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四神戦隊レイジュウジャー  作者: 沢木佑麗/雲月
第六章 地底都市セラドン編
81/103

『氷地獄(コキュートス)』

 下へと下る、急ならせん階段を進むにつれ、彼らは何やら陰惨な雰囲気を感じていた。その場の濃い灰色の闇のせいではない。明らかに、命がその持ち主の意志に反して奪われる不正義がもたらす、ねじれ切った雰囲気だった。

《うぬ! 彼奴め、やりおったな?! この冥府で好き勝手なことを…!》

 タロースが地鳴りが起こりそうなほどの感情の高ぶりでつぶやいた。それがなんのことかは、他の者たちにもすぐに判明した。

らせん階段を降り切った空間は、忽然と広く、城内の地下とは思えなかった。その証拠の一つに、河岸のようなものがあり、氷の欠片を浮かべてゆっくりと流れていたのである。

 そしてその正面に意外と粗末な門があり、周囲に残虐に殺されたラミア族の死骸と、大きな盛り土のようになっている石くれや粘土のようなものが点々としていた。門は無防備に開いたままであった。

《おい、おっさんよう、お前の部下たち、ちっと弱すぎね? 相手は一人だろ? やられすぎだぜ》

 大牙の物怖じしない指摘に、タロースは寛容に、いや、真摯に頷き、ぎゅっと精悍な闇色の顔をひきしめて言った。

《我らの同胞であり、強力な戦士たちである巨神(ギガース)たちをここまで見事に撃退するとは……》

 すると、だいぶファンタジー熱から覚めてきたらしい龍児が言った。

《そこにある土盛りみたいなものが巨神の死骸なんですね? 僕たちが追う者は、巨神の弱点を知っていたのではないでしょうか?》

 この指摘に、なぜかタロースは眉間に警戒のしわを寄せて、さっと龍児を見返った。

《どうしてそのことを?》

 龍児は、『奈落』の支配者を相変わらず感嘆の眼差しで見ながら、率直に応えた。

《僕たちの国にも似たような言い伝えがあるからですよ。ギガース族は『大地』から生まれた巨人族であるがために、いくら傷つこうとも、大地に足をつけていればたちどころに傷を癒すことができるという伝承です。僕たちの国の巨人族の在り方とは若干違っていますが、神々に戦いを挑める力を持つ種族を完膚なきまでに倒すには、弱点をつくしか考えられません》

 タロースは低く唸ると、ラミア族の死骸と土山の間を縫っていきながら応えた。

《確かにその通りだ、人間よ。ギガース族は大地に足をつけていれば不死身なのだ。だが、その足が地面から離れれば、こうして土くれのような有様になってしまう。この弱点を知るのは、母なる大地とそこから生まれた原初の存在だけである。なぜあのものはこのことに考え至ったのか……》

《そりゃあ、何百年も冥府に閉じ込められている間に、逃げおおせた心臓がいかに冥府から肉体を取り戻し、いかにして地下の奥底に秘められた宝を得るか、探し、考え、推測しておったに決まっておる》

 とウィラーディヌスも相手が誰であろうとお構いなしに言った。むしろ、この冥府を支える二柱の不用心さを批判さえしているような口調である。

《シャッテンのずる賢さは天下一品だ。お前さんたちにはシャッテンも森林エルフも人間もドワーフも同じに見えるのだろうが、奴どもの悪知恵は冥府の自省の懲罰くらいでなおるものではない。むしろ、同族の追手から逃れるのに都合がよいとばかりに冥府の一圏に肉体だけを落とし込み、心臓に自らの意識を埋め込んで再起の時を待っておったのだ。情けないのは追い詰め、始末をつけられなかったエルフや常識を持ったシャッテンの連中も同じだがね。そういうわけだから、魔道士としてずぬけていた奴が、冥府の仕組みや住人について知識を得ることは当然至極のことだ。この門の先には、これまでの冥府とは段違いに厳しく過酷な空間があることはわしの推測であるが、しかしながら、奴がそこで足止めを完全に食らうかと言えば、それは否だ。早く前進することにこしたことはない。ほれ、さっさと案内せんか》

 相手は冥府の王ともいえる存在なのだが、博士は全く頓着していないようだった。

 タロースは漆黒の全身でため息のようなものをつくと、言った。

《冥府の最下層にまで生者がたどり着くことはほぼあり得ないことだ。だがそなたらには完全に自立したものを心に持つものと見た。確かに我らの落ち度は認めよう。そして我らはそなたらのたぐいまれな素質に頼らねばならない。なぜなら、この先の空間では、我は実体を持つことはできぬ。唯一、最下層である『第四の円』にある琥珀の玉座でしかこの姿になることができぬし、助力もできぬ。我が妹も同様に、あの城から出ることはかなわぬ。なぜなら、我らは冥府そのものであり、不動の存在だからだ。しかし、そなたらのためにガイドはできる》

