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黒の竜使い  作者:
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17/25

第十五話

気づけば約二ヶ月。


書いていない時間が長く、シズカとかの口調とかが変わってるかもしれません…


多めにみてください^^;


今回は、説明文が多いです。

寮長が決まり、スムーズに部屋割りが決められる。


寮は男子寮と女子寮で分かれており、食堂が共同で使うもので後は別々。基本的に、女子寮は男子禁制、男子寮は女子禁制だ。三年生の入寮者はおらず、二年と一年だけ。見事に三年生だけいない。


部屋割りの結果、私は一人部屋。女子が奇数でよかった。部屋で仕事とか出来るじゃん。男子は偶数だったな確か。部屋には必要最低限の家具は揃っている。ベッドは枕と布団つき。机に、ベッドの下に入るくらいの大きさの収納ボックス。主に服とかを入れる。木製だから汚れる心配なし。後の生活用品は各自がちょこちょこ足していく。まぁ必要だと思うものだけ。


私は服などを入れた鞄をベッドの上において、魔法で書類などが入った鞄を召還する。物を召還するのはあまり魔力を必要としないから、誰にでも出来る。生き物を召還するのは、ちょっと大変だけど。


一通り生活用品を確認してから、部屋を出た。とりあえず、寮内を練り歩いて頭の中に物の位置や、部屋の位置を叩き込む。春翔も男子寮に入っているので、男子寮は春翔に任せる。てか、男子寮まで把握するのは無理。お互い男女禁制だしねー。寮内の全てを完全に覚えたところで食堂へ行くと、皆、ご飯を食べていた。


ちなみに、食堂でご飯を食べる時間は決められてんだよね。朝は六時から八時。昼は十一時から一時。夜は六時から八時の間。キッチン自体はいつでも使えるんだけど、あまりにも食事の時間帯がバラバラ過ぎると、効率的に行かないということで、時間を絞ることにした。


時計を確認すると、既に七時を回っている。練り歩き始めたのが三時過ぎくらいだから、五時間は寮内をうろうろしていた事になる。…馬鹿だ。いくらなんでも夢中になりすぎだ。自分のバカヤロー!


「シズカ」


はぁと溜息をついていると、後ろから呼ばれて振り返る。そこには、夕食を持ったチュゼがいた。チュゼは首を傾げて食わないのか?と、聞いてきた。それに食べると答えて食堂内を見回した。


「あそこあそこ」


そう言ってチュゼが指さす方向を見る。そこに歩いていくと、トレーを持った生徒達が順番待ちをしていた。私も並び、夕食を受け取る。美味しそー。空いている近くの席に座ると、手を合わせる。あ、チュゼなら既にできた友達と一緒に食べてるよ。


「いただきます」


そう言ってご飯を食べ始めた私の前に、春翔が来たのは少ししてからだった。なんだかぐったりしてらっしゃるんだが。そんな春翔に首を傾げていると、疲れきった顔で話し始めた。


「女の子は怖いね」

「あぁ…囲まれたの」


春翔、見た目はいいからな。それに、珍しい黒髪黒目だし。そんな事を思いながらご飯を食べるのを再開する。春翔も私の前でご飯を食べ始める。周りの視線が気になるんですけど。私の表情に、春翔が気まずそうに目を逸らした。自分が視線を集めてると、分かっているらしい。春翔がブスッとしていう。


