第十四話
気付いたら一ヶ月…^^;
今回は説明文多しです。
ある朝。
沢山の人がいる。それぞれ、これからの生活に期待や不安を顔に浮かばせている。
あの後、順調に集まった生徒達の人数は百五十人を超えた。教師もちゃんと集まって、ホッと溜息をついた。春翔の方も上手くいったようで、無事、当初の目標の二百人を超えた。
新しく揃えた制服にの胸には、魔族、人間関係なく光るエンブレム。差別意識をなくすために、皆で同じものを身に着けた。男子はズボン、女子はスカート。男女共にネクタイ。制服はどこでも一緒だそうで、ブレザータイプの制服に違和感を覚えるものは少なかった。
ちなみに、お金がなくて制服や教材などを買えない者は、そのお金を条件付で学校が負担した。その条件というのが、学校がない日に城で三時間、働くということ。その仕事は様々ある。その経験は未来へとつながるし、給料ももらえるし、その半分を学校に提供するだけで後は自分の好きにしていい。
その制度を考えたのは、春翔だった。
春翔は裕福な方ではなかったらしい。学校が終わった後は夜までバイト。遊んでる暇はなかったし、大変で辛かったりもしたけど、その給料で家の食費の足しにしたり、その殆どが学費に消えたけど、色々な経験が出来てよかったって言っていた。
貧乏な人達は、殆どが片親が病気にかかっていたり、働けない状態であったり、親がいなかったりする。そんな人達がきちんと世の中のことを学べるように、と、話し合った結果、お金を貸す、という方法でそういう人達を入学させた。
この学校の名は、魔法技術高等学校。あえて、魔族や人間という言葉を入れなかった。その必要がなかった。魔法は魔族を。技術は人間を表している。そんな学校に今日入学する二百人強の生徒達。その中には私も、春翔も含まれている。あ、ちなみに校長や理事長は、学校を回っている中で信頼できる人に任せました。いきなりの出世で舞い上がらないような人達を選んだし、まぁ大丈夫だと思うけど。
校長の話が終わり、入学テストで一番成績のよかった主席が呼ばれる。ちなみに、春翔も私も、きちんとテストを受けた。勿論、それに受からなければ入られない。私は普通に通過。春翔はぎりぎりだったみたい。
生徒の学年の割合は、三年が全員で五十人。二年が全員で百人。一年が全員で百人以上となった。春翔は二年。私は一年に入る。今が春でよかった。そんな事を思いながら、教室に移動。私は目立つ黒髪を魔法で金にし、黒目を赤にした。この国に一番多い色の組み合わせ。
そして名はシズカ・ドラーク。ドラークはオランダ語だったかな…?で、竜って言うらしい。勿論、圭兄情報です。アプロスの方法が白を少しひねった名なので、じゃあ次は竜にしようと思ったんだ。そんな私は、ごく普通の、興味があって入学した生徒になっている。先生達には春翔と一緒に正体を話したけど、普通の生徒と接する態度でいいと言ったら頷いてくれた。
で、今は教室に移動し、各自自由時間になっているのである。
「シズカ!」
そう言って近寄ってきたのはセア。どうやら、同じクラスになれたみたい。チュゼとセアは無事、この学校に合格できたみたいだ。今日の朝、少し緊張している二人を見かけて人知れず笑った。そして、チュゼとは残念ながらクラスは離れたみたいだけど、セアとは一緒みたいだ。
ほっとした表情で近付いてきたセアは私の容姿を見てびっくりしていた。
「ビックリしたわ。はじめ、誰だかわからなかった」
「学校では、正体を隠していくから。セア、秘密だよ?」
「えぇ、分かってるわ。チュゼには後で言っておくわ。同じクラスでよかったわね」
そう言って薄い緑の目を細めて笑った。セアは髪の毛と瞳が同じ色なのだ。とても綺麗。ちなみにチュゼは赤い髪に灰色の瞳。二人で話していると、前の席の男が話してくる。
「二人とも知り合い?俺、知り合いがいないんだよねー。仲良くしてくれたら嬉しいな」
そう言って笑う男にセアが笑顔で対応した。
「えぇよろしく。私はセアール・ポルターノ。セアって呼ばれてるわ」
「私はシズカ・ドラーク。よろしく」
「俺はモミュール・ウィバル。モルって呼ばれてる。セアとシズカでいいかな?」
モルの言葉に頷く。セアと三人で話していると、担任が入ってくる。ちなみに、担任はシャインさんでした。シャインさんはこの学校で働いてみませんか?というと、あっさりといいよと頷いてくれた。ので、引き抜いてきたのだが…まさか、自分の担任になろうとは。シャインさんも驚いているようで目を見開いてた。容姿が驚くほどに変わっているからだろうけど。そういえば、言うの忘れてた。とりあえず一年間よろしくお願いしますと軽く頭を下げておいた。
「はい、皆さん席についてください。入学おめでとうございます。このクラスの担任をするサーシャイン・オレビといいます。お互い、この学校で一年目ということで頑張りましょう。それでは、自己紹介タイムです」
