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四神戦隊レイジュウジャー  作者: 沢木佑麗/雲月
第三章 オーカー魔道帝国編
37/103

『横やり』

レイジュウジャーたちに遅れること一日あまり、モーリータウンに変わった二人連れが姿を現した。

 一人は明るい茶色の髪を顎の辺りでくるん、とカールさせ、紫色のベレー帽をかぶった少女。もう一人は、彼女の倍の身長はありそうな筋骨たくましい30代前後の男である。

 しかし共通しているところはあった。両名とも嫌味なほど不遜な眼差しをしていた。

 だから、二人が通るところ、知らずのうちに人々は道を開け、宿の食堂では他の客たちのざわめきが止まった。そのくらい、彼らの威圧感は重く、どこか支配的だった。

 それは当然のことと言えた。彼らは外出での余計な干渉を避けるためにお仕着せのローブを着ていなかったが、二人は帝国の七賢者のうちの二人だったのだ。

 宿の食堂で不機嫌な顔をしながら、少女の方が宿の店主に無理やり出させたワインを飲みつつ、向かい側で魔道士らしくない態度でぐいぐいとエールを飲む男に向かって言った。

《勝手に飛び出してきてしまったけれど、大丈夫かしら、ギャリオン》

 ギャリオンと呼ばれた格闘家のような体躯をした男は、ジョッキを傾けた向こう側から薄青い瞳をじろりと少女に投げ、一息に飲み干してから応えた。

《むしろ何故最初からこうしないのか不思議なくらいだ。この町でルルーシュがやられたのならば、敵がどこか近くの拠点へと移動したことは明々白々。実際、我々は奴らが旅商人の馬車でモーヴに向かったことを突き止めている。無駄に間者を放たずとも事足りたではないか》

 少女はあどけなくも見える大きな碧眼をじぃっとギャリオンに向け、指先でカールした髪の毛をいじりながら言った。

《まあ確かにあなたの言う通りではあるんだけど、キアの機嫌を損ねると後が怖いわよ》

《ふん、もたついている方が悪いのだ。それにあの女は姉を憎んでいる。私怨めいた対決は私の好みに合わん、ミーガン》

 ミーガンという少女はため息をつき、

《そういうあなただって、キアの姉さんの魔力を凌ぐ相手と戦ってみたいだけで、筆頭魔道士様の許可も得ずに飛び出してきてしまったんじゃないの》

 ギャリオンは、道着のような上着からのぞく太い腕を組み、突っぱねるように言い返した。

《別にお前に一緒に来いなどとは一言も言っとらん。戻りたいなら戻れ》

 ミーガンは可愛らしい両手の間に顔を置き、大の男をつかまえて保護者ぶった口調で言った。

《あたしがいなかったら、誰があなたの暴走を止められると言うの? これまでどれだけあたしに助けられたか、忘れないで欲しいわね》

 ギャリオンは薄い唇をむっつりと曲げた。どうやら反論できないらしい。

 ミーガンは「それみなさい」と言わんばかりに切りそろえられた前髪の隙間から見え隠れしている碧眼を剣呑に細めて言った。

《確かに、あなたが興味を持つのはわかるわ。でも、あのハージブの企みが壊され、ルルーシュが太刀打ちできない相手だということを念頭に置かなければならないわ。町の評判を耳にすればするほど、彼らがただの冒険者ではないことは明らかよ。もちろん、あたしたちは七賢者よ。負けるつもりはないわ。でも、ローランドほどの絶対的な確信は、ひょっとすると過信になって、自分の首を絞めることになりかねないってことよ》

 ギャリオンは腕を組んだまま、その立派な体格には小さすぎる椅子に寄りかかり、今ではほぼ相棒のような存在になっている少女を奥まった眼窩の向こうからどこか不満げに見つめて言った。

《お前は私が負けるとでも思っているのか》

 ミーガンは肩をすくめた。

《どうかしらね。私には予知能力はないもの。それに、相手にはどういうわけか魔力が備わっていない。そんな相手と向き合ったことがあるかしら? 魔力があれば、私たちには即座に相手の力量を計ることができるわ。でも今回はそれができない。それによ、この世界に魔力を持たない人間なんていない。このことに尽きるわ。私たちはひょっとするととんでもない相手と対峙することになるのかもしれないわ》

《ふん、だったら、私の力が大いに役に立つというものだ。相手に魔力がないのなら、力で勝負するまでのこと。それが他の賢者たちにはできないから、そうやって臆すことにつながるのだ》

《あなたの力が及ぶ相手ならいいのだけど》

 ミーガンは冷たく言い放つと、飲み残していたワインを細い喉に流し込んだ。そしてかたり、とグラスを置きながら、ギャリオンに命令口調で言った。

《いずれにしても、前もって連中の姿を捉えておくのは今後につながる良策だわ。ギャリオン、いつまでも飲んでないで、頭立ての多い馬車を準備してきて。相手がモーヴを去る前に捕まえたいわ》

