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夢見るアイ  作者: 玉名 くじら
第三章

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番外編45 もふもふさんに会いに行こう3


 入って早速、静がイベントスケジュールを写真で撮っていた。

 もらったしおりに入ってるのにな。

 何回も復習するように呟いている。

 多分、それ無駄になりそうな気がするのは気のせいだろうか。


 「では……目の前にリスの森がありますが……すぐ横にはプレーリードッグがいますね……」

 多分こんなに真剣に悩んだのは初じゃないだろうか。

 首を左右にぶんぶん振っている。


 「じゃあ、多数決で決めたらどうだ?」

 「わたくしでは決められませんので、五人で決めてください」

 そして、俺を含めた五人で何回も首を振って、もう曲がらなくなった頃に決まった。

 みんな左側で止まっていたので、プレーリードッグを見てからリスの森に入るということになった。

 今日ずっとこんな感じだとかなり長くなるぞ?

 首が痛いが、かわいいには抗えない。


 「きゃー! もうなにあれぇ。すっごくかわいいっ!」

 星羅が最初に声をあげた。

 「わぁ! なにあれ。めっちゃハムハムしてるし、めっちゃ穴掘ってるー!」

 「葉っぱを器用に食べてますね」

 「どっしりと立ってるのがまたかわいいですね」

 プレーリードッグに関しては星羅が一番はまったようだ。


 「えー、なにー。お前ーそんなにこっちをみつめてー。うちの子になるー?」

 一匹のプレーリードッグが窓に近づいてくると、じーっと見つめていた。

 星羅の目がハートになっていた。


 そういえば、静が静かだな。

 辺りを見回すと、ずっとスマホを向けながら、器用に見ていた。

 よく画面も見ずにスマホを操作できるよな。

 少し目が血走ってる気もするが、きっと朝早かったからだろう。うん。きっとそうだ。

 

 「ふぅ……………………。では、次はリスさんに会いに行きましょう」

 二重のドアを開けて中に入ると森がそこにあった。飼育員さんがドアの前で案内していた。

 恐らく、リスが外に出ないように見ながら、施設内に異常がないか確認しているのだろう。


 しかし、どこにいるのだろうか。

 そんな感じで上を見ると、いた。

 木に隠れて枝の上に座っていた。

 あんな間近で見れるなんてすごいな。だが、それが序章に過ぎないと、俺は知らなかった。

 まぁ、すぐにわかるんだけどな。


 時計回りに回ると、餌の上にリスがいた。餌をハムハムしていた。こんな近いのに逃げないなんてな。

 しかし、目の前を堂々と横切る。鼻先当たる距離でじっとしているリス。

 目と目が合う。俺もリスも動けない。

 なんてことはなく、あっさりとどこかへ行ってしまった。

 俺はリスには興味を持たれてないらしい。


 しかし、いくらなんでも人を恐れなさすぎだろう。大丈夫なんだろうか。

 しかし、かわいいな。思わず見入ってしまう。

 そしてずっと見ていて、初めて知ったことがある。

 意外とリスの尻尾って密度薄いんだな。スカスカだ。メスシリンダー洗うブラシみたいだ。


 そういえば、みんなはどこに行ったんだ?

 リスに集中していて忘れていた。

 勝手に先に行くとは思わないが……。

 いた。リスとにらめっこしていた。

 肩に乗って、枝へと移っていくくらい自然と同化するほど、じっと見るのはどうなんだろうな。


 しかし、ホントに丸っこくてかわいいな。

 そして、ある程度満足したのだろう。

 星羅を寧々がひっぱり、静は早矢が連れて行き、ユイが俺の腕を掴んで引きずるように出口へ向かった。

 そして、再度プレーリードッグを堪能してから奥へと進んでいった。


 入って早々、動物を見失った。

 いや、いるらしいのだがどこにいるのか、分からない。

 何故か人だかりがある場所があった。

 その人達が奥へ行ったが、そこから見ても見当たらない。


 「あ、いたー」

 どうやらユイが最初に見つけたらしい。

 「え、どこ?」「どこですか?」

 星羅も寧々も上の方を見るが見当たらない。

 「ここだよ、ここ」

 ユイが指し示したのは、穴のようなオブジェのところだ。そこに黒い動物が三匹もぞもぞ動いていた。


 「ウッドチャックという動物らしいな」

 壁も泥で汚れているのでよく分からないが、そっとしておくのがいいだろう。

 「あれ、静と早矢は?」

 「さっきの集団と一緒に見て、先に奥に行ったわよ」

 自由だなぁ。


 奥へ行くと、早矢はアナホリフクロウを。静はホッキョクオオカミを見ていた。

 静は食い入るように見てるから、そっとしておいてやるか。

 こういう時に話しかけても返事は返ってこないしな。

 もう、完全にスイッチがオンになっている。当分切れないだろう。


 「早矢はフクロウが好きなのか?」

 「ええ。なんか癒されますよね」

 「分かる。かわいいよな」

 「光司、オオカミさんもかわいいですよ」

 襟を引っ張られたので、振り返り見るが、遠くに座っててよく分からないな。

 ただ、堂々としていて神々しいとは思うが、ここからだとワンちゃんって感じだな。

 近くに来てくれたらいいんだが、動く気はないようだ。

 『生意気だぞ小僧』と、まるで映画のように言われそうな気もする。


 その後、猫と犬と触れ合えるコーナーがあるとのことで、俺の腕を星羅が。背中を寧々が押す。

 そんな焦らなくても逃げないから。


 しかし、触れるというのはやはり、少しテンションをあげるものなんだろうな。

 犬はわりかし近づいてきてくれるけど、猫は寝てたり、柱の上にいたりで全然触れない。

 というのも、静があれこれ言うので触っていい猫がいないんだ。


 「丸まってこっちを見ているのは不安を感じているのでやめたほうがいいでしょう」

 「しっぽを振りまくってますねイライラしてるので今は様子見をするべきです」

 「ずっと上を見てますね。何か気になるようです。邪魔をしてはいけません」

 「あれは周囲に注意を払ってますね。大丈夫です。わたくしは怖くありません。……行ってしまいましたね」

 「少し前足をあげてますね。慎重になってますね」

 「この子は…………寝てますね。邪魔をしてはいけませんね」

 殆どダメじゃないか。


 「あ、この子はフレンドリーですね。…………え、触ってもいいのですか? …………ありがとうございます」

 そこへ行くまで十分以上かかっていた。

 ようやく触れたようで嬉しそうに眦を細めるが、他のみんなは、結構触ってるぞ。なんなら、お腹を上にしてるし。

 俺? 俺はというと、めっちゃ足にスリスリされて、静に睨まれているよ。

 

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