見惚れてるんでしょー」

 「まぁ、そうなんだが」

 「っ!?」

 「改造するなよ?」

 「えー」

 「えー、じゃない。せっかく可愛くてカッコいいんだから」

 「わ、分かったわよ。暫くはこのままにするよ」

 どうしても改造したくなるのは本人のサガなのか、ギャルの宿命なのか……。


 「光司さん」

 「どうした?」

 「セーラー服じゃないですけど、これもかわいいですね」

 「寧々は何を着ても似合うな」

 「えへへ」

 「コージ!」「光司!」

 「な、なんだよ」

 「あーしらも何着てもかわいいっしょ?」

 「そうよ」

 「知ってるよ。今は寧々にだけ言ったわけで…て」

 「ふふん」

 やめろ寧々。普段やらないそういうことすると、敏感に反応するんだから。


 「まぁ、わたし達だけじゃなくて、光司も何着ても似合うけどね」

 「お、おう」

 言われ慣れてないから、突然言われると恥ずかしい。


 「光司」

 髪をかき上げ、モデルさんみたいなポーズをとる静。

 「あ、あー……いいんじゃないか?」

 「もっと褒めてくれても良くないですか?」

 まぁそうなんだけどさ。静と星羅はなんというか、女子高生には見えるんだが、大人びて見えてしまって、なんというか制服コスプレしてる女優さんっぽく見えてしまう。

 寧々さんにいたっては若妻っぽい。

 って、俺は何を考えてるんだ。


 まぁ、普通に女子高生に見えるのはユイだけだな。

 そう思って改めてユイを見る。

 ……なんかおかしい……。

 「なぁユイ」

 「どしたん?」

 再度、寧々、星羅、静と見比べる。


 「改造したな?」

 「にゃ、にゃんのことかにゃー」

 その誤魔化し方はどうなんだ。可愛いけどさ。

 「まず、軍服ワンピースみたいなデザインなのに、ユイのそれセパレートタイプになってるな」

 「……よく気づいたね」

 よく見ないと気づかないレベルの改造だ。俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。


 上手いこといじってるわ。

 言われなきゃ気づかんから、多分先生方も気づかないだろう。

 ただ、明らかに上着脱いで、ギャル風にする気満々だな。


 「あと、スカートの部分のスリットのところ、黒い生地だったのに、髪色と同じ色の柄になってるな」

 ユイはピンクのオーバーチェック柄。

 寧々はオレンジの紗綾型。

 星羅は黄緑の重ね竜胆。

 静は水色のバイアスチェック柄。


 「どう? かわいいっしょ。ここだけだから気分で変えられるし」

 「いやまぁ可愛いけどさ、それ校則違反じゃないのか?」

 多分、全部ユイがいじったんだな。そういうの得意なのはユイだけだしな。

 この前、裁縫道具のお店の大きな袋抱えて帰ってきたしな。


 「大丈夫ですよ光司。校則は全部解析しました。夏服冬服の衣替えくらいしか書いてありませんでした。流石、個性を重視する学校ですね」

 「だそうよ」

 だからってそんなにいじって……。リボンもそれぞれの髪色にしてるな。

 まぁ俺としては、可愛いし似合ってるから文句はない。


 「光司さん」

 寧々がずいっと俺に近づく。

 「可愛ければいいじゃないですか」

 「そうだな」

 つい頭を撫でてしまう。


 「えへへー」

 「あっずるい」

 「いつも寧々ばっかり。わたしもなでなさいよ」

 「そうですよ光司」

 そんなこと言われても、寧々の身長は、丁度手を置きやすい高さというか、自然と吸い寄せられるというか。


 というか、制服が届いたのって二、三日前だよな。

 「もしかして……」

 「うん。今日光司休みだから、お披露目したんだよー」

 なるほどな。その間に改造したんだな。

 よく見たら、カフスの部分や襟にスカートの長さとか。なんなら、フリルが付いてたり、リボン通してたりしている。

 入学前からこんなにいじっていいんだろうか?

 いくら我が家のファッションリーダーだからといっても、少しやりすぎじゃないか?

 まぁ、違和感ないのがおかしいんだけどさ。



 「さて、光司ぃー」

 急に空気が変わったな。

 星羅がニヤニヤしている。


 「どうした?」

 「あーし達が首席で入学したら、やってくれること覚えてるよね?」

 「な、なんだっけ?」

 「もう。光司さん。そうやってすぐはぐらかすんですからー」

 いや、覚えてないんだ。え、何か買ってあげるとかそういう話だっけ?


 後ろに二歩ほど下がったところで、何かにぶつかった。

 振り返ると、静が俺の後ろにいた。

 「あ、すまん」

 「いえ、いいのですよ」

 ニコニコとしているが、両手でぶら下げているものを見て俺は急に頭が冷える感覚がした。


 「なん……だ、それ?」

 「うさぎちゃんですよ」

 うさぎちゃんって、それバニーガールの衣装だろうが。


 「それが……どうか……したか?」

 「わたし達が首席で合格したら着るって言ったじゃない」

 「そんなこと言ったか?」

 「言いましたよー」

 「唯さんにサイズを確認してもらいましたからね」

 「えへへー」

 最近やたら抱きついてきていたのは、それが理由だったのか。

 よく抱きつくだけで、サイズ分かったな。


 「と、いうことで、今日から寝る時はこれを着てもらいます」

 「そこまで言ってないんだが?」

 「四人とも首席だもん。いいんじゃない? あ、もしかして違う衣装がいいのね? もー。そういうことは先に言いなさいよー」

 星羅がどんどん先に話を進めていく。


 確かに、そんなことを言った気がするが、まさか本気だとは思わなかった。

 気がつけば四人に囲まれ逃げ場を失ってしまう。


 「これで名実ともにうさぎさんですね。ふへへ」

 静が人に見せられない顔をしている。

 「もしあれならあーしも一緒に着てあげるっしょ」

 俺の腕を引くユイ。これは振りほどけない。

 「こ、光司さん。ウイッグとメイク道具もあります」

 マジか。そこまで用意されてるなんて……。

 「元の顔がいいから似合うわよ。ふふん」

 星羅が俺の顎を掴む。


 どうやって逃げ出そうか。

 「あ!」

 「「「「あ?」」」」

 「全くお前らは……。こんな素敵な格好してるのにわざわざ台無しにする必要ないだろう?」

 イケボでそれぞれ頭を撫でたり、顎クイをしたりする。

 これで満足するんじゃないかな?


 「光司さん……」

 「な、なにかなー?」

 「今はそういうのいいから」

 「あっはい」

 どうやら今回は逃げられないようだ。


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