 ギャリオンはこういう彼女の態度には慣れているらしく、新しく運ばれてきていたエールを一息で飲み干してから、席を立った。

 短く刈り込まれた金髪の後ろ姿を見送りながら、ミーガンと言う賢者はやや表情を厳しくさせると、何かに沈思するように再び組み合わせた手の上に顎を乗せてじっと空のグラスを見つめ続けた。


*****


 薄暗い店内から颯爽とした若い伝達使が出て行くと、アルディドは見たことのない封蝋と筆跡のある革袋を見つめ、首を傾げた。

《…モーヴに知り合いはいないんだけどな》

 独り言を言いながらも、彼は封蝋を切り、中から文書をしたためるための薄い板を取り出すと、にわかに疑い深い表情が晴れやかに変わった。

《なんだ、彼らは今モーヴにいるのか。僕はてっきり帝国にでも潜入していると思っていたさ》

 水色の瞳が素早く文面を読み取り、再び彼は首を傾げた。

《ハーフエルフのスリだって? 一体彼らはどういう旅の仕方をしているのやら》

 しかし、彼はエルフであるにもかかわらず、生来のお人よしだった。それに、一般的なエルフが抱く、ハーフエルフに対する強い嫌悪感も持ち合わせていなかった。

 同情ではなく、単純な好奇心から、彼は朱音からの申し出を受けることに決めた。

 決断すると、行動に移るのが速いのも、彼の、エルフらしくないところである。長寿を誇るエルフは人間の尺度では計れない時間の感覚をもっているせいか、アルディドから見ると、何事においても鈍重に感じられて仕方なかった。1000年前の戦いでは人間たちと勇猛に戦い、負けたとはいえ、エルフの遺産を渡すことなく退いた種族なのにだ。

《…そのあと、隠遁生活に入ったのがいけなかったのかな》

 盗賊ギルドに連絡を入れるためのハトを用意しながら、アルディドは黄昏の時の中に生きる同族を思い、少しだけやるせない気分になった。

 そう言えば、とたいした旅支度もないまま、アルディドは店を後にしながら朱音からの文面を思い返した。

 追伸にこう書かれていた。「50年前にレッドフレイムマウントに登ったことはありませんか?」。

 両手に抱いていたむちむちと太ったハトを放したアルディドは、ひとり、笑んだ。

《…ということは、彼らはあの山のドラゴンに会いに行ったのかな? ドラゴンの息吹を感じなくなって久しいが、物事が落ち着いたら一度会いに行ってみるのも一興。それにしても、彼らの隠された力には毎度驚かされる》

 王都の大門の外に設けられている駅伝の馬を借りたアルディドは、馴れた物腰で馬の腹に踵を当てて拍車をかけた。その拍子になぶられた髪が後方に流れ、頭に巻いていたスカーフが飛んでいった。金糸のような髪の間から長く尖った耳がのぞいたが、彼は構わず馬を走らせ続けた。なんとなく、早く彼らと合流した方がよいような予感がしていたからである。


*****


ウマルは先ほどから、工房の隅で煙管を吸い続けているファリーダを気にするようにそちらをちらちらと見ていたが、何度目かのラディウム鉱石の純化に失敗し、ついに口を開いた。