 タロースは門をくぐるやいなや、ぱっとはじけ飛ぶように姿を消し、代わりに線香花火のようなちらちらとした灯りが彼らの前に浮かび上がったのである。それは、一行についてこいとばかりにくるくると回り、彼らを門の向こうへと誘った。

《行くしかねえな》

 大牙が率先して門をくぐると、すぐにぶるっと震えて続けた。

《すっげー寒いんだけど、ここ!》

 かなり急な勾配をした通路が続き、ところどころで人の脚では登り切れないような段差があった。それらをレイジュウジャーたちやベアルが助けて短躯のドワーフたちを下段に下ろした。

 どれだけ下ったかわからなくなったところで、小さな灯りがぴたりと止まった。後に従っていた命ある者たちの吐く息がもうもうと白く煙のように立ち込めるが、それはすぐに凍てついて掻き消え、純粋な闇色の中に凍り付いた風が光を吹き消すように彼らを突き抜けた。

 見れば、彼らは河岸に立っていた。しかし、それを河というにはあまりに不気味すぎた。

 闇色の河の水は完全に凍り付いて、そこに頭や上半身を突き出して氷漬けになっている数えきれないほどの亡者たちがいたのである。

 龍児が唖然として呟いた。

《…『地獄の最下層…氷地獄(コキュートス)…裏切りの大罪を犯したものが送られる苛烈な氷地獄…』…本当にこの目で見ているなんて…信じられない》

《信じるものは、この目で見ているものよ、リュウ。ちょっと気味が悪いけど、先に進まないと…》

 と朱音が溢れるほどの好奇心で忘我しているような仲間をせっつくように言った時、その凍り付いた水面に変化が起きた。

《むうっ、こいつぁ、やばそうだぜ、岸に戻ろう!》

 ディミトリの警告は間一髪だった。彼らが元居た河岸の、しっかりとした地面に戻るのとほぼ同時に、硬く凍っていた川面に亀裂が入り、すさまじい音を立てて破壊されたのである。そして、そこに氷漬けにされていたものたちが揺れる冷たい水面をもがくようにして岸に近づいてきた。

《ここは亡者の世界、ロアが使役する材料には困らん。たとえ冥府の王がいようと、今のロアは『復讐者』たちの精気で満ち満ちている。だからこのような大技が使えたのだ》

 博士も一応すりこぎのような棒っきれを握りしめ、身構えながら言った。

《ゾンビなんかは怖くないわ。でも、これじゃ河を渡れなくなったわよ》

 と朱音が亡者らしいのろのろとした動きで地面に這い上がってくるのを睨みつけながら言うと、龍児が「やっぱり!」と慨嘆の一声を上げたので、皆は彼を振り返った。

《なんだよ、どうしたんだよ》

 大牙が尋ねると、龍児はやや青ざめた顔いろになって応えた。

《……霊獣チェンジャーが反応しない……》

 レイジュウジャーたちがそれぞれ困惑に陥っている間にも、悪しき死霊使いに操られた無数の亡者たちが一行に近づいてきていた。

 いつもの活発なところを失い、真っ先に敵陣へと突っ込んでいく大牙までもが立ち尽くしている様子に、ディミトリが喝を入れるように言った。

《おい、若いの! こんなもんで面食らってる場合じゃないだろうが?!》

 と尻を叩くように言葉を投げつけたディミトリが、突然「わっ」とばかりに飛びのいた。見れば、足元に追いすがるように手を伸ばしてきていたものたちの顔が、全てあの宮殿の大きなベッドの中でしおれ、死に瀕しているペトロイオスの顔になり、ディミトリを河の中に引きずり込もうとにじり寄っていたのである。

《なんじゃこりゃあ?! 全部叔父貴の顔に見えるんだが?! 叔父貴は死んだのか? どっちにしても、さすがに血縁に刃はむけにくいぞ》

 すると、ベアルが冷静な物腰で短い錫杖を握りしめて警戒しながら、言った。

《ここは冥府の最下層の第一の円『カイーナ』。肉親を裏切ったものが堕とされる氷地獄だ。おそらく、皆さんの目にはそれぞれの心にかかるものと関連付けられてこの場が見えているのだと思われる。いずれにしても、操られた亡者たちを正常に戻し、この嘆きの河をくだり、さらなる深奥へと向かわねばならない》

《若者たちにいつもの活気が見られん、どうしたことだ? 仕方あるまい、ノルディス、『世界樹の欠片』で…》

 ウィラーディヌスがどこか気がかかるように言いかけた時、全く突然に、星一つない暗黒の空から、煌々と清冽に、そしてなんという気高さで、二筋の半円形を描いた光線が亡者がうごめく地面に奔ったのである。

