第十話
ユーザーネームを変えましたー
これで安定すると思いますので、今後もよろしくお願いします。
前回から二ヶ月後と、話が飛んでます。
あ、面倒だったわけじゃないですよ?
決して、めんどうだったわけではありません!笑
それではどうぞ。
あの日から二ヶ月。
今の隊にも慣れ、異例の速さで副隊長の座まで上り詰めてしまった。基本、しきっているのはウィルさんなので、私が何かすることは少ない。それと、やっぱりハクのことはバレてしまった。だけど、なんでだか私なら乗れても違和感ないらしく、今ではハクも一緒に城に来てます。
「副隊長!おはようございますっ!」
「おはよー」
どうやら、特攻隊の人は私が副隊長でも文句はないらしく、きちんと挨拶などをしてくれるのだが…それでいいのかと思うのは私だけか?というか、普通にありえないでしょ。二ヶ月で新人から副隊長って。そうウィルさんに言ったら、別にいいじゃないかと軽く受け流された。
「…これでいいんでしょうか」
「いいんじゃねぇか。それだけ実力が認められたんだろ」
そう言ったのはシーザさん。二ヶ月前と変わらず、無駄な筋肉の見せ合いを座りながら眺める。この隊は実力重視。なので、新人でも、勝てば上。負ければ下。騎士団の中で一番わかりやすい隊なのだ。そりゃぁ、新人でしかも女でなめられるより副隊長って座があるだけで楽になったんだけど…それでも、納得できない。
「複雑です」
「だろうな。おいシズカ。あいつらになんか言ってやれ。スゲェ期待してる」
「…特別コース十周してきてください」
「あざーっす!」
特別コース十周を命じると、笑顔で礼を言われた。それにはぁっと溜息を付きながら、マッチョの大群を見送った。本当に、これでいいのか。特攻隊諸君よ。
「シーザさんもですよ」
「てめぇ鬼か。つーか、早く報告に行けよ」
そう言ってシーザさんは動こうとしない。いつものことだ。行きますよと言って立ち上がる。隊長が不在時に何かをしたときは、報告しないといけない。面倒な。大体、隊長達が不在の時は、書類の仕事か呼び出し。とりあえず、隊長の仕事部屋に行けばいるんだよね。
そんな事を思いながら、ウィルさんの部屋のドアをノックする。
「誰だ」
「特攻隊副隊長、シズカ・アプロスです」
「入れ」
そう言われてはいる。
実は、苗字がつきました。元々榎本だったんだけど、こっちの世界では珍しいし発音しにくいしでなにかと面倒だったのだ。ということで圭兄と相談して、新しい苗字を考えてみた。アプロスは、ギリシア語の白の並び方を変えただけ。勿論、私がギリシア語なんて知るはずないから、圭兄に教えてもらったんだよ。さすが圭兄。ギリシア語まで分かるなんて。兄さんとは大違い。
今後は、アプロスと名乗る事にした。
ウィルさんの部屋に入った私は、部屋の中の状況に目を見開いた。隊長達が集まっている上に、団長までいる。
「報告しに来ただけなんで、後に回しましょうか?」
「いや、丁度シズカを呼ぶ予定だったからいい。まず報告をしてくれ」
真剣に話し合いをしている隊長達を見て、私はそう言った。けど、ウィルさんにそう言われたので、頷いて報告を開始する。勿論、直立不動。騎士の基本なんだって。おかげで猫背が治ったんだよ。猫背で歩いてたらすぐに物が飛んでくるからね。死ぬかと思った。っと、報告だ。
「はい。隊長不在時に、自主練を命じていましたが、物足りなかったようなので特別コース十周を追加しました」
「…お前、容赦ないな」
そう言われ苦笑する。特別コースは普段のコースの五倍の難しさ。それでも、笑顔でお礼を言われたので私は軽く引いたんだよ。ウィルさんの言葉を流して、聞いた。
「それで、私に何か用ですか?」
そう言うと、ウィルさんに座るよう言われる。サニエさんの横に座る。というか、ここにしか空いてなかったからね。それで、ウィルさんが話し始めたその話に、私は目を見開いた。
「魔王が誕生した?」
「ああ。だけど、あっちに敵意はないみたいで、戦争はしないつもりらしい」
「信用できませんね」
私の言葉に頷くウィルさん。ウィルさんの話では、魔王が誕生し、魔国から手紙が来たそうだ。こちらには敵意がない。少し話がしたい。と。当然、信用はできない。実はここ最近、ハクがソワソワしていたので、何かあるとは思っていたんだけど…まさか、魔王が誕生してるなんて思いもしなかった。
「それで私を呼んだということは、私が行けばいいってことですよね?」
「ああ。それで、付き添う奴を決めてたところなんだ」
「あぁ私が行くことはもう決まってたんですね」
そう言うと、笑顔を向けられた。ウィルさんなかなかやる。どうやら、私が行く事は初めから決まってたみたい。私を無視して話を進める隊長達。私のことはガン無視か。んー…まぁいいや。そんな事を思っていると、一人の男が入ってきた。