《ファリーダ様、何かギルド長に言われたでやんすか?》

 案の定、彼女は素知らぬ顔で煙を吐き、カン、と吸殻を灰捨て箱に捨てた。

《毎度のことさ。いちいち気にかけていたら、お前たちと組んでなどいられないよ》

《俺たちに嘘は言わんで下せえ。ファリーダ様が何かに心を迷わせてるのは、このラディウム鉱の不安定さからも明らかでさ》

 ウマルは、作業台の上で、前衛的なオブジェのようにいびつな結晶体になってしまっているものを示し、

《ファリーダ様の魔力の不安定さが、ラディウムに影響しちまってるんでさ。これじゃ仕事になりません。何があったんでやんすか?》

 ファリーダはいつの間にかワリードも自分を見つめていることに気付き、ひとつため息をつくと、再び煙管に煙草の葉を詰め込みながら言った。

《さすがの私たちも、そろそろ尻に火が点き始めたようなのさ》

《どういうわけで?》

 ファリーダはさもくだらないと言いたげに盛大に紫煙を吐いてから応えた。

《ギルド長室に行ったら、そこに七賢者の坊やがいたのさ。あの高慢ちきな白い坊やがね》

 ウマルとワリードがやや戦々恐々とした顔を見合わせたが、ファリーダは七賢者が何ほどのものかという口振りで続けた。

《あの冒険者とまみえているのが私たちだけということに業を煮やしたんだろうねえ。ギルド長に無言の圧力をかけて、私から奴らの居所を正確に掴む方法を聞き出させようとしていたけれど、そんな口車や脅しに乗る私じゃないからね。何かあの坊やから尋問されるかと思っていたんだけれど、あの子はずっとだんまりさ。まっ、ゴーレムセクションの窓際族から重大な案件を聞き出すなんてことは、奴らのプライドが許さないんだろうよ。いっそ、私を拷問にでもかければひょっとするとだけれど、ハッ、あのローランドのガキに私が負けるつもりもないね。にしても、七賢者が本腰を入れてきたってだけで、私たちには時間がなくなったよ。奴らがいくら力に驕った間抜けだとしてもだよ、次に私たちが動く時には必ず見張りが付く。つまり、次で仕留めないと、むざむざ手柄をかすめ取られるってことさ》

 この国の支配層に対する恐れを微塵も感じさせないファリーダの言に、ワリードがおそるおそる言った。

《七賢者が動き出すってことは、ファリーダ様の妹さんも…》

 これを聞いたファリーダの無感動な美貌に、わずかな歪みが走った。カン、と煙管を箱に叩き付ける。

《…キアのことはお前たちが気を回す必要のないことだよ。そんなことを考える暇があるんなら、とっとと次のゴーレムをお造り。ところでワリード、前に言っていた「成果」ってのは一体何のことだい? ギルド長には前のゴーレムの製作費用がかかりすぎたことでも相当絞られたんだ。それに見合うような「何か」がないと、私の気がすまないね》

 賢者が乗り出してきたことでやや気後れしていたワリードたちだったが、自分たちの作品の話題に戻ったことで、掌返しに気力を盛り返したように応えた。

《こういうとファリーダ様は気を悪くされるかもしれませんが、あの金色のゴーレムはまあ言うなれば「捨て駒」みたいな役目もあったんでがす》

 ワリードは自分のデスクに小走りで戻ると、その手に奇妙な突起や管が這い回っている金属板を手に帰ってきた。

《こいつは前に作った追尾装置よりももっと正確で、強力なんでがす。見てください、この金色の金属片、これは、あのゴーレムの装甲板に使われてたものと同質のものでがす。俺はあの戦いの時、装甲板に使われてた「ワリード合金改」に伝わる連中の波動を同質の合金に記憶させていたんでがす。それを今回はゴーレムの運動系に組み込むつもりでがす》

 ファリーダは、いつもながら何が組み上がるかわからないような金属のがらくたの山を見ながら、疑い深げに言った。

《いいかい、今回は前とは違う。賢者の目が光ってるんだ。試作品を試すようなつもりでいちゃ困るよ》

 ワリードは隈の浮いた目元をやや気色ばらせ、

《この俺たちがファリーダ様を窮地に落すようなことをするはずがないでござんすよ。今回の作品は帝国の誰も考え付いたことのない攻撃パターンを想定してるんでがすよ》

 ファリーダはため息をついた。

《そういうのを試作品って言うんだよ…》

 彼女は壁に寄りかかっていた姿勢を正すと、ヒールの音も高らかに工房から出ながら尋ねた。

《ところで、いつ出発できるんだい?》

《この基盤をもう少し調整したら出られますぜ、ファリーダ様》

《私がいるとウマルの邪魔になるようだから、私は部屋に戻っているよ。準備ができたら呼んでおくれ》

《へーい》

 紫色の髪を翻して出て行ったファリーダの後ろ姿を、部下の二人がしばし見つめる。

《…七賢者が出張ってくるとはなあ…》

 ワリードが謎の基盤を持って自分の作業デスクに戻りながら呟いた。

《それだけ俺らの名が売れたってことよ》

 ウマルの投げやりな一言に、ワリードは肩をすくめ、

《でもよ、ウマル、下手すると、ファリーダ様は自分の妹と妙な関係になっちまうんじゃないか?》

《もう十分になってるじゃねえか。俺にゃ魔力はないが、その優劣を嗅ぎ取る鼻は持っとる。明らかに魔力はファリーダ様のが上さ。ドワーフなら誰でもわかってることよ。それなのに、妹の方が賢者の椅子に収まってるっつうこと自体みょうちきりんなんだよ。ちょっと考えれば、ファリーダ様とその妹との間に深―い確執があることくらい想像できらぁな》

《俺はそういうどろどろとしたもんは願い下げだね。血縁の情はしがらみの鎖さ。あーあ、天涯孤独の俺には関係ねえ話だよ》

 ゴーレムの発明こそが生きがいのワリードに対し、どこに住もうとドワーフ一族の固い絆に結ばれているウマルにとっては、ファリーダの内心思いやられてならないのだった。それに、彼はワリードよりずっと人間的だった。ファリーダの平然とした態度の裏に、実の妹と相対する可能性が出て来ていることの複雑な思いを想像するにつけ、ごみ屑の山に放り出された失敗したラディウム鉱の山がそれを物語っていると、高慢ながら他の帝国の魔道士にはない何かを持っているファリーダの心中察して余りあるウマルだった。