「…タケル?!」

 それは龍児の呟きだった。

 すぱっと二筋のエネルギー波が冥府の大地を切り裂き、周囲の亡者どもを吹き飛ばすのを、龍児はくらくらとするような心地で眺めていた。

「…オーバードライブ・パイフー・からすきぼし・ジェイドパニッシュメント……」

 今にも倒れこんでしまいそうな龍児を玄人が支え、光の波動がその場を薙ぎ払い、一掃していくのを見守った。

《…なんじゃあこりゃあ…こりゃあまるで英霊の降臨のようじゃ…ドワーフのおとぎ話に出てくるたわけた話だと思っていたが…》

 博士もこの不思議な助けにあっけにとられていたのだが、ノルディスの無言の声を聞き取り、さらに驚いた。

《…あれは『休息の(シオン)』で安らかに愛するものを見守る優れた戦士の魂がしているというのか、ノルディス? 『休息の地』は実在するのか? ああ、いや、冥府があるのだから、『休息の地』があってもおかしくはない…しかしだな、なんという威力!》

《ということは》

 とディミトリが、レイジュウジャーたちには聞こえないような小声で言った。

《奴らの中で昔に誰か死んだ者がいたってことになるな。ふん、この冥府って場所はいけすかねえ。助けが来たといっても、物悲しい記憶を呼び覚ますなんざ、ひどい話だ》

 とドワーフたちがひそひそとしている間に、光芒は一つにまとまり、最後の一閃をしようとしていた。

 垂直に一筋になった輝きは、そのまま地面に刃を突き立てるようにぴしっと地面に突き入ったのである。

 それを中心に、同心円状の衝撃波が波紋のように広がり、武装の転送ができず、珍しく浮足立っていたレイジュウジャーたちを激励するように、最後の大きなショックウェイブがその場の亡者たちを一掃すると、光は急速にしぼみ、ものすごいスピードで暗い上空に消えて行ってしまった。

 きらっと流れ星が光るように瞬きを残し、消えたそれを見上げていたレイジュウジャーたちは、誰よりも心乱されている龍児の眼鏡の奥の瞳がうるんでいるわけを知っていたので、特に声をかけることもなく、あれほど混沌としていたその場が静まり返り、破壊された河にも早々に氷が張り直されているのを見ていると、それまで交信不能の沈黙をしていた内線回路に雑音が入り、彼らはみるみる元気を取り戻した。

『……こえるか? 聞こえるかね?』

 このような生気のない、罪人の魂で満ちた場所に、キリルのはきはきとした呼びかけは、一層彼らを励ました。

『ああ、聞こえとる、ボス。どうやらわしらは武装転送の範囲外におるようなんじゃ。じゃが、こうして通信ができるようなったっつうことは、どこかに大穴でも別に掘ったんかいな?』

 まだあまりショックから立ち直っていない龍児の代わりに、玄人が応えた。

『地下都市に開いた大穴から十分君たちの位置座標はとれたし、転送のロックオンも可能だった。だが、途中でそれが全くできなくなってね。ヴィッキーの艦からも、彼女の艦は今第四層まで降下しているそうなんだが、そこからも君たちを捕捉できなかった。一度見失ってしまったら、この世界は精神世界や夢幻空間などの疑似亜空間にあふれている多次元世界だ、なかなかに探し出すことは難しい』

 キリルの話の背後で、何やらジルコンが不遜に喚き散らしているのが聞こえることの安心感を、今ほど感じたことはなかった彼らである。キリルはそんなアンドロイドを放置して続けた。

『もちろんできる限りの手を打ってみたが、どうにも君たちを見つけられない。この艦とヴィッキーの艦のシステムをもってしても見つけ出せないとなると、我々やこの星の優れた先住者の知識では及びもつかない場所に飛ばされてしまったとしか考えられなかった。その時だ、いきなり停滞していた君たちの座標ポイントが動き出してね。あれはなんというか、空間と空間を横切りながら、私たちを君たちのいる場所に導いてくれるようだった。それで、君たちとこうして交信できているというわけだ。何かのエネルギー体の存在は捉えられたが、それは私たちの科学では掴み切れない、外宇宙的超常現象のように思われた』

 レイジュウジャーたちは、それが何か知っていた、あるいは想像できた。だが、どうしてそれがここに現れ、自分たちを救うようなことをすることになったのかまでは全くわからなかった。それと、あれがどこから来たのか、ファンロンにさえ捉えられなかった自分たちを見つけ出し、助けてくれたのか…。

