32 学校へ行こう②
部屋に戻った四人は早速布団の上に輪になって座る。
「では第n回会議を始めます」
「もうn使うの早いって。今回で四回目じゃん」
「まぁいいじゃない。で、どこの学校行くかってことよね」
「ええ」
四人はスマホを取り出して調べ始める。
そして、数分のうちに結論づけた。
「わたし達の条件に合うのはここしかないわね」
「あたしもそう思います」
「あーしもここしかないって思うよ。まぁ制服改造できそうにないけど、可愛いし?」
「でもやるでしょ?」
「うん」
「では同時に発表しましょうか」
四人が同時にスマホを見せ合った。
「ふふ。流石はわたくし達ですね。意見が一致していますね」
「まぁ女子校じゃないけど、女子多めだから光司も納得するかもね」
「実際通うのに近いですし」
「英愛学園。結構偏差値高いけど、あーしら的には問題ないね」
「ですね」
「じゃあ、明日言ってみようか?」
「そうしましょう。今日は遅いですからね」
スマホをしまう四人。
「さて、今日の本題ですが」
「やっぱり、それ話し合うんだ」
「静固執しすぎよ」
「何を言っているんです? バニーの件はわたくし達が首席で受かれば自ずと達成されるのです。そちらではありませんよ」
「まぁそうだけどさー。じゃあ本題ってなに?」
てっきりさっきの件だと思っていたため、言葉を失う。
「わたくし達は思い違いをしていたのです」
「どういうこと?」
星羅が訝しげに問い返す。
「今回、正式に女子高生になるわけですが……」
「なんか不思議な感じよね」
「ええ。それで今までは子供扱いだったと思うのです」
「まぁそうね。娘扱いされてるもんね」
「はい。そこで、三年間女子高生をやるわけです。わたくし達の魅力をたっぷり見せつけることで、オカンと化してしまった光司くんを再び恋愛対象として見るよう矯正ができるのではないかと思うのです」
「なるほど。一理あるわね」
静と星羅二人で頷きあっているが、唯と寧々は懐疑的だ。そもそもそんな必要ないとすら思っている。
だが、僅かばかり納得もできるので、敢えて口は挟まずに黙って聞くに徹している。
「そして、三年後、卒業すれば名実ともに結婚できる年齢。つまり大人の女性へと昇華できるのです」
「おお!」「なるほど」
そこで、漸く唯と寧々が理解した。
つまり、光司の横に立つに相応しい女性になるために学校へ行くということに。
「そこまで考えていたなんて」
「わたくし、倒れてもタダじゃ起きませんから」
「やっぱりさっきの件引きずってるでしょ?」
「どうでしょう。ただ、バニーガールの衣装は用意しておかなくてはいけませんね」
「本音が漏れたわね」
「勿論です。……私は光司くんのうさぎさんが見たい」
感情を込めて言う静と呆れる三人。
「まぁ分かるけどさー」
「見たくありませんか?」
「そりゃあ勿論」「見たい」「見たいです……」
「であればやることは一つですね」
「怒られるよ?」
「その時は、みんなで怒られましょう」
寧々が珍しくまとめたのだった。
*
どこの学校がいいか分からなかった俺は、LINEで仲田さんに聞いたら『お酒飲みながらなら聞いてあげる』と返ってきた。
もちろん却下なので、既読スルーしたら、慌ててメッセージが届いた。
『ちょ、返事しなさいよ。で、何を聞きたいの?→』
『←どこの高校がいいか教えて欲しくて』
『じゃあ英愛学園なんてどう? 私立だけどそういうワケありの子とか多く受け入れてるし→』
『←あそこ偏差値高いだろう?』
『元AIなら余裕でしょ?→』
『←まぁ、そうだが……』
『帰国子女も多いから丁度いいんじゃない?→』
なるほど。確かにいいかもしれない。
その後いくつかやりとりをした。
ただ一つ問題は、学費と諸経費だな。
仲田さんが口利きしてくれるそうだ。
幸いなことにまだ試験前だという。
ただ、時期的に試験まで幾ばくもないらしい。まぁ、あいつらなら問題ないだろう。
しかし、この人公務員なのに結構手広く抱えてるな。
最後に飲み会の約束を取り付けられたが、まぁいいだろう。
さて、明日も仕事だからな。寝るとするか。
スマホをテーブルに置いて、カエルのぬいぐるみを抱いて目を閉じた。