*****


マルセラの食堂ではやや険悪なムードが漂っていた。

 と言うのも、レンが滑稽な構えで短剣をカーマイン王国から到着したアルディドに向け、にらみ合っていたからである。

 いや、アルディドの方は別段怒ってる風はなく、むしろそんなレンの子供じみた態度を面白がっているようだったが、レンの方は本気で敵意を燃え上がらせていた。

 さすがに朱音が口を出した。

《レン、そんなに怒らないで。あたしはあんたが嫌いでこうしたわけじゃないのよ。むしろあんたのためを思って…》

《余計なお世話っス! ボクはボクのやり方で生きてきたっス! それとも、師匠はボクが邪魔なんスか?!》

《邪魔とかじゃなくて…》

 レンは指を突きつけるように短剣を朱音に向け、息巻いた。

《いいっスか?! ボクは誰にも縛られたくないんス! ボクの命はボクのものっス! それをどう使おうと……あっ?!》

 ひょいっとアルディドの長身から手が伸び、注意力散漫になっていた手元から短剣がもぎとられていた。慌てたレンがまごまごしつつも、吃とアルディドを見上げ、噛みつかんばかりに言った。

《このっ、返せ! 畜生エルフ! 自分の臍噛んで死んじまえ!!》

 アルディドはこの悪罵にも心証を害することなく、穏やかに言った。

《君がエルフ不信になるのもわからなくはないけれど、その命を与えてくれたのは間違いなく君のご両親なのだし、今ではここにいる冒険者たちも君のことを気遣う友なのだろう? その者たちを悲しませるような命の使い方をしてもいいのかな?》

 レンは正論を理解できないほどには激怒していなかったらしい。むすっと口をつぐむと、不貞腐れた物腰で近場の椅子に腰を下ろした。

 そんなハーフエルフを見やってから、アルディドは朱音たちに向き直り、レンからもぎ取った短剣を丁寧にテーブルの上に並べて言った。

《なんだか変わった拾い物をしたようだね。おやっさんにはつなぎをつけてあるけれど、果たして素直に従うかどうか。エルフに対する反感もきついようだしね。きっと自分を中途半端な血のもとにおとしたことを恨んでのことだろう》

《あなたなら、この子の片親のこと、わかりませんか? 人間と子をなすようなエルフなら、きっと…》

 龍児がここで言葉を続けるのを憚った。アルディドは察していると言いたげに微笑すると、マルセラが運んできてくれた強い蒸留酒をくいっと煽って応えた。

《僕みたいな変わり者だと言いたいのだろう? 確かに風来坊でなくては人間と恋に落ちるなんてことはあり得ないからね。エリアスなら知っているかもしれないけれど、なにせ、僕はここ数百年エルフの里には戻っていないから、誰が何をしたかなど、わからないんだ。でも、あの様子だと、知りたいと思っているとは思えないね。むしろ知らない方がお互いのためかもしれない。しかし、エルフにそこまで強い愛情が芽生えるとは驚いたなあ》

 と、ここでいたたまれなくなったようにレンが立ち上がり、感情に任せた勢いで宿から出て行ってしまった。

《あっ、レン!》

 追いかけようとして朱音が腰を浮かしたが、それをアルディドが引き止めた。

《放っておくことも必要だよ。きっと彼女は僕を見て、自分の中のエルフの血が騒いでいるのだと思う。大丈夫、彼女の心はまっすぐだ。まっすぐすぎるから反発も強い。外の風になぶられてくれば、心は穏やかになるはずだ。彼女も半分はエルフなのだからね》

《一体どういうこと?》

 と朱音が尋ねると、アルディドは頭に予備のスカーフを巻き付けながら応えた。

《エルフは自然と協調して生きる種族なんだ。逆を返せば、この世界から海や大地や森が消えたら、消えていくしかない。あの娘にもそういった同調性(シンパシィ)があったから、初めて同族の僕と出会って動揺し、無意識にこの潮風に満ちた外の空気に触れたくなったのだろう》