 考え込んで沈黙してしまうのを嫌った朱音が、キリルに言った。

『いちいち宇宙の不思議現象にかまってられないわ。とにかく、これであたしたち、変身できるんですよね、ボス?』

『うむ。なにものかがその場所を明らかにしてはくれたが、依然として私たちにはそこがどういう場所なのか、理論的な説明ができない。十分用心して進むことだ。通信終わり』

 ファンロンとの交信を終えたレイジュウジャーたちは、すでに凍り付き、元に戻っている黒々とした河の岸を臨んでいるドワーフたちとベアルのもとへ向かった。

 線香花火のようにちらちらと輝くタロースの導きが、河が下る先を示すようにくるくると動き回っていた。

 凍結した河の水面には、再び無数の罪人たちの顔や腕や奇妙にねじれて苦悶しているような上半身などが突き出し、永遠の氷地獄に収監されている。

 これも正義の在り方の一つであるとはわかりながら、レイジュウジャーたちは、自然の理の冷厳な処罰の有様に、正義の使命の一端を担っている身として、胸につまされる気分になった。

 突き出た亡者の顔や身体を踏みつけないようにして歩くのを再開したレイジュウジャーたちに、ディミトリがそっと近づき、完全な第三者の口ぶりで言った。

《死生観っつうやつは、種族ごとに違ってくる。何百年も生きるエルフにとっちゃ、死はたいした衝撃ではない。年をとったエルフと会ったことがあるか? 奴らは古木のように微動だにしないし、ろくな飯もとらん。だからそのまま死ぬのはたいしたことじゃないんだ。ドワーフも似たような面はあるが、死ぬ時には生きてきた証となる名誉を持って行かなくちゃならない。裏を返せば、死ぬ時のために善行を、名誉あることを積み重ねてるために生きてるってわけだ。そして、人間は死を恐れる。なぜなら、命の長さが短いからだ。死が何であるかを見出せないうちにそれが訪れてしまうからだ。だが、その反面、努力を惜しまない。どうにかして生きて、何かを成し遂げようと奮闘する。わしらやエルフより、凝縮された人生を送ることになったわけだ。つまり、何事も濃くて、強い。そのおかげで、わしらは今の難局をあっという間に乗り越えたと思っとるよ。何があれを引き寄せたかは聞くまい。この場所は心のひだに深く入り込んでくる。感情深い人間には有利にも不利にもなる場所だ》

 ディミトリの、宿屋の主でもなく、戦士としての彼でもない、全く別の顔を見た気がしたレイジュウジャーたちは少しだけ、感傷的な心地を振り払うことができる気がしたが、顔を俯けている龍児の顔は、長い前髪の向こうに隠れて見ることはできなかった。

 コツリコツリと、亡者たちが氷漬けになっている河面を進む一行。その次にあるのは氷地獄の第二の円アンティノーラ、祖国に対する裏切りをしたものの牢獄である。

 びょう、と凍てつく風が河面をなめる。

 悪しき企みを持つ魔道士を追い、そして最奥にいると考える土のドラゴンとの対面を求めて、彼らの地獄の道行きは続く。


*****


そこ、コキュートスの第二の円アンティノーラは、祖国に対する裏切りをなした罪人が心の浄化と鎮めを促される場所である。

 基本的に、この最下層の『氷地獄』に新参の迷える罪深き亡者が加わることはそうそう頻繁なことではない。レイジュウジャーたちが素朴に感じたように、この世界の住人たちは陽性の気質を持っていたし、コソ泥やお調子者の詐欺師はいたけれども、魔道帝国を転覆させる危機にまでしたトルステン・ウラヌスのような人間性を欠くほどの命あるものとして激しく逸脱したものは稀だった。

 とは言え、現在、シークレストの南方、針葉樹と険しい岩山を挟んだ都市バーミリオンでひそかに内燃していることを、レイジュウジャーたちが知ったとしたら、この冥府や、それを取り巻く多くの多次元世界のバランスなど考えなく、大破壊が起きるかもしれないと推測し、真っ先に乗り込んでいただろう。

 しかし、残念なことに、そしてそれをもくろんでいるものの狡猾さとレイジュウジャーたちの強い正義感のせいで、この問題は見逃されていたのである。

 その、滅多に新客が来ないアンテノーラに向かえという指示を受けた、まさに怪奇異形としか言いえない巨人の三人組が、100本の腕の一つでじたばたとする青い肌をしたシャッテンを掴み、ごみでも棄てるかのように氷の河に放り出した。みるみるシャッテンの身体は氷の河面の中に沈み、がっちりと凍り付いてしまった。

 50頭100手をした巨人の一人が、さもがっかりしたような様子で言った。

〈こんなちっぽけなものを捕らえ、見張るために我らを呼び寄せたとは、タロース様は一体何をお考えなのか〉

 この巨大な三人組の区別はほとんどつかないだろう。なにしろ、50も顔がついているのだから。それが3人もいたら、150の頭があることになり、どれが言葉を発したかさえ、普通の人間には判別は難しいと思われた。