「あれ?今日はそっち?」
「ブラブラしてきたから」
そう言ったのは、人間の姿をしたハク。最近ハクは街をブラブラするのにハマっているらしいのです。で、竜の姿じゃ食べ歩きもできないから、人間の姿になるんだって。人間の姿になったハクは、金髪に赤い目。で、イケメン。ホント、この世界って美形率が高いと思うんだけど。
ハクはすぐに元のミニサイズの竜に戻った。
「で、何食べてきたの。今日は」
『トマトのサンドイッチとドライトマト』
「でた。またトマト」
『いいじゃん。好きなんだし。ねぇねぇシズカ。魔王が復活したっぽいね』
そういうハクに頷く。どうやらハクは、隊長達の様子を理解したらしい。ハクはふよふよと浮いて、私の頭に座った。そのまま寝息が聞こえてきたので、疲れたのかなと思ってそっとしておくことにした。
それから暫くして、一緒に行く人が決まった。一人はシャラさん。隊長の中で竜を操れるのはシャラさんだけという事で、シャラさんがついてくるのはほぼ決定していたらしい。もう一人はヒューレさん。ヒューレさんは、隊長の中で一番、周りの変化に敏感なんだそうだ。だから、あちらが変な行動すればすぐわかるし、ちょうどいいんだって。
私は二人に頭を下げた。あ、ハクが落ない程度の角度で。
「よろしくお願いします」
「よろしくね、シズカちゃん」
「…よろしく」
私と同じく頭を下げた。それから、ウィルさんに行ってこいという言葉をもらって一時帰宅。色々用意してから、再び城に集まる事となった。用意をしていると、頭の上でもそもそっとハクが動く。ハクが頭の上に乗ってるおかげで、遠回りである裏路地を使わなきゃいけなかった。見られたらびっくりされるしね。
ハクは頭の上に起き上がって机の上に降り立った。
『シズカ』
「ん?」
『白露を持っていってね』
「うん。持ってくよ。あ、トマトは行く途中で買うね」
そう言うと、頷くハク。どうしたんだろう。いっつもトマトの事になるとテンションが上がるのに。その様子に首を傾げていると、ハクが珍しく真面目な顔をした。
「…どうしたの?」
『魔王には、気をつけてね。どんな奴か知らないけど、物凄く強いよ。ここまで気配がはっきり伝わってくるのは初めてだね』
「…うん。分かった。じゃあ、色変換機もつけてくかな」
『その方がいいよ。シャラさんとシューレさんには事情だけ説明してて』
「了解」
ハクが真剣に言うので、素直に頷いておいた。色変換機を付け目の色が変わったのを確認して、ハクを頭に乗せて家を出た。もちろん通るのは裏路地。人の少ない薄暗い裏路地を通って城に行く。通行許可書を門番に見せると、敬礼された。…瞳の事は何も言われなかったんだけど。大丈夫かな。
「ヒューレさん、シャラさん。遅くて申し訳ありません」
「大丈夫だよ。まだ集合十分前だし、僕達は寮だからね」
「十分前行動は当たり前なので。少しだけお話いいでしょうか」
そう言うと、二人共頷いた。それからハクが言ったことをまとめて短くして話した。二人は真剣な顔をして聞いていた。
「というわけです。ハクが言うので、警戒しておいて損はないと思います」
「分かったよ。ありがとうハク君」
『うん。気をつけて』
癒し系同士が戯れているのをほのぼのとしながら見ていると、ヒューレさんが私の肩を叩いた。ハクをシャラさんの肩に乗せて振り向いた。そこには、いつもどおりの格好のヒューレさんが、お菓子を持って立っていた。
「…あげる」
「ありがとうございます。開けてもいいですか?」
きちんと許可を得てから袋詰めされたお菓子を開ける。その中にはチョコクッキーが入ってた。この世界でも、クッキーはあるみたい。好物を手に入れた私は、笑顔でヒューレさんにお礼を言う。
「ありがとうございます」
「…どういたしまして」
何故か、私の頭を撫でながらヒューレさんは少し微笑んでそう言った。それから暫くして、シャラさんの竜がいるところへ移動してハクが元の姿に戻った。なんだか、楽しそうだな。さっきまで真剣だったくせに。
そんな事を思いながらハクの上に乗る。あぁ、通常の竜には手綱が付いてるんだよ。じゃないと、飛行中に振り落とされちゃうからね。だけど、私はハクには付けてない。ハクは純血だからそんな事をしなくても安全飛行が可能なんだって。本当に便利だねぇ純血って。そんな事を思いながら浮上するハクの上にしゃがむ。
さぁ。いったいどんな奴が待ってるんだろう。楽しそうなのはハクだけじゃないかもしれない。そんな事を思いながら、ニヤリと笑った。
次回、魔王と対面。
今月中に更新できたらなぁっと思ってます。
出来るか分からないですけど…(´Д`;)
それでは、また。