《…なんとなく、その感じはわかります》

 龍児がぽつり、と言葉を挟んだ。アルディドはそんな彼をそっと見やり、「ふむ」と考えを巡らせた。

《そうか、君から感じられていたのはそういうことか。信じられないことだが、君は何か竜力のようなものを備えているね》

 龍児は今更隠しても始まらないと、素直に頷いた。

《どういういきさつかは説明しにくいですが、そのようなものはあると思います》

《なるほどなるほど。つまり、君は火の山の竜と同調してきたというわけか。これはおもろしい。あの婆さんが君を見てどんな好色な目をしたか、見てみたかったな》

 この一言に対し、一番反応したのは朱音である。彼女はにわかにカッカッと顔を紅潮させ、じろりと相変わらず無表情の龍児を睨みつけて言った。

《ちょっと、どういうこと? いやらしい眼って何? リュウ、何かされちゃったりしたわけ?!》

 しかし、この問い詰めに龍児が応える間を与えず、アルディドが顔色をひきしめて立ち上がった。その様子はただごとには見えなかった。

 エルフは意識を集中するように水色の瞳を閉じると、耳を澄ますようにやや俯き、緊張した声で言った。

《…今、非常に強い魔力の波動をまとった者たちが街に入ってきたよ。その魔力の集約点は……君たちだ》

《帝国の追手か。しつけぇな》

 大牙が終始ぱくついていた何かの肉のグリルの骨をぽい、と皿に放り投げ、立ち上がる。アルディドはさらに続けた。

《王国で感じた魔力とは違う波動だ。む、このままではあの娘がその者たちと鉢合わせそうだ。エルフの感受性は魔道士の魔力の琴線に触れてしまう。1000年前の戦いの遺恨を抱いている世代とも思えないが、やはり気がかりだ》

《むしろ、あの子の方から向かっていきそうで心配だわ。いきましょ、皆。アルディドさん、悪いんだけど、あの子のこと、まかせていいかしら。もし戦闘になったら、あたしたち、あの子のこと、守り切れなくなるから》

 と言った朱音の予想は見事に的中していたのである。


*****


 レンは外に飛び出ると、思うに任せて屋根に飛び乗り、そこを走り抜け、次に飛び移る場所のない大きな広場までやって来ていた。

 純粋なエルフとの出会いはもちろん初めてだった。目が合った途端、吸い寄せられて、戻れなくなるような、いや、戻りたくないような心地になった。

 だが、心の重しのような別の何かが、彼女の脳裏に母親の薄ぼんやりとした面影を投影した。それが、彼女を引き戻し、そしてまた目の前の金髪の美しいエルフに心を奪われるのだった。

 だから彼女は喚き散らし、乱暴に振る舞った。そうするしか、このゆらゆらと揺れ動く自我の振り子を自分の思い通りにする方法を思いつけなかった。

 レンは正面に教会が見える建物の屋根に腰を下ろし、足をぶらぶらとさせながらため息をついた。ため息などついたことがなかったのに、彼女は初めて真面目に自分と向き合わねばならない時と対峙していた。

 母親は、自分の肉体の成長の遅さについてゆけずに年老いて死んだ。幼かった自分には何故だか全くわからず、一向に大きくならない呪われた子供だとしてその村から追い出された。

 父親の記憶は全くない。生きているのか死んでいるのかさえわからない。ただ彼女の中で父親として確立しているのは、母を、自分を不幸に落とした張本人だという事実だけだった。

 だが、今こうしてエルフと出会い、勝手に心が引き寄せられてしまった。憎んでいたはずのエルフなのに、心も身体もそちら側にいきたいと欲しているかのようだった。

 わっと泣き出したい気分だった。結局どちらにもなりきれないことはわかっている。なのに、この胸騒ぎは、この高揚した高鳴りは、彼女を突き動かそうとしていた。

 と、その胸騒ぎがいやに近くから感じられるように思われ、レンはすっくと屋根の上に立ち上がり、街を眺め回した。

 不意に、ぎゅん、と感覚が鋭くなり、遠眼鏡か何かで覗いたかのように視野が狭窄し、そこに二人の人物が不遜な態度で歩いてくるのが見えたのである。

(なんだこれ……でも、あの二人、絶対いい奴なんかじゃない。きっと、師匠たちを狙いに来た帝国の奴らだ! これは、ボクがなんとかしなくちゃ! だって、ボクは師匠の一番弟子なんだから!)

 レンは恐れげもなく屋根から飛び降りると、ちょうど広場に差し掛かっていた怪しい二人連れの前に立ちふさがった。

《これ以上は進ませないっスよ》

 驚いたのは、言われた方である。

 自分より背も低く、小枝のようにがりがりの子供を見下ろし、ミーガン・ウェヌス第六賢者は何かの聞き違いか何かではなかったかとじろじろとしばらくレンを観察してから、ようやく口を開いた。

《こんなところでハーフエルフに会うなんて面白いけれど、今はちょっと邪魔よ。ギャリオン、放り出して》

 ぬっとギャリオン・マーズ第七賢者の太い指が、レンの首根っこを掴もうと伸びる。

 それを敏捷に避けたレンは、両腰に下げている短剣を抜こうとして、それを宿に置きっぱなしにしてきたことを思い出した。少しだけ失敗したと思ったが、すぐに心を立て直し、自己流の構えをし、盛り上がった筋肉の塊のようなギャリオンと向き合った。

