↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢見るアイ  作者: 玉名 くじら
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

179/199

番外編71 お魚さんを見に行こう11


 最後はもちろんお土産コーナーだ。

 真っ先にぬいぐるみコーナーに行くのは流石だと思う。


 全員それぞれカゴを持ち、気に入ったものを入れていく。

 「星羅、そんなに買うのか?」

 「ええ。可愛いでしょ」

 少女の顔をしている星羅は、チンアナゴとニシキアナゴのぬいぐるみを買っていた。

 その大きさで7,200円なら、まぁ安いか?


 というか、星羅は何で抱きやすそうなのを買うんだろうな。

 星羅は、ふと足を止めて、上から一つ取った。

 その蛸足のぬいぐるみは必要なのだろうか?

 それ一個で、その二つより高いんだが、そんなにいいのだろうか?

 「ふふふふー」

 ぎゅっと抱きしめて、抱き心地を確認していた。


 ユイはというと、ピンクのエイを選んでいた。

 「なんでそれ選んだんだ?」

 「ピンクで可愛いから」

 ユイは本当にピンク好きだなぁ。

 まぁ、実際にこれ可愛いしな。選ぶのも納得ではある。


 「まぁ、確かに可愛いな」

 「ふふん。でしょー? しかもこれポケットもあるんだー」

 エイのお腹についているところに手を入れたり出したりしている。

 「へー、何入れるんだ」

 「んー、なんだろ」

 考えてないのか。まぁ、そんなもんだよな。何か大切なものでも見つかるといいな。

 あと、ポケット繋がりなのか分からないが、巣穴に入ったシロクマも選んでいた。


 早矢は、カワウソのぬいぐるみを選んでいた。

 「へー、早矢はカワウソか」

 「はい。静さんにいただいた子が可愛くて、集めたくなっちゃいました」

 「いいんじゃないか」

 ただ、カワウソも結構種類があって、箱に入ってるやつも選んでいた。

 早矢も好きなものが出来て良かったな。


 「早矢さん、あれは貸したものですよ?」

 静がそっと現れてそんなことを言った。

 「え、そうなんですか?」

 「でも、そんなにカワウソさんを買うのでしたら、あの子達は差し上げましょう」

 「え、本当ですか?」

 「ええ、断腸の思いですが」

 「そ、そうですか……」

 静が、ぬいぐるみをあげるとはなぁ。

 そんな静は、俺を一瞥すると、奥へと行ってしまった。


 寧々は意外なことにメンダコを選んでいた。

 最近の寧々の趣味が分からない。

 どちらかと言うと、星羅の趣味に寄せている気がする。

 だが、確かにこれは可愛いな。


 寧々が頭に乗っけて「えへへー」と言っている。

 「光司さん、これ可愛くないですか?」

 「ああ。可愛いな」

 「ですよね。あ、上のおっきいの、取ってもらってもいいですか?」

 「あ、ああ……。これも買うのか?」

 「はい!」

 車に乗るかな?

 先ほど当てた子ペンギンやイルカと同じサイズなんだが……。


 ラストは静だが、意外なことにペンギンしか選んでいなかった。

 「どうした、静」

 「何がです?」

 「いや、もっと選ぶのかと思ってな」

 「目移りしてしまって」

 キョロキョロと辺りを見回す。


 「それに、狙っていたのは皆さん買ってますから」

 「そうなんだ」

 「ええ」

 だからといって、お菓子をいっぱい選ぶんじゃない。

 というか、待て。なんだそのブラックカードは。

 何でみんな持っているんだ?

 店員さんが引いてるじゃないか。

 そのせいか、俺はカード出せなくて現金で買っちゃったよ。

 ポイントはよく貯まるんだこのカード……。

 でも、ノミサイズのプライドが邪魔をしてシルバーのカードは出せなかった。


 水族館を出ると、静と早矢が俺の手を引いて駆け出した。

 「ちょ、どうした」

 「先程、車に置きにいく時に見つけました」

 「ええ。これはみなさんも好きだと思いますよ」

 それに続いて、ユイ、寧々、星羅も駆け出す。


 「「「!?」」」

 まぁ、そんなに距離はないのだが、予想以上に早く走らされた。

 そして、そこにあったのは、二匹のイルカの石像だ。

 互いに見つめ合っていて、円になっている。


 「ここで、光司さんと写真撮りたいです!」

 早矢が真っ先に俺の手をとって言った。

 「俺でいいのか?」

 「当たり前ですよ」

 振り返ると、みんな頷いていた。

 どうやら、全員と二人きりで撮るらしい。


 ということで、早矢と二人でポーズを取る。

 「光司さん、こうやって手を……、そうです。これでハート型になりますね」

 恥ずかしいが、一度こういうのやってみたかったんだよな。

 俺が堂々と手をくっつけると、遠くまで聞こえそうなくらい『ボンッ!』という音がした。

 顔がかなり真っ赤になっている。


 「あー、ずるい! あーしの時もちゃんとやってよねー」

 「そうよ。やらなかったら踏み踏みするからね!」

 「まぁまぁ、光司さんは全員とするつもりでしているんですよー。ね、光司さん?」

 寧々が笑顔で刺すように言う。


 と、とととと……当然だろう?