 河面に氷漬けにされてもなお、あがき、毒を吐くように罵りと憎しみと怒りの言葉を吐き続けるものをいくつかの顔で見ながら、別の巨人が言った。

〈しかし、『幽冥』では騒動が起きたというではないか〉

〈このコキュートスに生者を閉じ込めること自体、おかしい。あのものは生者だ。しかし、それでもアンテノーラの裁きが有効であることや、この『奈落』に生者が入り込むなど、カムペロスが番をしているはずなのに妙な事ばかりだ〉

 と三人目の巨人が無数の顔を渋面にしかめて言った。

 ほかの二人がこの意見に頷くと、無数の頭が滑稽に見えるほどにうごめいた。

〈兄者、彼奴は勝手にこの円で拘束されるであろう。我ら三人で見張るほどのものでもないのではないか?〉

 この三人組の巨人は兄弟であったようだ。

 兄と呼ばれた巨人は、よくもそれだけ腕が生えていてこんがらがらずに腕を組めるものだと感心するしかない動きで、見事にすべての腕を組んで応えた。

〈弟レオースよ、しかし、これはタロース様の至急厳命であるのだぞ。このものを決して逃さず、どんな抵抗もさせるなと〉

 これに対し、レオースと呼ばれた巨人(よくよく見ればやや若者らしい顔つきをしていなくもない)とは別の巨人が、妙に人間臭くため息をついて言った。

〈だからと言って、我らが三人で見張る必要があるのか、兄コットラよ。我らの本来の仕事は琥珀の玉座を守ることではないのか。今いるのは年中トンテンカンテンと鎚とふいごを使っている単眼の単細胞どもではないか。彼奴等に護衛などできるものか〉

 50の頭がついているとは言え、どうやらこの者たちはあまり頭脳戦には向いていないようだった。

 コットラと呼ばれたおそらくこの三人兄弟の長兄である巨人は、地鳴りのようなうなり声を上げ、

〈確かに弟ゲイロンの言葉も真実ではあるが、もしこのものがここから逃げ延びれば、我らがお守りする琥珀の玉座の秘密と力の源、そして単眼の巨人たちの造り出した武具を奪われてしまう。アンテノーラに封ぜられるような罪科を犯したものに触れさせるわけにはいかぬ〉

 そして決意したように頷き、続けた。

〈ここの守りはわしがいたす。かつての巨神戦争の時、この腕で300の大岩を投げたわしだ。そなたらはジュデッカに戻り、単眼のものたちに警告しておけ。万一、このものが最下層に向かってしまった時に備えてだ〉

 ゲイロンとレオースの弟二人は、納得したように50の頭をそれぞれに頷かせると、シャッテンらしい毒舌を吐き続けているものを高みから見下ろし、さも卑しいものだと言いたげに傍らを通り過ぎていった。

 一人残されたコットラは、山のような巨体をかがめ、シャッテンの死霊魔道士に向かって尋ねた。

《氷漬けにされてもなおそれだけの悪辣な心を持ち続けていることには、別の意味で驚嘆する。だが、それだけその身体は硬く冷たく氷漬けにされるのだ。お前には善意や素直さ、いたわりは皆無なのか?》

 魔道士ロアは、自分と同様に氷漬けにされている何者かの頭をがりがりと憂さ晴らしをするように噛みつきながら、不遜に応えた。

《そんなもので腹が満たされるか? 財をなすか? 快楽をもたらすか? 否! 否! 否! ()は私の成したいことを成すのみ。それを阻むものはすべて排除してきた。馬鹿な巨人ども。私の力を見下したな。その過ちは致命的だ》

 がりがりと噛んでいた亡者の皮膚だか骨だかわからない何かをペッと吐き出したロアは、高笑いをした。

《そら、もっと私をきつく氷漬けにすればいい。だが私は間違ったことをしたとは思わぬ。地獄に堕とされてもその考えは変わらぬ。エルフこそ、いや、敗北主義に陥った地上エルフなどは同族とは思わぬ。シャッテンこそ、そしてこの優れた才能を持つ私こそが、覇者となるべく生を受けたのだ。人間など、地面を這う虫だ。それを一掃し、優れたものが完璧に統治する世界こそ、至高の在り方ではないかね? ははは、氷が分厚くなったぞ。いいぞ、もっと私を拘束しろ。そして己らの愚かさを思い知れ、巨神族め。そんな100の腕を恐れるとでも思ったか、能無し野郎》

 『太古の民』が存していた時代よりさらにさかのぼる時代に繁栄した巨人族の生き残りは、今の伝承の中で『巨神』と呼ばれるだけあり、このような悪罵に対して血を昇らせるようなことはなかったが、長く亡者たちの監視と最下層に眠る宝物の護衛をし続けたために、進行形の思考を失っていた。

