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黒の竜使い  作者:
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23/25

第二十一話

今回、長くなってしまったので二つに分けます。

次の日。

学校へ登校した私は、下駄箱の中に手紙が入ってるのを見て顔を顰めた。それを取り出し中身を見ると、とても綺麗な字でこう書いてあった。


『今日の放課後、屋上で待つ』


…何だこれ。首を傾げながら、それを鞄に仕舞った私は、放課後まですっかりとその存在を忘れていたのである。


気付いたのは帰ろうと下駄箱の靴を取ろうとした時。何か朝、下駄箱であったような気がするなーっと首を傾げていると、ふと手紙が頭に浮かぶ。この時点で、授業が終わってから一時間が経っていた。今日は騎士団に行く予定はないのでグルグル学校を回っていたんだよね。つまりだ。この手紙の持ち主は一時間、屋上で待っていた事になる。というか、まだ待っているかもしれない。サァッと顔から血が引いていくのを感じながら、急いで階段を駆け上がる。


勢い良く屋上の扉を開けた私が見たのは屋上のフェンスに凭れ座って寝ている男であった。男というか、ビリードだった。あれ?と思いながらも、ビリードにそっと近付く。どうやら寝ているようで起こすのも勿体無い。考えた私は、出された課題をする事にした。


で、始めた勉強なんだけど…全然、分からないと言う。もうね、基礎がなってないから全くわかんないわけ。よく、ここも受かったと思うんだ、自分で。


「…何やってんだ、お前」


その言葉に振り向くと、寝ていたビリードは起きたようで、眠そうな顔で私を見ていた。


「いや、すっかり手紙を貰ったのを忘れててね。気付いたのが三十分くらい前で。来たら君が寝てるじゃない。起こすのも勿体無いから課題やってた」

「…忘れてたのか」

「うん、ごめん」


軽く言った私を気にせず、ビリードは固まった体を解すため伸びをした。私も広げていた課題を直す。寮に帰って誰かに教えてもらおう。

そんなことを思っていると、ようやく目が覚めたビリードが言った。


「お前、シズカ・アスプロか?学校ではドラークだっけ?」

「そうだよ。で、どうしたのかな。ビリード・シュノー」

「呼び捨てかよ…」


いや、なんて呼べばいいか分からないからね。少し考えた私はシュノー君と呼ぶことにした。初対面から名前を呼ぶのはどうかと思うしね。心の中では、既に呼び捨てだったけども。


「シュノー君。私を呼び出したのは、何か用があるからなんじゃないの?」

「あぁ。お前、母上に会っただろう」

「お会いしたよ。話しやすい、とてもいい方だね」


そういうとシュノー君は溜息をついた。


「母上から聞いた。てか、怒られた。あなたはどれほど重大な事をしたか分かってるのかって」

「え。もう怒られたの?まだ、シュノー君が犯人だって言ってないんだけどなぁ。可能性はあるってだけで」

「…あれは俺じゃない」


私の言葉にシュノー君が顔を顰めて言う。その言葉に私は目を細めた。


「どうして、そういいきれるのかな。被害者が目撃したのは君の髪の色。この国で、そんな珍しい髪の色を持つのは君の家しかないよね」

「だから、その場には居たんだ。だけど、俺は突き飛ばしていない」

「…どういうこと?」


シュノー君の言葉に首を傾げる。


「だから、俺はその場に居合わせただけ。突き落としてもないし、突き落としたのも事故なんだよ」

「事故?事故なら、どうして逃げる必要があるの」


私の言葉にシュノー君の顔が曇った。ちょっと待って。シュノー君の言ってる事が本当だとするなら、私は誤解をしているかもしれない。


「俺にもよく分からないんだが…誰かが誰かを突き落とすのを見て、突き落とされたやつを見ようとした時、急に意識が遠のいた」


シュノー君が言っている事が本当なら、彼はなにも関係なかった事になる。顔を顰めながら、シュノー君に言った。


「私はその言葉を信じれるほど、君を知らないんだよね。君が嘘をついていないと分かる、確実な方法がある」

「…記憶を覗く事、か」


魔法の中には、もちろん相手の記憶を覗くなんて事ができる魔法もある。ただ、高度なうえに、自分の意思とリンクさせる必要があってかなりしんどい。だけど、記憶がありのまま見れるので、この方法が一番信頼できる。


「まぁするもしないも君次第。強制するわけじゃないからね。ところでシュノー君。どうして私がシズカ・アスプロだと分かったの?」

「母上が、学校にいるだろうって。探したら、お前が出てきた。それに城にも通ってる事が分かったからまず間違いないだろうって思ってな」


その話を聞いて、エリーさんに口止めするのを忘れてた事を思い出す。まぁ、別にいいんだけどね。


「何で城に行ってるってこと分かったの?つけた?」

「たまたま見たんだよ」


私が言った言葉にシュノー君は顔を歪ませながら城の近くに用事があって、その時に城の中へはいって行く私をみかけたのだと教えてくれた。


「まぁ隠してるわけじゃないからいいけど」

「そうなのか?てっきり隠してるんだと思ってた。髪の色も目の色も違うから、隠しているんだと思った」


別にそういうわけではないんだよ。ただ単にバレたら面倒なことになるから色を変えてるだけで。面倒なことにならないのであれば、色なんか変える必要ないしね。

ちなみに、騎士団にいる時の私は黒目黒髪である。外に出るときは青目黒髪。学校にいるときは赤眼金髪。色を変えるのはいいんだけど、たまに間違えそうになったり面倒なのが欠点。


シュノー君の言葉に返事を返そうと口を開いた所で、寮から大きな爆発音が聞こえた。

驚いた私はフェンスの隙間から寮を見る。空に煙が上がっているのが見えて、急いで寮へ向うため階段を駆け下りた。

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