そういうと、えーとブーイングが起こる。そのブーイングが収まる頃になって、自己紹介が始まった。なんというか、こういうことに慣れてないので物凄い緊張するのだが、いざ自分の番になると変に開き直った。
「シズカ・ドラーク。面白いことと、果物が好きです。得意なことは料理、好きなものは本。仲良くしてください」
普通に終われたよね…?そんな事を思いながら座ると、拍手が起こってほっとした。それから自己紹介は順調に進み、今日の授業は終わった。
これから生徒達の行動は二つに分かれる。帰宅する者と寮に向かう者。ちなみに私も寮生だ。って、私は寮に向かう前に、職員室に向かわなければならないんだけどね。
「失礼します」
そう言ってドアを開け、目的の人物を探す。
「シャイン先生」
「ん?あ、シズカさん。どうかしましたか?」
そう言って駆け寄ってくるシャインさんに用件を伝える。
「寮生のリストを、貰えますか?寮長を決めたいので」
「ちょっとまってね」
そう言って職員室の中へと消えていくシャインさん。寮を作ったらどうかと提案したのは、私だった。春翔が言うように、援助が必要な生徒がいるのであれば、住まいの援助も必要ではないのかと思った。それに、この学校の元々の目的が魔族と人間との交流であるから、丁度よかった。だから、寮にいるのは援助を必要としている生徒だけではない。貴族のお坊ちゃんや、家から学校が遠い生徒。色んな人がいる。
そんな寮のことは、殆どが私に任されている。まぁ私が言い出した事だし、当然だ。ただ、規則とかを決める事は私には無理なので、そこは春翔にやってもらったけど。
寮は校舎から少し歩いたところにある。白い壁で建てられていて入り口にはデカデカと"魔法技術寮"と書いてある。…ネーミングセンスはね、皆にあるってものじゃないんだよ。
寮の中に入った私は、思わず噴き出してしまいそうになった。
「なんで、遠足いく時みたいに列で並んでんの」
しかも座って。何でそんな状態になってるのか笑いを堪えながら誰かに聞こうと、キョロキョロしていると、列の中に見知った顔を見つけた。
「チュゼ。何この状態」
「お?…おぉシズカ!一瞬誰かわかんなかったわ」
そう言ってチュゼは笑って話し出した。
「何か、皆、どうしていいかわかんなくて寮の前で固まってたら、固まってても仕方ねーからって言ってとりあえず中に入って並んでおこうってなった」
「誰が纏めてたの?」
「んーっと…あそこにいる、髪の長い青髪の女と赤髪の男がいるだろ?あの二人だ」
「ふーん…ありがとう」
チュゼにお礼をいい、その二人に近付いていく。そこで気付いた。男のほうが、魔族だ。そんな事を思いながら二人に声をかけると、同時に振り向いた二人。
「なんだ」
「なにかな?」
そう聞いてきた二人に寮生のリストを隠しながら言った。
「お二人のお名前を聞いてもいいですか?」
にこやかに言うと不思議そうな顔をしながら二人は名乗った。
「エリエル・ビジョンだ」
「ロゼーロ・ビスタだよ」
女の方がエリエルさんで、男の方がロゼーロさんか。そんな二人ににこやかに笑いながら告げた。
「お二人は今日から寮長です。頑張ってください」
そう言った。オモロ。ポカンとしてらっしゃる。一番に我に帰ったのはエリエルさんだった。顔を顰めて聞いてきた。
「何故、君がそのことを知っている。それは、教員が決めることではないのか?」
「はい。先生の伝言です。聞いてもらってもかまわないですよ。言われることは同じだと思いますけど」
なんせ、今私が、そのことを春翔に伝えたから。春翔は今、職員室におり、私から誰が寮長になったかということを職員達に伝えている。テレパシーみたいなもので、春翔が使えるらしいので私がそのことを強く意識すれば春翔がそれを感じ取ってくれるんだって。便利ー。
笑顔のまま言った私に、エリエルさんは顔を顰めたまま消えた。多分、職員室に飛んだんだろーなー。そんな事を思いながらもう一人の寮長を見る。固まったままのロゼーロさんは、エリエルさんがいなくなったのに気付いたようで、私を凝視した。
「…俺、魔族だぞ?」
「それも承知で決めたんじゃないですか?」
そういうと、ロゼーロさんは混乱しているみたいで、しつこく聞いてきた。イラっとし始めた頃、エリエルさんが無表情で戻って来た。そんなエリエルさんに、笑っていった。
「本当だったでしょう?」
「…あぁ」
頷いたエリエルさんも、いきなりの事で混乱しているのか、動作がぎこちない。そんな二人を見ながら、頑張れと心の中で言った。
取り敢えず、寮長決定。
寮などの設定は全て私が勝手に考えました。
ので、それが本当かどうかはちょっと分かりません…
変な部分があっても、どうか、スルーしてください(ノд-。)