 コットラは、世界を二分した大戦争をその膂力の絶大さで味方する側の勝利を呼び込んだ英雄だったが、今相手にしているようなイタチのように年中隙を伺い、ずる賢く立ち回るものとの戦いは、戦いとも言えず、したがって、警戒の紐をよりぎゅっと締め付けることなど、全く念頭に上がらなかったのである。

 コットラは50の顔を無表情に、言った。

《あがけばあがくほど、お前はアンテノーラの獄につながれる。氷はお前を封じ、そうやってお前に凍える寒さとひもじさ、そして喉の渇きをもたらす。お前はそれを満たすために亡者に食らいついては、自らのあさましい心の在り方を痛感させられるのだ》

《お前にはあさましく見えるのかもしれぬが、一体何が本当に「あさましい」のか誰にもわかるまい。倫理観など、人それぞれに基準があるもの。私にとっては全くあさましくなどない。私としてあるべき在り方だ。お前がいくら偉ぶって言っても、この私には通用しない。私こそが正しいのだから》

 氷の河がまた少し分厚くなり、ロアは頭だけを河面に出しているだけになった。それでも首をひねり、がりがりと亡者の頭をかじり続ける。

 コットラは見慣れた光景に騙された。

 そしてそれが起きた瞬間、コットラの予期しない者たちが小走りに登場したことにも驚かされた。

 その新たな闖入者の何者かの声が、巨人の50対の耳に響いた。

《それはわざとアンテノーラの懲罰を重くするような暴言を吐き、氷の凍結による肉体の破壊をもくろんでいるのだ! それは心臓に命を宿らせている、死霊使い(ネクロマンサー)! 肉体を捨て、本体の心臓だけの方がすばやく最下層に到達できる!》

 ベアルのめずらしく息せき切っての忠告に、コットラは無数の顔をしかめ、吃と氷漬けにされているロアを振り返ったが、その時まさに、コキュートスの凍結した河面に凍らされていたロアの身体が両側からせりあがってきていた氷で覆われ、凍結の圧力で肉体が粉砕された。

《ああっ、しまった! 心臓が逃げる!》

 その場の圧倒的に広い空間と比べると、ロアの心臓は非常に小さく、小石が飛んでいくようにコキュートスの河をくだろうと飛んだ。

《逃がすかよ!》

 瞬時に白いパワースーツ姿に変身した白虎が、まさにその強靭な脚力を最大限発揮させ、摩擦熱であるかのような熱気でもって、魔力の蓄積で肥大化したような心臓に向かって駆け、跳んだ。

 彼のスピードは勝っていた。彼の腕が拳を繰り出すように突き出され、逃げる悪霊のごとき心臓を掴みかけた。

《うっ、あちぃっ》

 硫酸にでも触れたかのような刺激に白虎がわずかにひるむ。そして目の前の視界に突然闇色の幕が下りた。

《『闇霧腐雨(ダークネスアシッド)』だ! 闇の煙幕を張り、腐食性の力場で君を足止めするつもりだ!》

 ベアルの助言を最後まで聞くまでもなく、白虎は諦めるどころか、魔法の闇夜の中でもその純白の姿をくっきりと浮かび上がらせ、身体をぐん、と回転させてもう一度心臓を掴もうとした。

 今度こそ、普通の人間よりずっと大きな心臓の不気味な石のようなものを捕獲した白虎は、手のひらの中で憎々しげに抵抗する感触を受けながら、地上に軽やかに戻ってきた。

《くそっ、俺の力でも砕けねえぜ、これ》

 握りつぶしてしまえばおしまいだと思っていた白虎だったが、さすがに世界を転覆させようとした大魔道士である。加えて、それには多くの罪なき命の精気が溜め込まれていた。霊獣の加護のもとにある彼らに、それを破壊することはできなかった。倒すべきはロアその人ひとりであり、この忌まわしい術により取り込まれてしまった命まで巻き添えにすることは絶対にできないことだった。

《貴様らは上層で出会った不可思議な加護を持つものどもだな。これはちょうどいい、貴様らを我が下僕とし、それから()が求むるものがいる場所に悠々と凱旋しようぞ》

 それはまるで生きた魚のようにぴちっと跳ねて、白虎の手の中から飛び出した。そして白虎の頭上で黒い陽炎を発し始めた。

《人間よ、下がっておれ。その悪しき魂はわしがただしてみせようぞ》

 コットラが地鳴りのような声で言うと、無数の腕の一つで白虎の身体を豆粒のように摘み上げ、一番上にある頭のいずれかに乗せた。白虎は、まるでダンプカーにでも乗ったかのような高みからの視野と、この巨人の信じられないような外見を間近で見、場違いに喜んだ。

