第十九話
今回は短いです。
寮に入るとやけに賑やか。食堂を覗いてギョッとした。え、何この状況。
「あ、シズカさん」
驚き固まってる私に近寄って来たのは、シェア。そんなシェアに顔をしかめて言った。
「なに、これ」
「寮長達が考えた親睦会です」
「お見合いパーティーじゃなくて?」
そう言うと苦笑するシェア。そう。もう、明らかにお見合いパーティーとしか思えない状況になってる。
「初めはちゃんとした親睦会だったんですが…こう、だんだんと、こんな風に」
苦笑するシェア。私が顔を顰めていると、何故か視線を感じた。ので、そちらに目を向けると、ヒソヒソとこちらを見て話しておりました。…ん?私は嫌な予感がして目の前の男に視線を向けた。多分、今の私は引き攣った笑を浮かべているだろう。
「…シェア?君は、お見合いパーティーに参加してない、よね?」
「…」
黙ったまま笑顔でいるシェアを見てサァッと顔から血の気が引いていく。ちょいちょい!え、マジで?言い忘れていたんだけど、シェアって結構なイケメンなんだよね。キャーキャー言われるくらいには。
「ちょ、私を巻き込む気!?」
「すみません。俺の身がもたないんです」
シェアは申し訳なさそうに私の腕を掴んでそう言った。ちょ、見かけによらず力強い!鍛えてるのにビクともしないとか…意味わかんないんですけど!
「春翔とチュゼは!」
「チュゼはノリノリで春翔は質問攻めにあってます」
「何してんの!」
意味わかんないから!つーか、チュゼ!何しちゃってんの!無理無理と首を振るも、ズルズルと引きずられてチュゼと春翔、その他もろもろがいるテーブルに行き着いた。ちょぉおお!!女の子達がめっちゃ見てます!ガン見です!そんな中、チュゼが私に気づき、笑顔を見せた。
「おー!やっと帰ってきたか。シズカも加われ!」
「静香!」
春翔がパァっと顔を輝かせた。さ、更に女子の視線が強まった!私は引き攣った笑顔を浮かべる。
「いや、遠慮しとく。ほら、私が入ると男子の数が足りなくなるし」
「大丈夫大丈夫!一人入れるから!」
そういう問題じゃねぇえええええ!!!
取り敢えず私はこの場から逃げたいのである。なんせ女子の視線が凄いから!あれだ。絶対、シェアのせいだ。何あの子。シェア君と親しげだけど、的な会話が繰り広げられたんだ。もうヤダ。結局、チュゼのペースに乗せられて席に着いた私は、ひたすら存在感を薄めることにした。
「えーっと、シズカちゃん?でいいのかな」
「…あ、はい。シズカですが」
ボーッとしていたら、前の席の人に話しかけられた。えーっと…あれだ。数合わせでチュゼに入れられた人だ。
「あ、俺シーザっていうの。よろしく」
「はぁ。よろしくお願いします」
「えっと一年だよね?敬語じゃなくていいんだけど」
「あ、うん。えっと、何?」
何って言ったあとに気づいたんだけども、あれだ。お見合いパーティーなんだから女子に話しかけるのは普通か。不快にさせたかなと思いつつ、相手の様子を伺うと不快にはなっていなかった。困ってはいたけど。
「えーっと、いや、別に用はないんだけど。その、つまんないかなーって」
「つまんないというか、部屋に帰って寝たい」
そう言うとシーザは苦笑した。いや、部屋に行って書類とかも片付けたいし。普通に眠いし。てか、既に十時を回りましたが。
「就寝時間回ったけど、いいの?」
「今日は特別に許可してくれるんだって。その代わり、明日遅刻したり休んだりした場合、即説教&反省文だけど」
「うわぁ…早く起きれる自信がないから早く寝たい」
今、本気でそう思った。暫くシーザと話し、十一時を回ったことを確認する。シェア達に声をかけ、抜ける事にした。
「チュゼ。そろそろ抜ける」
「おー。じゃーな」
「うん。おやすみ。シーザさん、ありがとう」
皆に言った後にシーザにそう言った。多分、彼は私の話し相手になってくれるために始めに話しかけてくれたんだと思う。だからお礼を言って、部屋に戻った。ベッドにぼふんと倒れ込むと眠気が襲ってくる。うわぁ…最悪。これは、寝るしかない。風呂は朝入るとして、まず着替えないと。そう思ったんだけども、眠気のほうが勝って、私は意識を手放した。