「静香、ズルい」

「私に言われても。私はもともと普通なの。目の色さえなければ」

「えー…まぁいいや。髪の色も変える必要あったの?」


何か不満そうに呟く春翔。が、なんか自分で納得した。よくわかんないけど、最後の言葉に頷く。


「珍しいっていえば珍しいから。めんどくさい」


私の言葉に苦笑した春翔は、今日あったことを話した。


…ゴメン春翔。今、脳裏に、目をキラキラさせ興奮しながら話す子供と、それを聞いてるお母さんの図が浮かんだ。まぁ、どちらがどちらか言うまでもないと思うけど。


春翔はこちらの世界にいる期間が短く、しかも、魔族の生活に慣れていたものだから、何処かに行くたびに当たりをを珍しそうに見回してたんだって。

…うん。やっぱ、子供みたいだなぁ。これで年上とか、信じられないんだけども。


「なにか、失礼な事考えてない?」

「考えてないよ」


春翔の言葉に、そう言って誤魔化す。変なとこで、感の鋭い人だなぁ。


夕食を食べ終えた私は自分の部屋に戻る前に、寮の管理人の所へ行き、届いていた手紙を受け取った。


寮生に宛てた手紙や、寮生から出す手紙は、全て寮の管理人の所へ集める。そして、管理人が手続きを済ませ、城へ持っていく。って感じになってる。


それほど手紙や配達物の数が多くないので、管理人は一人。それが、近所のおばちゃんであるセオさんことセオリー・ミスタさんである。初代管理人を頼んだ時は、快く受けてくれた良い人。


「はい、シズカちゃん。お手紙と荷物ね。ここにサインお願いね」

「はい。どうです、セオさん。慣れましたか?」


書類にサインしながらセオさんにそう聞いた。セオさんには特攻隊副隊長であることを話してある。というか、言う前に知ってた。セオさんは、私がコッチにきてなにもわからない時、助けてくれた一人でもある。


だから、副隊長になった時に既に報告しており、隠そうにも隠せないのだ。セオさんには、内緒にしていて欲しいと話しているし、頷いてくれたので、一番信頼できるセオさんに管理人を任せた。


「ええ。子供ができたみたいで嬉しいわ。魔族の子も、思っていたより礼儀正しくてビックリよー」


ニコニコしながらそう言うセオさんに、私も微笑んだ。セオさんにお礼を言って部屋に戻る。


手紙は団長から。最近の報告と、学校に所属している生徒の個人情報が書いてある書類を近々送るという報告。荷物は、元の家に置いてあったものを最小限に絞って持ってきた。ちなみに言うの忘れてたけど、各部屋に一つずつキッチンがある。まぁキッチンって言っても、コンロがあって流し台があって小さい冷蔵庫があるくらいだけど。


お気に入りのコップを棚に並べ、漸くする事がなくなって、床に腰を下ろし、ベットにもたれながらふうっと息を吐いた。


『シズカ』

「ん?え、いつのまにいたの」

『これの上に乗ってた』


声に驚いて勉強用ではなく共用の机の上を見ると、ハクがちょこんと座っていた。…マジで、いつからいたの。


どうやら、後で迎えに行くのを忘れてたみたい。で、暗くなって忘れてると悟ったハクが姿を消して寮に向かい、まだ私が取りに来ていない荷物の上に乗っていたのだそうだ。いやぁ…申し訳ない。


『シズカ、トマトは?』

「そこにある。なんか変わったことあった?」

『えっと、最近、魔物の活動が活発になってるのと、それに関して騎士団の団長と隊長達が話し合いをしてたよ』


トマトを手渡すと、それをむしゃむしゃ食べながらハクは言った。それに首を傾げる。


魔物とは、どちらかというと寒い時期に動きが活発になる。詳しくはわかんないんだけど、どうやら魔物は熱いものが苦手らしい。だから暑い夏は、涼しい水辺や魔国に潜んでるんだって。


そんな魔物が暑くなり始めるこの時期に動き出すとは珍しい。


「魔物って、夏が嫌いだったよね。なんかあったのかな」

『やっぱり、魔王の復活が影響してると僕は思うよ。爺さんによると、それだけじゃないらしいんだよねー』


んー…ラージがそう言ったのも気になる。それに、私だって魔王復活だけが原因じゃないと思ってるし。え、何でかって?そんなの勘に決まってるじゃん。


「とりあえず、ラージに詳しく話を聞いといて。何もなかったらそれでいいし」

『アイアイサー』


真面目に言った私に、ハクが気の抜けた返事をする。それに呆れながら、そっと溜息をついた。


次から次へと、問題が絶えないねぇ…


疲れ気味の私を慰めるかのように、ハクが机に置いてたに擦り寄ってきた。それを撫でながら、現実は思い描いていたより甘くないと再認識する。どうやら、まだゆっくりと学生生活を満喫する事は難しいみたい。

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