《うひゃあっ、こいつはすげえや。一体何個の顔がついてるんだ? これ全部に脳みそが詰まってるのかよ? 信じらんねえ!》

 これに、同様に伝承の一つが現実であることの興奮に見舞われたウィラード博士が、嬉々として応えた。

《原初の存在である『混沌』から様々なものが生み出され、この空間自体もその一つであることは前に話したと思うが、「大地」は多くの巨人を生み、その中でも50頭100手の巨人の三兄弟と、わしらドワーフ族の直接関りがあると推測されている単眼の巨人の三兄弟は、この「奈落」で大地の核を守り、原初の時代、わしらは『琥珀金期(エレクトラムエイジ)』と呼んでおるが、その時代の人智を超えた武器を作る秘術を守っていると伝わっている。まさに、伝承は真実であったか!》

《じゃあ、この変な巨人は味方ってことなのね? なんかあんまりかっこよくないけど》

 朱音は率直に感想を述べながら、なんとなく傍らの龍児を見た。予想通り、龍児の眼鏡の奥の切れ長の瞳は博士並みにきらきらとしていた。

《ほんと、あんたって二重性格者ね。ああいうのも地球の神話にいたりするんでしょ、その顔じゃ》

 龍児が博士と何か好奇心を満足し合うような会話を始める前に、ずしん、と50頭の巨人が一歩を踏み出し、虚空で何かの忌まわしい魔法を発動させようとしていたロアの心臓を100の手で掴もうとした時だった。

 その50対の腕が掴むよりも素早く、何かがひゅん、と飛び退り、50頭の巨人は意外に素早い反応で、何かが心臓をかすめ取っていった先を睨みつけた。

《シャッテンの悪童が! 邪魔をするな! そやつは冥府を乱す不埒者だ》

 ずしん、と50頭の巨人は方向を変えて踏み出し、宙に浮く青い肌をしたものにつかみかかろうとしたが、闖入者はせせら笑うようにひらり、とかわし、言った。

《いやあ、久しぶりにこの陰気くさいところに遊びに来てみたら、なんだか楽しいことになってるじゃないか。それに、この心臓は俺の馴染みだ。なんせ、俺の兄貴だからな》

 これを聞き、玄人と変身を解いてすっかり巨人の乗り心地を楽しんでいた大牙が思い当たったようにそれぞれが呟いた。

《あの時の悪魔野郎か!》

《こりゃあ…ちょっと厄介なことになりそうな気がするのう…》

 二人のことを見止めたシャッテンの放浪者は、身体中から何とも言えない雰囲気をかもして言った。

《おお、お前たちか。なんとなく知っている印象は受けていたが、こんな場所に紛れ込んでいたとはな。それじゃ、俺があの時地底回廊の小部屋から助け出してやったことは覚えてるだろうな?》

 大牙は巨人の無数の巨大な頭の上であぐらをかいて知らんぷりしたが、玄人は常識人で、約束を破ったことのない青年であった。たとえそれがこちら側に不利に働いたとしてもである。

 玄人の様子を見、龍児が危ぶむように声を潜めて言った。

《…もしや、あれを渡してしまうつもりか? あれをあの青いものは「兄」と言った。とすれば、あのものにも同じ血が流れていることになる。つまり、同じ轍を踏む可能性も…》

 まさにその通りなのである。玄人は少しためらいを見せた。その間に巨人が厳しい口振りで言った。

《人間の若者たちよ。あのずる賢いザハエルと何か約束事をしたのか?》

 玄人は頷くしかなかった。

 すると巨人は遺憾だと言いたげに唸り、こちらを嘲り、優位の余裕でにやにや笑いをしているザハエルというロアの双子の弟を横目に、言った。

《そなたらほどの正義を抱く者たちならば、このザハエルが比類ない狡猾さを持ち、悪を悪とも思わぬものであると感じられたはずなのに、どうしてそのような無謀なことを?!》

 大牙が唇を尖らせ、ぶうたれて言った。

《俺たちは急いでたんだよ。それに、俺たちはこの世界は初めてなんだ。今更そんなこと言われたって、知らねえよ、俺たちはよ。でも言っとくけど、あの青い奴の助けがなかったら、もしかするとこの世界はめちゃくちゃになってたかもしれねえんだ》

 この言葉に、ベアルが複雑な表情で言った。

《確かにザハエルの空間転移の技がなければ、あの閉ざされた地底回廊の小部屋から短時間で抜け出すことは無理だったと思う。だがやはりザハエルの厚意が胡散臭いのも確かだ》

 50頭の巨人は冥府を守り、亡者たちの秩序が乱れないように監視するものとして、約束を破るということの不徳には賛同しかねた。その相手が自らの法律で動く、捉えどころのないシャッテンだとしてもである。