《ボクをただのなりそこないだとは思わないで欲しいっス。ボクは、アカネ師匠の一番弟子なんスからね!》

 ぐ、と身体を屈めて何かを仕掛けようとしたレンに、ギャリオンのすくい上げるような右拳が喉元に食い込み、レンの身体は高々と宙に浮いた。

《うっ、ううっ、苦しいぃぃっ! 離せっ、この、筋肉だるま! 離せってば!》

 じたばたと足を蹴り出すようにするが、ギャリオンには届かない。もとより、レンの力ではギャリオンのがっきと食い込んだ手をもぎ離すことはできなかった。

《離して欲しいか、ああ、ならば離してやるとも》

 ギャリオンの低い声が不吉に響き、ぶん、とレンを掴んでいた手が横に振り回された。その拍子に彼女が遠心力に乗って放り出された。

《ひゃあっ》

《愚かな邪魔だてをするから痛い眼を…》

 とギャリオンが言いかけたその時、ずさぁっと一陣の疾風のようなものを感じ、彼とその相棒の少女はそちらを見た。

 レンは建物の壁に激突する前に、その疾風をまとっていたらしい銀髪の少年に支えられ、無傷であった。

《よくもそんな小さな女の子にひどいことをしてくれたわね》

 と朱音が相手の威圧感など完全に無視した口調で言った。すると、大牙に助け起こされていたレンがくしゃくしゃになった髪のまま、身を乗り出すようにしてこの彼女の言葉に食ってかかった。

《ボクは小さな女の子なんかじゃないっス!! ボクは師匠の一番弟子っスよ?! こんな連中、ボクの超秘儀武王偃月…》

 ピントのずれたところで喚き散らしていたレンが、急にくたっと大牙の腕の中で脱力したので、駆け付けた者たちは新たな二人連れを用心深く見つめた。

《うるさいからちょっと黙らせただけよ。あたしはギャリオンと違って乱暴なことは嫌いなの》

 そして自分を見つめる、異国の服装をした若者たちとやや後方に立つ生粋のエルフを見やり、ミーガンは歳に似合わない物腰で腰に手を当てて続けた。

《魔力がないというのは本当のことだったようね。一体あなたたちは何者? 何の目的でやってきたの?》

《あたしたちが話すとでも思ってるわけ? カーマインの王子様にひどいことをした仲間なんかに》

 と言い返した朱音に対し、ふわふわとカールした髪を揺らし、ミーガンはくつくつと笑うと、少女らしく切りそろえられた前髪の間から抜けるような碧眼の色味を危険な色合いに染めながら言った。

《ああ、そうね。確かにひどいことだったかもしれない。魔法生物の連中はああいうことが好きだからね。でも、屍術魔法よりはましかもしれないわよ》

《セドリック王子は生きているのか?》

 龍児がやや嫌悪感を漂わせて問い詰めると、ミーガンは肩をすくめ、あざ笑うように応えた。

《さあね? それこそ、帝国の内情を得体の知れないあなたたちに喋るとでも思っているの? それよりも、あたしたちは、あなたたちの方に喋ってもらいたいことがたくさんあるのよ》

 カッと碧い眼が見開かれ、素早く何かの文言が唇の上に乗る。

 これを見たアルディドが叫んだ。

《麻痺の魔法陣だ! 回避しろ!》

 その言葉通り、蒼白い魔法陣が彼らの立っていた足元に描かれ、間一髪で避けた瞬間にぱぁっと輝いた。

 ミーガンは、忌々しく唇を捻じ曲げると、大牙からぐったりとしているレンを受け取った長身のエルフを睨みつけた。

《目障りなエルフね! ギャリオン、始末して!》

《おっと、そいつはさせねえぜ》

 今にもアルディドに走り込もうとしていたギャリオンの進路を断つように、大牙の小柄な身体が割り込んだ。

《お前たちは俺たちを狙いにきたんだろ? だったら、正々堂々、俺たちとやり合ったらどうよ?》

 ギャリオンの強面に僅かな変化が生じた。ミーガンが少女らしくなく舌打ちをすると、矛先を大牙以外の者に向け、別なる呪文を唱えようとした。

 しかし、二度も同じ手にはまる彼らではない。朱音は炎舞扇を呼び出すと、ミーガンに向かって駆け出しながら言った。

《クロト、リュウ、アルディドさんとレンを頼むわ! このクッソ生意気な女の子、あたしがのしてくるから!》

 炎の残像をたなびかせ、朱音が走り込んだところから、ミーガンは瞬間的に消えていた。ハッとした朱音が頭上を見上げると、何かの力場に包まれて空中浮遊している少女の、ワンピースの中がのぞけ、非情な帝国の魔道士なのに、真っ白なズロースなんか履いているのだなと、場違いな考えに捉われた。そしてそのままの感想を口にした。

