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夢見るアイ  作者: 玉名 くじら
第三章

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番外編61 お魚さんを見に行こう1


 那須へ行った翌週。

 金曜日の夜ともなると、休日どうするのか話し合うことが習わしになっていた。


 先にお風呂に入っていた寧々と静は俺の対面で何やらタブレットを操作していた。

 そして、お風呂から上がったばかりの星羅が、キッチンへ向かう。


 「先週は動物を見に行ったんだから、今度は水族館に行くのはどうかしら?」

 星羅がいつも通り、お気に入りのナイトウェアを着て、冷蔵庫から飲むヨーグルトを取り出し、飲みながらそんなことを言ってきた。

 それにしても光沢好きだな。この時期だと暑くないんだろうか?


 「今週も遠出するのか?」

 星羅の方へ向き直り、聞き返した。

 「え、ダメなの?」

 「いや、まぁ……いいけど……」

 別に構わないっちゃ、構わないが……。


 「そのさ、友達とかと遊んだりしないのか?」

 「まぁ、今の所約束とかしてないし、毎日会ってるし」

 これは星羅だけのパターンもありそうだ。

 他のみんなに話を聞こうとしたところ──


 「光司、大洗に行きましょう」

 「いいですね。帰りにお魚も買って帰れますね」

 もう既に調べていたようだ。仕事が早いね。


 静と寧々がタブレットを覗き込みながら、決定事項だと告げた。

 もう、回るルートとか、近隣のグルメとかを調べているのだろう。


 「それに、まだあの車では出かけてませんからね」

 「そういえば、そうだったな」

 星羅が俺の横に座り、俺にも飲むヨーグルトをくれたので、飲みながら話を聞いていく。


 「別に水族館なら池袋にもあるが……」

 「わたしと静はよく行ってるから」

 「え?」

 聞くところによると、近隣の動物園や水族館なんかは、結構な頻度で行っているんだそうだ。

 俺を誘ってくれても……、仕事があるから無理か。


 「分かった。だが、日帰りな」

 「まぁ、仕方ありませんね」

 「そうですよ。日曜日は月に一回の町内会のお掃除がありますからね」

 そうなんだよな。先に予定が埋まっていたんだよな。


 「あれ、もしかしてもう行くとこの話してた?」

 ユイと早矢がお風呂から出てきて、話に加わった。

 今回は三人で入っていたらしい。

 温泉に行ってから、大勢で入るのが気に入ったらしい。

 といっても、最大で三人が限界だ。


 「今度はどこへ行くんですか?」

 ユイと早矢がソファに座ると、静が持っていたタブレットを見せた。

 星羅が立ち上がり、冷蔵庫から飲むヨーグルトを持ってきて、ユイと早矢に投げて渡した。

 「サンキュー」

 「わっ! ありがとうございます」

 そして、再度俺の横に座る星羅。


 「へぇ……いいじゃん。いこーよ」

 一口飲んで了承するユイ。


 「いいですね。…………それにしても、結構な頻度で出かけてますね」

 飲みきってから了承を示した早矢。


 ちなみにこの飲むヨーグルトは、星羅が毎週取っているものだ。

 うちの玄関前には現在三社の箱が置いてある。

 取りすぎて、飲みきれない時はこうしてみんなにあげていたりする。

 ちなみに、他の二つは寧々と静だ。

 二人の前には空の容器がいくつも置いてある。


 「まぁねぇ。いろいろ見たいものあるじゃない?」

 「そうですよね」

 「そうそう。直接、この目で見たいし?」

 「どうして最後だけ疑問形なんですか」

 早矢がクスクスとおかしそうに笑う。


 「では、準備しないといけませんね」

 「早矢、今回は日帰りだぞ」

 「あら。てっきりお出かけは毎回お泊まりかと」

 「本当ならそうしたいのですが……」

 静が苦虫を噛み潰したような顔をする。別に、そんな顔する必要ないだろう。


 「日曜日は町内会のお掃除が入ってるので」

 「あら」

 「別に全員参加する必要はないんだよ。俺だけ出ればいいし」

 「ダメです。あたしはちゃんと参加します」


 そう。寧々が町内会の会長になっているから、俺が出ないわけにはいかない。

 というか、寧々が町内会会長というのが意味不明なんだよな。

 どうしてそうなったのか、誰も教えてくれないし、なんなら他の町内会とも繋がっているし。

 さらにいうと、商店街の相談役までやっていると言うじゃないか。

 寧々は一体どこを目指しているんだろうな。


 おっと、話が逸れてしまった。

 そんな訳だから、明日は日帰りだ。

 まぁ、大洗も見るところや食べるところあるし、川を挟んだ向こうは那珂湊だしな。退屈はしない。


 …………あれ?

 さっき、普通にスルーしたけど、泊まりで出かけたのは先週の那須が初めてなんだが。

 もしかして、今後は一泊二日でお出かけになるのだろうか。

 さらに言えば、北海道から沖縄まで遠方地まで行くことになるのか。

 …………美味しいもの食えるならいいか。


 「まぁ、それでしたら仕方ありませんね」

 「そうなんだよねー」

 「大変よねー」

 「ええ。ですが、最近は最後にいろいろ貰えますから」

 そう。ユイも星羅も静もなんだかんだ参加するんだよな。

 「では、うちも参加しないといけませんね」

 早矢も参加する気満々だ。


 「助かりますー」

 手を合わせて朗らかに微笑んでいる。町内会のボス寧々。

 「では、明日も早いですから、早めに寝ましょうか」

 最近、うちでは俺に主導権はない。

 みんなは「はーい」と言って、片付けてから寝室に向かった。


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