 巨人は全身で不満げなうめき声を響かせると、余裕しゃくしゃくのザハエルに言った。

《約束事は果たされなければならない。若者たちの助けになったというのなら、それに見合うものを差し出すのは全く正当な取引であるが、その心臓を持って行かせるには、承服しかねる。お前がその心臓の血縁だとすれば、なおのことだ》

 ザハエルは身体をのけぞらせて大笑いすると、兄の心臓をじろじろと眺めながら言った。

《俺たちは双子で生まれたが、性質はよほど俺の方がいいし、兄貴みたいな誇大妄想狂でもない。もちろん、単純にこれが兄貴の形見だからほしいのかもしれないし、この中に溜め込まれた精気を飲み干したいからかもしれない。安心しろ、俺は兄貴のような馬鹿なことはしない。馬鹿じゃなかったら、こんな風に心臓の中に意識を閉じ込めることにならなかったのさ。とりあえず、兄貴がしようとしてたことはやめさせることができるんだ、二重の報酬としては、これを俺がもらっていくのは当然のことじゃないのかな?》

《では、お前はここから去るというのだな?》

 と巨人が不信感たっぷりに尋ねると、ザハエルはすでに心臓を懐に押し込みながら応えた。

《言っただろう? 俺は別に世界を牛耳りたいとかいう欲望は持っていない。俺はいつでも外から物事を見てきたし、俺が影響させて生じる事柄を見守るのが好きなんだ。この先にあるものが何かなんてどうでもいい。とりあえずはな。じゃ、俺は行くぜ。人間たちよ、お前たちとはまたどこかで会いそうな気がするぜ? その時も楽しいことがあるといいがな。なんせ俺は退屈な毎日を送り続けてるんだから》

 やってきたのと同様に、ザハエルはひゅっと姿を消した。

 鼻先で大切なものを掏り取られたような意外性と苦々しい思いが交錯する。

 その中で、ノルディスの手が博士のローブの袖を引っ張った。博士はいつものように口のきけない助手を振り返ったが、みるみるその奥深い黒目が見開かれた。そして不意打ちを食らって気が抜けたようになっている面々に言った。

《奴は心臓だけではなく、ロアが使っていた『世界樹の破片』までも持って行ったのだぞ。あれの気分一つで『破片』は様々に形を変える。もしあのものが悪意に心を満たせば『破片』は最悪の凶器になる》

《それをわかってここにきたか、あの悪童め!》

 巨人が再び悔しげにうめくと、地面がびりびりと震えた。

 ここで龍児が冷静に言った。

《とりあえず悪しき魔道士の脅威はこの大地が守る場所には及ばなくなりました。もちろん、一時的なことかもしれませんが》

 そして他の面々を見まわし、続けた。

《ドワーフの国を自らの欲望を満たす暴挙に巻き込もうとした魔道士のことはひとまず解決したということになりますが…もちろん、これで納得できたわけではありませんが…僕たちはこの先にいるという土のドラゴンに会いたいのです。そしてもう少し地底回廊を探索したいと考えています。もし構わなければ進んでもいいでしょうか?》

 真っ先に賛成したのは博士だった。

《もちろんいいに決まっておる。わしもぜひにもドラゴンなるものをこの目で確かめたい。大地と密接につながるドワーフとしては、大地の守り手を拝まないで帰れるものか。ノルディスも見たいと言っておるしな》

 博士の助手は気恥ずかしげに老博士の後ろに隠れたが、その表情だけで十分に熱意を持っていることは分かった。

 ベアルは依然複雑に表情を曇らせていたが、

《ザハエルは気まぐれだ。それを心に病んでいてはこちらが参ってしまう。そうだな、ここまできたら最後まで行こう》

 最後に、ディミトリがあっけらかんと言った。

《蛇女に巨人、伝承の中の原初のものたち…これでドラゴンが出てきても、もうわしは何も驚かないぜ。おい、いつまでそこに乗ってるつもりだ、坊主?》

 と、ディミトリに言われた大牙は、頭のいくつかをぽんぽんと叩き、言った。

《歩くよりこれに乗ってるほうがずっと気分がいいぜ。そら、早く俺たちをドラゴンのところまで連れて行ってくれよ》

 恐ろしげな50頭100手の巨人にかけるような言葉ではなかったが、逆にそれが小気味よかったのか、巨人は呵々と笑い、のっしのっしと氷の河を下り始めた。

《こんなに威勢のいい人間たちは初めてだな。まあ、ここにいたら、生気にあふれた人間になど接することは皆無なのだが。さあ、わしについてまいれ。冥府を騒がしたものをひとまず追い払った礼として、特別に琥珀の玉座まで案内しようぞ》

 いよいよ冥府の終着点、この星の重力が集中する核が彼らの前に迫っていた。


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