《白じゃなくて、ピンクとか履いたらどうなの? おパンツ、丸見えよ、魔法少女ちゃん》

 優位に立ったと思っていたミーガンだったが、考えも及ばないところから攻撃(?)を受け、集中していた精神力が途切れて手の中に溜まっていた魔力の球が掻き消えた。

 すいーっと場所を移動したミーガンは、全く動じてもいず、むしろ面白がっているような朱音に対し、賢者に似つかわしくない苛立ちを抱いた。そのせいか浮かんでいる身体がふるふると震えているように見える。

 朱音がこれを見て追い打ちをかけるように言った。

《そんなに震えるとおパンツ、下がるわよ》

 ミーガンの、賢者としてではなく、素のミーガンとしての自尊心とか気恥ずかしさとか、そういったものが頂点に至った。制御しきれていない魔力が彼女の周りに放射され、それが光の矢のようになって朱音に飛んでいった。

《あら、怒らせちゃった?》

 ひらり、ひらり、とそれらをかわしながら、朱音はけらけらと笑った。これを背後から見ていたアルディドが呆れたように呟く。

《あれはたぶん帝国の七賢者と呼ばれるトップクラスの魔道士だよ。それなのにあんなふうにあしらうなんて、君たちにはほんと、驚かされるね》

 そのアルディドの驚きのもう一つの要因は、大牙とギャリオンがまさに対決しようとしている様相を見せていることにもあった。

 ギャリオンは両手を何かの印を結ぶように組み合わせながら、意識を高めていた。

一方の大牙は、そんなギャリオンの仕草に心をわくわくさせる子供のように眺めていた。

 熱気のような気魄の陽炎が、ギャリオンの履いている袴のように筒型の丈の長いズボンの裾から立ち上ってくる。

《はぁぁぁぁっ》

 気合の声が入り、ギャリオンは着ていた道着のような上着から両腕を抜いてもろ肌をさらした。

《うおーっ、こいつ、ほんとに魔法使いかよ? すげー、筋肉! なんか、俺、がぜんやる気出てきたぜ》

 大牙が歓声を上げた。そのくらい、ギャリオンの肉体は見事な筋肉で包まれていた。

《その者は自分を強化する魔法を使っているようだよ! 見かけで判断しない方がいいぞ》

 アルディドが魔力の流れを読み取り、大牙に助言したが、彼は両拳を胸の前で構え、軽くステップを踏みながら聞き流すように応えた。

《だいじょぶだいじょぶ。そこで見てなって。俺様の華麗な技を披露してやるぜ》

 すると、ギャリオンが野太い声で言った。

《正々堂々闘うのは私の好むところだ。さあ、どこからでもかかってこい、小僧》

 と、右手を突き出し、「来い」と指先をひらめかせた。大牙はこのくらいの挑発に乗るような神経の持ち主ではない。むしろ大喜びでこの挑発に乗った。

 ぐ、と身体をかがめてまずは肩で当身を食らわせようとしたのだが、ふ、と気配が消えたので、彼はすかさず転身してその場から退いた。

 勘は当たり、ミーガン同様、空中に浮かび上がったギャリオンが大牙の飛び込もうとしていた付近に狙いすまして落下の威力も含めての蹴りを繰り出していた。

《ずるいぞ、筋肉野郎、空に逃げるなんて。それともその筋肉ははりぼてかよ? 漢ならふわふわしねえでちゃんと地に足付けて殴り合おうぜ》

《そういうお前も不思議な鎧を用いると聞いておるぞ。私の戦い方に注文をつけないでもらいたい》

 再び空中に戻ったギャリオンは両腕を後ろに大きく振り上げ、その手に電撃のような気をためた。それを気合の声と共に放つ。

《くらえっ》

 薄紫の三日月状の衝撃波が空中から斜め下の大牙に向かって走る。それを横っ飛びで避けた先に、ギャリオンが不意に現れ、鋭い拳の突きと伸びがありながら重い上段蹴りのコンボが大牙の顔面に迫った。

《おっと》

 顎を引くようにそれら一連の攻撃をかわした大牙は、最後の一手をぱしっと腕で受けると、ぐ、ぐ、ぐ、と力をこめた。

 二メートル近いギャリオンと160センチそこそこの大牙では力の差があるはずだったが、みるみるギャリオンの体勢が辛そうにしなり始めた。

《もっと本気出していいんだぜ?》

 大牙がにやっと笑いながら言い、相手の拳を受けていた腕を払いのけ、その瞬間に伸びてがら空きになったギャリオンの格闘家のように腹筋の割れた腹にどん、と右拳を叩きこんだ。