 どうも、寧々にこう言われると、分かっていてもたじろんでしまうんだ。

 「ほら、後がつかえてますから、もっと熱くラブリーにお願いします」

 静が早矢のスマホを構えながら言っている。

 「そうだな。ほら、早矢」

 「ふぁ、ふゃい!」

 早矢のこんな表情を見れるのも良かったかな。

 その後、寧々、星羅、ユイと手をハート型にして撮っていった。


 「えへへー。やっぱり恋人の聖地では、必ずやらないといけませんね」

 「そうだな」

 「否定したり拒否しないのは、少し成長しましたねー」

 お母さんと言うより先生みたいな評価で言う。

 まぁ、俺もたまには期待に応えたいしな。

 それに俺も楽しい。


 「ふふん。本当はしたかったんだけど、今日はこれで勘弁してあげるわ」

 「イルカさんもキスできてないもんな」

 「これが鼻先くっついてたらしてくれる?」

 「…………考えとく」

 「じゃあ、探しておくわね」

 星羅は、本当に探してきそうで怖いな。

 ただ、みんなと誰が最初を奪うかで揉めて、出来なそうな気もするが、それは俺に課せられた宿題でもあるのかな。


 「ほーら、コージ、もっとくっつく!」

 「お、おう」

 「にししー。はい、いーよー」

 「どうしてユイが後の方にしたか分かったわ」

 「ええ。でもまぁ、制限は設けてませんでしたから」

 「あ、あたしも、そうすれば良かったです……」

 「うちも、もっとガンガンいくべきでした。はうぅ……」

 ユイは俺と半身抱き合ってハート型を作った。


 ユイはこういうとこ遠慮なくくるし、俺も躊躇わなくていい。

 なんか、仲のいい親娘って感じがするな。

 そんなことを考えていたら、なぜか不満そうな顔をした。

 「違うっしょコージ。親娘じゃなくて、恋人!」

 「お、おう」

 どうして考えていることを読まれるんだろうな。


 最後は静だ。

 「なぁ、本当にこのポーズでいいのか? 後悔しないか?」

 「そうですね。流石に奇抜すぎましたね」

 ということで、普通にハート型で撮影した。

 「ここでキスをしたら、わたくしはどんだけ叩かれますかね」

 「大丈夫だ。多分、責められるのは俺の方だ」

 「でしたら」

 「ダメです」

 いつの間にか、みんな目の前にいた。


 「ほら、スマホ」

 「はい……」

 「静っちは、目を離すと危ないから」

 「そんなに信用ありませんか?」

 「色々言った後に抜け駆けするしね。猫カフェとか」

 「あれは……」

 とまぁ、ワイワイいいながらいつもの日常が再開された。

 最後に全員で大きな亀の石像を撮ってから、車に乗り込んだ。


 「じゃあ、ご飯だな」

 「光司、予約済みですよ」

 「えっ!?」

 どうやら、メヒコを予約していたらしい。

 あの時、相談しあっていたのはこれだったのか。


 その後、メヒコへ行くと、入ってすぐに、みんなは右手にある水槽に目を奪われていた。

 さっきあんなに見たのにな。

 ただ、確かにここも熱帯魚とサンゴ礁が綺麗だ。それにモアイもある。


 俺はカニピラフとオイスターコキールを頼んだが、みんなは予想以上に色々頼んでいた。

 まぁいいか。

 俺も食べたかったしな。

 ただ、みんなメインレベルのを何個も頼むのはどうなんだ?


 「今度はフラミンゴのいるところにも行ってみたいですね」

 「サメがいるところもあるよね」

 「わたしはここも好きよ。海が一望できるもの」

 「また、来たいですね」

 「言えば、ちゃんと連れてきてやるよ」

 「今度は天気のいい日に来ましょう」

 「そうだねー。神社とか、商店街とか気になるのあるしね」

 「次に来る時はコキアの時ですかね」

 「分かった。予定に入れとくな」


 そうして、少し遅めだが、ありえない量の昼食を取り、那珂湊へ行って、魚を買い、家路へと向かった。

 帰りは、もちろん静が真ん中の席である。

 「どうして皆さん、寝ていないんですか?」 

 「毎回毎回、そんな疲れて寝ないわよ」

 「くっ……、光司くんを独占できると思ったのですが……」

 「まぁまぁ、いいじゃありませんか。折角ですから、今日のこと話しながら帰りましょう。ね?」

 寧々が隣で静を宥めると、深く座り直した静は、一回、短くため息をついた。

 「では、まず最後のペンギンさんですね」

 そこから、みんなであれこれ言いながら帰路についた。


 と、思ったのも束の間──

 「光司、友部と守谷には必ず寄ってくださいね」

 「そうね。今日は買い足りない気がするものね」

 「だよねー。守犬焼はマストだよね」

 「あんこう焼き食べたのにか?」

 「それはそれ、これはこれですよ」

 早矢も大分染まってきたなぁ。


 結局、家に着いたのはいつも通り十九時過ぎだった。

 帰ってから、俺は那珂湊で買った魚を捌いた。

 あの時間にビンチョウマグロの安くなっているのが残っていて良かったよ。

 あと、マグロも赤身と中トロもな。

 無かったら、非難されるのは俺だしな。

 それ以外の魚は食べた後に捌こう。時間かかるほどの量があるしな。

 一応、あさりだけは塩水に浸けておいた。

 そして、テーブルの上には大皿に盛られたマグロのお刺身だ。

 マグロの赤身、中トロ。ビンチョウマグロの中トロと大トロ。

 本当は、ブリとかタイとか一匹買っても良かったんだが、この時間だと……な。


 なぜか寧々、星羅、静が、ユイと早矢にわさびを大量につけるよう勧めていたが、二人ともスルーしていた。

 全く、家でも外でも賑やかだな。

 次はどこに行こうか、俺は早速そんなことを、マグロを頬張りながら考えていた。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。