15 エレナおねーちゃん!?
そんな感じで和気藹々と食事をしていた。
星羅は少し移動し、ティノ、エレナ、操の近くへ行った。
そこには、他のクラスの巡と礼奈。それ以外にも各クラスの生徒がいた。
一番意外なのは、4組の担任である鷹宮美咲がいたことだろうか。
「これは一体何のグループなの?」
「え? えーっと……」
「あはは……」
操と巡が苦笑いしながら、目線をずらした。
何かあると星羅は睨んだが、敢えて追求はしなかった。
星羅はすぐ近くにいた唯の顔を見る。
ゆっくりと頷いた。
唯はこっそりと静、早矢、そして寧々へとメッセージを送った。
星羅は座って、お弁当を広げると、見知らぬ金髪の幼女が横に座っていた。
「あら、あなたどこから来たのー?」
「うゆ?」
「ちょ、アンジュ!」
真っ先に反応したのは、同じ髪色のエレナだった。
「エレナおねーちゃん!」
「「「「「「「「「「おねーちゃん!?」」」」」」」」」
しかし、この中で操だけが辺りをキョロキョロしていたのを星羅は見逃さなかった。
アンジュと呼ばれた幼女はエレナと話していた。
「ど、どうして来たのよ」
「エレナおねーちゃんがえんそくっていったから、アンジュもきたかったの」
「そ、そう。と、亨は?」
「あそこー」
アンジュが指差した方を見ると、一人の男性が丘の上の方で人を探すような仕草をしていた。
「ちょ、ちょっと行ってくるわね」
「えー。アンジュおひるたべたい!」
「仕方ないわね。わたしが見ててあげるから、エレナ行って説明して来てあげたら」
「いいの?」
「ええ。だってお腹すいてるんだもんね。ねー」
「ねー」
そう言って星羅はアンジュと呼ばれる幼女とお昼ご飯を食べ始めたのだが、エレナは急いで男の方へと走っていった。
そして、エレナの周りにいた人たちが一斉についていった。
亨のもとへ着くなり、エレナと亨と呼ばれた男性は何かを話し合い、その後ろでみんなが見守っていた。
先生も何人かが一緒になって眺めていた。
そしてそんな様子を星羅はご飯を食べながら眺めていた。
気がつけば、近くには、唯、静、早矢、寧々がいた。
「アンジュちゃんご飯美味しい?」
「おいしー」
「それは良かったわ」
星羅は目を細めて、その様子を見ていた。
静だけはなんとか粗相をしないよう必死に耐えていた。
その後、迎えに来た亨と呼ばれた男性とアンジュは手を振りながら去っていった。
「これはエレナさんにお話を聞く必要があるわね」
「ええ。それと、巡さん、操さん、礼奈さんですね」
「一番妙な動きをしていました。これは尋問が必要です」
「ええ。一度お家に呼んでお話を聞く必要がありますね」
静と寧々が嬉々として話し合っていた。
「唯さん。これは普通ですか?」
「んー、どうだろ。でも、面白そうじゃん?」
「ええ……、それだけでですか?」
「そうだよー。きっと役に立つことになると思うよー」
「そ、そうですね」
そんな感じでお昼ご飯も終わり、自由行動なのに、ほぼほぼ集団移動で美術館内を見学していた。
「おお! うさぎさん!」
「でも痩せすぎてるわね」
「やはりうさぎさんはもふもふでないと」
「なんでこっちを見るのよ」「なんでこっちを見た?」
静が優華と美琴を見る。
「別に他意はありません」
「どうかしらね」「絶対に含みがあるわよ」
そんな感じで話しながら彫刻を見ていった。
「あ、コージ!」「あら、光司」
「「「「「「「「え?」」」」」」」」
唯と星羅が興奮しながら指差しながら大声で言った。
そこには大の字で地面に突っ伏している彫刻があった。
「どこが?」「どうしてこれが?」「どこが光司さんなんだ?」
みんなが首を傾げていると、静と寧々が酷い理由を教えてくれた。
「休日の光司さんです」「残業続きで限界を迎えた光司くんですね」
「「「「「「「「「ひどい…………」」」」」」」」」」
早矢も他のクラスメイト同様の反応を示した。
しかし、これからそういった姿を見られるのかと思うと、心躍ったのだった。
そうして最後に、480枚のステンドグラスを使った彫刻の内部へと入った。
みんなが感嘆の声を漏らして見入っていた。
「素敵! いつかコージと来たいね。コージも喜んでくれるかなぁ……」
「ええ、こんなにも綺麗なんですもの、一緒に眺めたいですわねぇ……」
「まるで色とりどりの光が音楽を奏でているよう……光司さんと一緒に……うふふ……」
「これは魅了されてしまいますね。……一緒に見ることで、わたくしに魅了されて……」
「一つ一つにストーリーがあるんですね。ああいう風にうちも一つ一つ刻んでいけたら……」
五人だけでなく、他のみんなも見入っていた。
何組かの男女は思わず手を繋いでいた。
ため息が漏れるほど、みんなでしばらくそのまま眺めていたのだった。
その後は、室内の展示物を見学し、最後に大量のお土産を買ってバスに乗り込んだ。次の目的地へ向けて。