《ぐほぉっ》

 大牙にしてみれば、変身もしていない状態の一撃なので、たいしたことはないと思っていたが、ギャリオンの大柄な身体は広場の石畳を滑って転がっていった。大牙はつんつんと跳ね回る銀髪の頭をぼりぼりとかきながら首を傾げた。

《あれえ? たいしたことない?》

 しかしこれで終わりではなかった。ギャリオンは不覚をとったことでスイッチが入ったかのように形相を変えていた。彼の身体のまわりにさきほどより強い熱気のようなものがまといつき、肌がてらてらと輝いている。

《小僧、私を怒らせたな? この第七賢者ギャリオン・マーズを本気にさせたからには、それなりのものをいただくぞ》

《とれるもんならとってみろってのよ、オッサン》

 両者の覇気が空に立ち上った時、二人の動きが止まった。

《ギャリオン! 引き時よ! あなたが暴走するとろくなことが起こらないんだから!》

 ミーガンの両手が薄青く光り、大牙とギャリオンの足元に魔法陣が敷かれていた。それは先にギャリオンの方が解かれ、すばやく彼の元へ駆け寄った彼女に腕を取られると、ふわっと空中に浮かび上がった。

《逃げる気?》

 朱音が悔しそうに空を見上げて言うと、ミーガンはつん、と言い返した。

《あたしたちはちょっと様子を見に来ただけよ。むしろ、あたしたちが本当にあなたたちを仕留めに来なかったことを有難く思うのね》

 そして短い瞬間移動を繰り返すようにしてあっという間に姿を消した二人を見上げ、朱音が悔しそうに言った。

《こういう時、『朱雀王』が使えればって思うわ!》

《余計帝国に目を付けられるだけだと思うがな》

 冷静に意見した龍児を振り返り、朱音は口を尖らせて言い返した。

《あんたは悔しくないの?》

 すると、レンを抱いていたアルディドが大人な態度で口を挟んだ。

《君たちが肩透かしを食らって不満なのはわかるが、この子を早く休ませたい。衝撃波を受けて脳が痺れてしまっている。僕の手持ちの気付薬が効くと良いんだが》

 これを聞き、賢者に逃げられて腹を立てていた朱音は現実に返った。

《そうね。やっぱり巻き込んじゃったわ。この子があたしを慕ってくれるのは悪い気はしないけど、こういうことが起こるんじゃ、ほんと、どうにかしないと…》

《ひとまずマルセラさんの宿に戻るとしようかのう? この娘っこのことは気が付いてからじゃ》

 と玄人は踵を返しかけたが、不意に何かを感じたように辺りをぐるりと見回した。珍しく眠っているような眼差しが開いている。

《どうした、クロト?》

 龍児が怪訝に尋ねると、玄人は首をかしげて歩き出した。

《うーん、何か感じたように思ったんじゃがなあ…気のせいかのう》

 しかしこれは気のせいではなかった。

 彼らがマルセラの宿に戻っていくのを確認すると、ひょっこりと教会の大きな青銅の扉の陰から姿を現した者たちがいた。

《念のため『魔力遮断装置』を持ってきていてよござんしたね》

 ワリードがローブの胸元に着けているバッジのようなものを示し、誇らしげに言った。これも、彼のくだらない発明品の一つである。

しかし、今回ばかりはそれが役に立った。まさか賢者が先回りしていたとは、さすがに予想していなかったからである。ファリーダたちがレイジュウジャーたちの足取りを追い、モーヴに入ったのとほぼ同じくしてミーガンとギャリオンがやってきて、あのような顛末となった。もしこの『遮断装置』がなければ、彼らの居所は賢者たちに知られ、何か面倒なことになったはずだった。

《しかし、賢者相手にあれだけの戦いができるっつうのは、一体どういう連中なんでしょうかね》

 ウマルが妙に感心したように言った。ファリーダは「ふん」と鼻であしらい、

《賢者も魔道士であることは変わりないよ。ただ着ているローブがキンキラキンかどうかの違いさ。たいしたことじゃない。それよりもだよ、今回こそは連中をやれるやつを作ったんだろうね?》

 ワリードはどん、と薄い胸を叩いて勝ち誇ったように言った。

《もちろんでさ。ただし、今回は遠隔操作はできません。その分、強力な仕掛けをしてありますんで》

《こそこそ隠れて戦うのはもう飽き飽きだよ。どうせギルドの目が光ってるんだ。どーんと全力でいくつもりだったよ》

《それでこそ我らがファリーダ様!》

 この部下たちはどこまで本気か不真面目なのかわからないと思いながらも、ファリーダは勝ちを信じて疑わなかった。


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